日本精神保健福祉士協会
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・機関誌「精神保健福祉」

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[最新号のご紹介]
日本精神保健福祉士協会誌
精神保健福祉 通巻129号 Vol.53 No2,2022


[巻頭言]当事者と地域を紡ぐ/岩尾  貴

[特集]精神保健福祉士とピアサポーターの協働、現状とこれから

[総論]
・ピアサポートの不思議な力/ 相川 章子

[各論]
・障害福祉施策とピアサポートの普及活動の動向について/岩崎  香
・チームにおける精神保健福祉士のピアサポーターとの協働/坂本智代枝・栄 セツコ

[実践報告]
・株式会社MARSのピアサポーターの活用と千葉県ピアサポート研修について/中田 健士
・ピアサポートへ向けた取り組みを通して見えてきたこと、伝えたいこと/古橋 陽介
・仙台市におけるピアサポーター養成の取り組みの実際/池田 裕道
・精神障害の経験を活かして働くことは生きることを学び続けること/稲垣麻里子
・精神保健福祉士とピアサポーターとの協働/奥田直輝・舩曳富士江
・東京都世田谷区でのピア活動の取り組み/杉山真生子
・鳥取県協会における障がい者ピアサポーター養成研修事業の取り組み/吉川  敦

[座談会]
精神保健福祉士とピアサポーターの協働、現状とこれから/佐々木理恵・飯山 和弘・小阪 和誠・彼谷 哲志・ 鈴木 篤史・原   敬・田村 洋平・坂本智代枝

[連載]
・BOOKガイド 渡部 裕一・狩野 俊介
・つくる・つなぐ・ひらく第12回/心のひっかかりをアクションに!;協働の実践を通して 白澤 珠理
・声 第8回/発達障害ひきこもりのための憩いの場;ピアスタッフが運営するNeccoカフェ 金子磨矢子
・わたし×精神保健福祉士第13回/わたし×精神保健福祉士×援助することの意味 伊藤 純子
・メンタルヘルス見聞録第9回/国際ワークショップinスリランカに参加して 瑞慶覧紗希
・協会の動き/坪松 真吾
・協会の行事予定


巻頭言

当事者と地域を紡ぐ

くらし・しごと応援センターはるかぜ 岩尾  貴

 私が活動している地域には、「悠々あゆみ会」という当事者の会があって、私もメンバーとして加わっている。「悠々あゆみ会」は、市内で暮らす障害のある人が集まり、レクリエーションや日常生活での困り事や悩みなどの話し合い、障害理解を深めるための啓発活動などを行っている。これまで「悠々あゆみ会」では(自立支援)協議会等の取り組みとして、障害者週間に障害の理解を促すチラシを入れたテッシュを配るキャンペーンや施設職員、民生委員を対象にした研修会に参画してきたが、複数のメンバーから「キャンペーンや研修に効果はあるのか。それよりも地区の民生委員や町内会長の顔を知らない。災害のときには自分から外には出られず、誰かの助けを待つしかない」「自分が住んでいる地域の人とつながりが持てる活動がしたい」との意見があがった。当事者が生活の中で感じていることと(自立支援)協議会等の取り組みにはズレがあることがわかり、「悠々あゆみ会」を中心に地区ごとに当事者と民生委員が話し合える場づくりの検討を始めた。

 障害者権利条約は、「私たちのことを、私たち抜きに決めないで」(Nothing About Us Without Us)を合言葉に当事者が参加して作成された。この言葉は、われわれ専門職が当事者を「受け手」にしてしまっている痛烈な批判でもある。 これまで私自身も当事者の言葉や思いを専門職としての言葉に置き換えて支援する側の視点で活動してしまっていたのではないかと考えさせられた。

 当事者や私自身が地域と交流をもち理解し合っていくか、そういう機会をつくれているかが課題だと考える。 当事者の生の声を聴き、当事者と共に行動していくことは、地域づくりの原動力ではないかと思う。地域の中で当事者と共に地域社会を紡ぐ実践を続けていきたい。

[特集]精神保健福祉士とピアサポーターの協働、現状とこれから

特集にあたって

 専門職主導の精神保健医療福祉の限界や弊害が指摘されるなか、精神的困難を経験した人たちのピアサポートの文化が、精神障害に対する社会のスティグマへの挑戦と、精神医療や障害福祉の変革をもたらす潮流として注目されています。

 2021年4月、障害福祉サービスにピアサポート体制加算、ピアサポート実施加算が新設され、一部の障害福祉サービス事業所で、ピアサポーターが自身の経験的知識を生かし、同じく障害をもつ人の支援を行う制度がスタートしました。ピアサポーター、および事業所の管理者もしくは職員は、都道府県や政令指定都市が実施する「障害者ピアサポート研修」を修了することが条件となっています。

 一方で、「障害福祉の現場はピアサポーターを受け入れる準備ができているか?」「ピアサポーターの質は誰がどうやって担保するか?」、などの声も聞かれ、精神保健福祉士とピアサポーターが協働するための環境整備が求められています。

 本特集では、ピアサポートの意義と効果、障害者総合支援法でピアサポーターが制度化された背景、制度の内容、精神保健福祉士とピアサポーターの協働の実際について取り上げます。さらに、精神医療や障害福祉サービス事業所でピアサポートの活動領域を切り拓いてこられた、ピアサポーターの方々をお招きし、精神保健福祉士とピアサポーターの協働をテーマに座談会を開催しました。

 本特集を通じて、精神保健福祉士がピアサポーターとの協働の挑戦を続けていく醍醐味を伝えると同時に、私たちの中にもあるスティグマや障壁に気づき、精神保健福祉士としての援助観を再考する機会となれば幸いです。

鈴木 篤史・田村 洋平・原  敬


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