要望書・見解等

2011年度


標題 障害者総合支援法案に係る要望
日付 2012年3月30日
発翰番号 JAPSW発第11−317号
発信者 社団法人日本精神保健福祉士協会 会長 竹中秀彦
提出先 自由民主党 政務調査会 障害者特別委員長 衛藤晟一 厚生労働部会長 宮沢洋一

 日頃より、障害保健医療福祉施策の発展充実に対するご尽力に心から敬意を表します。
 さて、本年3月13日に「地域社会における共生の実現に向けて新たな障害保健福祉施策を講ずるための関係法律の整備に関する法律案」が上程され、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律案(以下、「障害者総合支援法案」という)」が提示されました。
 しかしながら、障害者総合支援法案は、総合福祉部会が取りまとめた「障害者総合福祉法の骨格に関する総合福祉部会の提言」(以下、「骨格提言」という)を必ずしも十分に反映した内容とはなっておりません。
本協会は、2011年12月20日に骨格提言に関する見解を取りまとめ、骨格提言を総論的には支持し、部会が新法に求める6つの目標((1)障害のない市民との平等と公平、(2)谷間や空白の解消、(3)差の是正、(4)放置できない社会問題の解決、(5)本人のニーズにあった支援サービス、(6)安定した予算の確保)の実現を願うことを表明しております。
 つきましては、精神障害者の社会的復権と福祉のための専門的・社会的活動を進めることを基本方針として、各種事業に取り組んでいる立場から、以下の点を要望いたします。

1.3年後の障害程度区分の見直しは、新たな支給決定の仕組みの導入を前提とした見直しであることを法律に明記してください。

2.地域移行の確実な実施のために、障害福祉計画や医療計画と連動した「地域基盤整備10ヵ年戦略」(仮称)を策定してください。
以上
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標題 障害者総合福祉法案(仮称)の上程に係る緊急のお願い
日付 2012年2月21日
発翰番号 JAPSW発第11-293号
発信者 社団法人日本精神保健福祉士協会 会長 竹中秀彦
提出先 衆・参議院議員(厚生労働委員)

 日頃より、障害保健医療福祉施策の発展充実に対するご尽力に心から敬意を表します。
 さて、本年2月8日に開催された障がい者制度改革推進会議総合福祉部会において厚生労働省から障害者総合福祉法案の概要が示されましたが、その内容は、総合福祉部会が取りまとめた「障害者総合福祉法の骨格に関する総合福祉部会の提言」(以下、「骨格提言」という)とかけ離れた内容となっておりました。
 本協会は、2011年12月20日に骨格提言に関する見解を取りまとめ、骨格提言を総論的には支持し、部会が新法に求める6つの目標((1)障害のない市民との平等と公平、(2)谷間や空白の解消、(3)格差の是正、(4)放置できない社会問題の解決、(5)本人のニーズにあった支援サービス、(6)安定した予算の確保)の実現を願うことを表明しております。
 つきましては、精神障害者の社会的復権と福祉のための専門的・社会的活動を進めることを基本方針として、各種事業に取り組んでいる立場から、以下の点を強く要望いたします。

1.骨格提言を最大限尊重し、計画的、段階的に実現するための具体的な工程表を示してください。

2.経過措置を設けたうえで、障害程度区分に代わる新たな支給決定の仕組みを導入することを法律に明記してください。

3.地域移行の確実な実施のために、障害福祉計画や医療計画と連動した「地域基盤整備10ヵ年戦略」(仮称)を策定してください。
以上
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標題 「心身障害者用低料第三種郵便物」に代わる新たな制度の実現に向けた要望に係る署名協力について
日付 2012年2月13日
発信者 JAPSW発第11-283号
提出先 日本障害フォーラム

 本協会が加盟する日本障害者協議会からの協力呼びかけにより、署名を行った。

【要望事項】

 現行の心身障害者用低料第三種郵便物制度は、障害者権利条約や改正障害者基本法における情報アクセス・コミュニケーション保障という趣旨に照らし、今日の障害者団体の実情にそぐわなくなっています。
 現行制度の承認条件(8割以上の有料販売等)などに捉われず、障害者団体が安心して定期刊行物を発行し郵送配布できることを目的とした、新たな「第五種郵便物」制度(仮称)を設けて下さい。

