日本精神保健福祉士協会
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[最新号のご紹介]
日本精神保健福祉士協会誌
精神保健福祉 通巻126号 Vol.52 No3,2021


[巻頭言]勇断/長谷諭

[誌上研修] あたりまえの生活を支えるために;私たちにできること

・オリエンテーション  研修開催にあたって/鶴 幸一郎
・ アンケート報告  当たり前の生活のために;障害年金及び生活保護制度を用いた支援に関する 意識調査 402名の声/山本 綾子
・ 講演 生活を支えるために制度や政策にどう向き合うか/中村 和彦
・ シンポジウム  あたりまえの生活を支えるために;私たちにできること/シンポジスト 小野紀代子・鶴田 啓洋・柏木 一惠、司会:鶴 幸一郎
・感想 参加者の声

原著
ソーシャルワーカーの専門職アイデンティティ尺度開発;バーンアウト、職業コミットメント、職務満足、離職意識との関連 大谷 京子

[実践報告]
キャリアラダーの開発プロセス;精神保健福祉士の資質向上を目指して 岡田 隆志,越智あゆみ,栗原 活雄,ほか

[連載]
・つくる・つなぐ・ひらく第10回/想いを科学する;地域福祉の実践とピアサポートの政策実現]吉野  智
・わたし×精神保健福祉士第11回/非自発的入院医療への関心 山本 和弘

読者の声


巻頭言

勇断

宮城県立精神医療センター 長谷 諭

 本年9月10、11日の第56回全国大会・第20回学術集会について、5月25日オンライン開催とする旨の発表があった。当初は、現地会場(北海道札幌市)での開催とウェブ配信を併用した「ハイブリッド形式」での開催を目指していたが、開催地である北海道をはじめ全国各地で新型コロナウイルスの感染状況が拡大傾向にあり、参加者が安心して現地に足を運ぶことができる状況にないことなどから開催方法の変更に至ったものである。

 本来北海道大会は昨年度(2020年度)に開催される予定であった。それがコロナウイルス感染症の影響で延期が決定されたときには「来年こそは皆で札幌に集いましょう」と小職も周囲の仲間と誓い合ったことを克明に覚えている。全国大会を1年間延期すること自体、運営委員をはじめとした現地の皆様には言葉では言い表せないほどの大変なご苦労があったことと思われる。そして、現地での開催を目標に準備を進めていた今年度の開催について、上記のような決定を行うことは断腸の思いであったと拝察する。

 札幌へ行くことを楽しみにしていた一構成員として残念な思いは当然あるが、今回の決定は参加者の安全安心と事前準備の期間等に配慮したまさに勇断であったと思う。
 運営委員、本部の皆様をはじめ多くの方々が、本誌が手に届く今もなお、オンライン開催に向けた懸命な準備を進めていることと思われる。彼らに心からのエールを送りつつ、本誌をご覧の皆様に呼びかけたい。

[誌上研修]あたりまえの生活を支えるために;私たちにできること

特集にあたって

 昨年5月開催予定のソーシャルワーク研修が、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、本年4月にオンライン研修という形で開催された。昨年6月まで設置されていた社会保障問題検討委員会が構成員を対象に実施したアンケートでは、私たち精神保健福祉士が、精神障害者の生活を支える障害年金と生活保護という2つの社会保障制度をどのように活用しながら実践し、そのプロセスにおいてどのような困難を抱え、どう対処しているのかについて調査している。

 新型コロナウイルスによる世界的な大混乱は、これまで社会が抱えてきた多くの問題を顕在化した。もちろん日本も例外ではない。コロナウイルス感染症がトリガーとなり、浮き彫りとなった社会が抱える多様な課題に対して、私たち精神保健福祉士ができることはどのようなことであろうか。私たち自身の当たり前の生活が脅かされる日々のなかで、私たち精神保健福祉士は、「生の営みの困難」を抱えるクライエントの当たり前の生活を実現するために、社会保障制度を活用し、十分な支援を提供できているのだろうか。新型コロナウイルスにより国民全体が我慢を強いられている現状のなか、クライエントに「しかたがない」を強いてはいないだろうか。「しかたがない」と現状を肯定するのではなく、当たり前の生活を実現するだけの十分な社会保障制度が整えられているかについて検証し、現状を変えるためのソーシャルアクションを行うことができているだろうか。

 アンケートからは、さまざまな工夫を重ねながら実践してはいるものの、それでも一人では解決できない多くの困難を抱え、悩んでいる多くの構成員の姿が明らかとなっている。精神障害者をとりまく社会が、より困難さを抱えている今だからこそ、本特集を通し、一人ひとりが自らのかかわりを点検し、この社会が抱える多くの問題に対峙していくために手を取り合う必要があることを再認識する機会となり、少しでも希望をもち実践していくためのヒントとなれば幸いである。

執筆者 寺西 里恵(機関誌編集委員・元社会保障問題検討委員)



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