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ごあいさつ

田村会長

開催のごあいさつ

公益社団法人日本精神保健福祉士協会
会長 田村 綾子

 第 58回公益社団法人日本精神保健福祉士協会全国大会・第 22 回日本精神保健福祉士学会学術集会の開催にあたり主催者を代表してご挨拶申しあげます。
 愛媛県の全国大会・学術集会運営委員会では秋の深まる11月に全国から精神保健福祉士を迎えて私たちの使命と実践を問い直すための準備を行っています。本協会の目的として定款に掲げられている、精神障害者の「社会的復権」を正面から取り上げる大会は、実に35年ぶりとなります。
 35年前といえば、宇都宮病院事件を受けて精神衛生法が精神保健法に改正され、精神障害者の人権擁護や社会復帰の促進がいよいよ進むかと思われた時期です。その10年後に精神保健福祉士の資格化によって、国家からも精神障害者の社会復帰の促進が使命として与えられましたが、それよりはるか以前から私たちの先人は社会的復権を終局目標に据えていました。因みに、1988年の第24回大会(沖縄県)では「『精神保健法』いまスタートの時に 精神障害者の社会的復権とPSWの役割-改めて我々の実践をふりかえる-」というテーマが掲げられていました。前年の第23回大会(兵庫県)では「『精神衛生法改正のこの時期に』再び精神障害者の社会的復権を考える-自立へ向けての協働-」、第21回大会(神奈川県)では「精神障害者の社会的復権をめざす実践課題を求めて」、第19回大会(広島県)では「『精神障害者』の生活から社会的復権を考える-PSWのおかれている現場状況の中で-」と、1982年の第18回大会でいわゆる札幌宣言が出されて以降、当時は繰り返しテーマとされてきていました。
 以来、私たちはこのミッションをどのように継承し、自覚し、実践してきたでしょうか。昨年末には精神保健福祉法や精神保健福祉士法等の改正が決まり、来春には全面施行されます。コロナ禍で停滞したといわれている精神科病院からの地域移行の促進や長期入院の解消はもちろん、地域生活支援の充実が求められています。また、精神科病院での不適切な隔離・身体的拘束の廃止、患者虐待の根絶に向けて私たちがミッションを果たすべき場はむしろ拡大しています。さらに、昨今の精神疾患罹患者数の増加や世代を問わずメンタル不調を抱える人が増えていることをふまえ、精神保健の課題をもつ方々への支援も私たちの役割として期待されています。

「長き夜や 千年の後を 考へる」


 愛媛県松山市が生んだ俳人、正岡子規の句です。
 本大会は、4年ぶりに対面型での開催が予定されています。愛媛県松山市に集い、先人の実践に深い学びを得、仲間とともにその実践を進展させ、精神保健福祉士としての真の価値や能力を高め合う機会としましょう。昔話をするための集まりではありません。秋の夜長に大いに語り合い、誰もが自分らしく「コノ邦ニ生キル幸セ」を実感できる未来を展望しましょう。

菊地全国大会・学術集会長

歓迎のごあいさつ

第58回全国大会・第22回学術集会
全国大会・学術集会長 菊地 健

 第58回公益社団法人日本精神保健福祉士協会全国大会・第22回日本精神保健福祉士学会学術集会(愛媛大会)を開催するにあたり歓迎のご挨拶を申しあげます。
 北海道大会はオンライン開催、群馬大会はハイブリッド開催と両大会とも初の試みとなる中、精神保健福祉士の専門性を高め、社会から真に必要とされる精神保健福祉士の実践を考える機会となりました。
 社会情勢や取り巻く環境の変化、メンタルヘルス課題の拡大などに伴い、精神保健福祉士の果たす役割が、精神障害者に対する支援のみならず、精神障害等によって日常生活又は社会生活に支援を必要とする者やメンタルヘルス課題を抱える者への支援まで拡大し、精神保健福祉士の配置・就労状況も、医療、福祉、保健分野から、教育、司法、産業・労働分野へ拡大してきています。しかし、精神保健福祉士の使命である社会的復権はまだ成し遂げられておらず、今なお医療機関等での権利侵害が報道されるなど、精神保健医療福祉の構造的問題は解消されていません。精神保健福祉法が改正される中、だれもが安心して受けられる医療・福祉の実現、新たな権利侵害が起こらない仕組みを構築していく必要があると考えます。
 自分たちの存在意義、役割を見つめなおし、精神保健福祉士の最大のミッションである社会的復権を実現していくため、本大会テーマを「ミッション!社会的復権の実現~ソーシャルワーク実践の深化・進化・真価~」としました。
 本大会では、初日から社会的復権にこだわったプレ企画、基調講演では、「社会的復権の実現に向けたソーシャルワーク~精神保健福祉士の責務~」をテーマに、精神保健福祉士一人ひとりの自覚と責任に呼び掛けるような講演をいただきます。記念企画は、「あたりまえの社会を目指して~社会的復権の実現のための課題~」と題し議論を交わします。2日目は、松山市出身の作家天童荒太氏の講演を企画しており、分科会では全国の皆さまから数多くの貴重な発表をいただきます。大会全体を通し、専門職団体の意義や役割などを再考することで、精神保健福祉士が今何をすべきなのか、これから取り組むべき実践について考える機会にしたいと思います。
 愛媛県は瀬戸内海、宇和海、石鎚山などの美しい自然、その自然の中ではぐくまれる新鮮な海の幸や山の幸、日本最古の道後温泉、別子銅山などの産業遺産、歴史的な町並みなどの多彩な資源が存在し、県民には、古来遍路文化によって培われたお接待の心が受け継がれています。
 久しぶりの対面開催で、これまで十分に交流ができなかった思いも込めて、多くの構成員が一堂に会し、大会を盛り上げていただければ幸いです。愛媛県支部構成員及び愛媛県精神保健福祉士会会員一同、多くの皆さま方のご参加をお待ちしております。
 どうぞ皆さま、愛顔(えがお)あふれる愛媛の地で、精神保健福祉士の使命について大いに語り合いましょう。

連動企画

「心のサポーター指導者養成研修」開催案内
日程:11/2(木)18~20時
締切:10/16(月)
参加費:無料
共催:国立精神・神経医療研究センター・日本精神保健福祉士協会