障害者団体が発行する定期刊行物の新たな制度を求める要望書(2012年2月22日/総務大臣 川端達夫宛/全国障害者団体定期刊行物協会連合会、日本障害フォーラム(JDF)発/)(JDFサイトリンク)

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標題 「障害者総合福祉法の骨格に関する総合福祉部会の提言」に関する見解
日付 2011年12月20日
発信者 社団法人日本精神保健福祉士協会

 2011年8月30日に障がい者制度改革推進会議総合福祉部会(以下、「部会」という)は、「障害者総合福祉法の骨格に関する総合福祉部会の提言」(以下、「提言」という)を取りまとめ、同年9月26日には、親会議である障がい者制度改革推進会議において承認された。まずは、55名の部会の構成員が、さまざまな立場や利害を超えて骨格提言を取りまとめるに至ったことに、心からの敬意を表するものである。
 本提言を受けて、厚生労働省は2012年常会への障害者総合福祉法案の提出に向けた作業に取り組むこととなる。本協会は精神障害者の社会的復権と福祉のための専門的・社会的活動を進める立場から、骨格提言の内容を総論的には支持し、部会が新法に求める6つの目標((1)障害のない市民との平等と公平、(2)谷間や空白の解消、(3)格差の是正、(4)放置できない社会問題の解決、(5)本人のニーズにあった支援サービス、(6)安定した予算の確保)が実現することを真に願うものである。
 しかしながら、「選択と決定(支給決定)」「相談支援」「地域移行」「支援(サービス)体系」「権利擁護」の各論においては、法案作成に当たってそれぞれ若干の懸念を抱かせる内容が含まれていることから、以下に本協会としての見解を述べるものである。

1.選択と決定(支給決定)および相談支援について

 支給決定の仕組みに関して、現行の障害程度区分認定を基本とした仕組みから、サービス利用計画に基づきサービス利用者本人の意向を尊重することとしている点については全面的に賛同する。

 提言では、相談支援専門員の役割は、セルフマネジメントが難しい意思(自己)決定に支援が必要な人に対して、相談支援を通じて障害者や家族の意向、ニーズを包括的な支援に結び付けていくために、「本人中心支援計画」を立案することが柱として位置づけられており、「サービス利用計画」はあくまで支援の内容と量の計画になるとされている。この2つの計画は内容や性格が異なるとはいえ、現行制度上の「個別支援計画」も含め複数の計画があることで、利用者の混乱を招く事態が生じないための工夫が必要である。
 申請の前にサービス利用計画を策定するという仕組みにおいては相談支援体制の充実が重要となることは言うまでもない。現状では、相談支援の業務経験がないまま相談支援従事者研修を受講することで相談支援専門員になっている課題がある。また、その研修内容も本人中心の相談支援を展開して行くうえでの質的な担保となりえていない。サービス利用計画の作成支援に当たる相談支援専門員の質・量双方の確保に向けた策が不可欠である。相談支援専門員の質の担保のために、「将来的にはソーシャルワーク専門職を基礎資格とすることを目指すべきである。」としているが、法作成に当たっては、経過措置を設けたうえで精神保健福祉士および社会福祉士を明確に基礎資格として位置づけるべきである。また、その際には、経過措置期間中に、障害者制度改革に照らして現行の専門職養成課程の見直しを図ることを進める必要がある。
 また、市町村が責任を持って支給決定を行うためにも、当該業務を担当する市町村職員に関して、ソーシャルワーク専門職の配置促進および福祉事務所における所員定数を参考とした配置標準の導入が必要である。

2.地域移行について

 提言において、「すべての障害者は地域で暮らす権利を有し、障害の程度や状況、支援の量等に関らず、地域移行の対象となる」ことを明記し、「地域移行」の定義を「障害者個人が市民として、自ら選んだ住まいで安心して、自分らしい暮らしを実現することを意味する」としたこと、および、国が、社会的入院、社会的入所を早急に解消するために「地域移行」を促進すべく法に明記し、重点的な予算配分を伴う政策として位置づけ実施することとしたことに、全面的に賛同するものである。
 わが国においては、市民として自ら選らんだ住まいで自分らしく暮らす権利を有する障害者が長らく入院や入所を強いられてきた歴史があり、累次の施策の実施によってもなお状況は解消されずに今に至っている。提言にあるように、地域移行の実現には地域移行プログラムと地域定着支援の提供と併行した選択しうる地域資源と支援システムの整備が不可欠であり、そのためにも、地域移行に関する都道府県や市町村の役割も明記されるべきである。
 また、施設や病院は、「国が行う地域移行プログラムや地域定着支援の事業を受けるように積極的に努めなければならない」とされており、どの施設・病院あるいはどの地域にあっても、入所者・入院者への定期的なニーズの聴き取りが院内・外の多職種チーム等により実施される仕組みが必要である。
さらに、施設・病院における地域移行に関する阻害要因の検証や積極的取り組みを促進する経済的裏づけを重点的な予算配分において保障することが求められる。その際に、入所施設・病院の職員が地域生活支援の専門職としての役割を果たすために国が用意すべき、としている「移行支援プログラム」は、可視化できるようロードマップの策定を伴い検討及び実施されることが望ましい。同時に、それらを医療計画とも関連づけて、側面的に支援する都道府県の役割も明記するべきである。また、これらの移行支援プログラムにおける支援に関する視点や方法論などが各支援職種の既存の養成や研鑽体系と連動していくことも検討されなければならない。
 なお、地域移行・地域定着支援に関しては、2012年から施行される改正障害者自立支援法に関するパブリック・コメントにおいて、本協会は本年7月29日付けで、地域相談支援(地域移行支援、地域定着支援)について以下のような要望(抜粋)を行っている。

(2)ピアサポーターの積極的な登用を図るべきです。
1)従来の補助事業では、社会的入院者への退院意欲を高めるための有効な方法として、ピアサポーターによる支援が展開され、体験者ならではのニーズを把握する力、柔軟性のある活動が、対象者の意欲の向上、自信の回復、関係者への啓発において有効であることが示されています。

2)地域移行推進員(仮称)については、資格・経験を問わないとしていることから、ピアサポーターの登用が想定されていると考えますが、地域移行支援においてピアサポーターによる支援は必要不可欠であり、国として引き続きピアサポーターの登用の推進及び雇用の維持に取り組む必要があります。

(3)市町村を超えた圏域でのコーディネート機能の継続と、都道府県自立支援協議会の充実が必要です。
1)補助事業においては、保健所が市町村や関係機関への支援の協力要請を行うとともに、当該事業の受託事業所の地域体制コーディネーターが保健所等と協働して地域移行に係る普及啓発活動や相談支援事業所への支援スキル向上を目的とした研修を行うなど、官民協働による取組みにより地域のネットワークは確実に育ってきています。しかしながら、今後は市町村及び相談支援事業所が中心となって個別給付事業を行うこととなり、地域間格差が生じることが懸念されます。

2)このため、個別給付化された後も少なくとも3年の間は、地域体制整備コーディネーターを存置する必要があります。また、退院意欲の低い入院患者や困難ケースの支援、圏域を超えるケースへの支援に際しては、都道府県が主体となり、各地域の関係者で「支援チーム」を構成できるような仕組みが必要です。

3)なお、地域移行支援の実施要綱等には、都道府県が地域移行に関する協議会を活用し、医療計画、生活保護の退院支援、病院実地指導、自立支援協議会と連動して、横断的に社会的入院者の地域移行推進計画を策定する必要があることを明記すべきです。

(4)地域相談支援を担う相談支援専門員の要件に精神保健福祉士を明記してください。
 今般の障害者自立支援法の一部改正とともに精神保健福祉士法も一部改正され、新たに精神保健福祉士が精神障害者の地域相談支援の利用に関する相談に応じることが規定されました。このため、精神障害者を対象とした地域相談支援の実施にあたっては、専従の相談支援員の要件として精神保健福祉士であることを明記すべきと考えます。

3.支援(サービス)体系について

 提言において、支援体系を「全国共通の仕組みで提供される支援」「地域の実情に応じて提供される仕組み」に大きく2分し、現行の地域生活支援事業のように市町村の創意工夫や裁量で実施可能とする仕組みを「市町村独自支援」という名称にして残すことに賛同するものではあるが、そこに地域格差が生じないよう財政面を含めた新たな仕組みの妙案を得たい。
 就労支援体系に関しては、労働法を適用し最低賃金保障を目指すとする「障害者就労センター」と、労働法は適用されず利用者へは工賃を支払うとする「デイアクティビティセンター(作業活動支援部門)」との2体系を創設するとされ、利用期間を限定しないことや、関係機関との連携のもとで一般就労への支援や移行後のフォローも行うという体系区分間の利用者の移行支援等柔軟に示されている。また、社会的雇用等多様な働き方についての試行事業の実施や新法施行後3年を目途に検証した障害者の就労支援の仕組みの検討など、新法における体系案が完成形ではないことも窺える。
 障害者の就労支援の仕組みに関する構築のための検討を精力的に行うことの計画は支持するものであるが、現行障害者自立支援法における体系からの再編は、この間の移行状況や、さらに体系変更がありうる可能性が想定されることについては、現場の混乱により利用者や事業者が翻弄されることや疲弊してしまう事態を招かないよう、十分な説明の実施と経過措置期間を設けるべきである。
 現行では地域活動支援センターが地域生活支援事業として位置づけられているが、提言では日中活動等支援としてデイアクティビティセンターが「全国共通の仕組みで提供される支援」に位置づけられている。また、当該支援における質の確保に関してプログラムの標準化・職員配置および建物設備等の基準の設定を行うこととされ、さらに医療的ケアが必要な人や移動・コミュニケーションへの支援が必要な人の利用を想定した基準を設けるとともに、自治体が基準等を踏まえ、計画的な整備をすることとしている。これまで、精神障害者地域生活支援センターや障害者デイサービスセンター、小規模作業所などが地域生活支援事業の地域活動支援センターに移行してきた経緯から全国共通の仕組みで提供される支援に再編されるに際しては、現行の支援体系に関する評価や検証のうえに、今後、その機能が充実強化されるためのプロセスが、事業者等の理解を得て着実に進められるようにすることが重要である。
 提言では、ケアホームとグループホームはグループホームに一本化し、住まいと基本的な日常生活上の支援とするとされている。家庭的な環境としての規模等から、定員上限を4〜5人とすることなどに賛同するものであるが、事業所や利用者の混乱を招かないためにも、新体系への移行には経過措置期間を十分に設けるべきである。同時に、グループホームの整備に当たって欠かせない住民の理解等を求める取り組みとして市町村等自治体の役割も重要となるとされていることに関しては、この役割を通知等に明記しておくべきである。

4.権利擁護について

 提言では、国は、都道府県ないし政令指定都市単位で第三者の訪問による権利擁護(オンブズパーソン)制度などの体制整備を行うものとしており、さらに、この制度が精神科病院における権利擁護制度と連携協力する観点及び、現行の精神医療審査会が種々の課題から機能していないため、入院中の精神障害者も含む精神科病院における権利擁護を定着させるための制度を位置づける必要があるとしていることに賛同する。同時に、非自発的入院や入院中の行動制限に関し、精神障害者が地域社会で自立(自律)した生活を営むことができるよう、精神保健福祉法や医療法等、関係する法律の抜本的見直しのうえ、権利の保障を踏まえた規定を整備し、いわゆる社会的入院を解消することを盛り込むべきとしていることを支持する。
 また、本提言では、非自発的入院や入院中の行動制限について、人権制約を伴うものであることから、本人の意に反した又は本人の意思を確認することができない状況下での適正な手続きに係る規定とともに、医療内容に踏み込んだ人権保障の観点から第三者機関による監視および個人救済を含む適切な運用が為されることを担保する規定を整備すること、また第三者機関の必要経費は国庫負担とすること、としている。この部分については、権利条約に照らしつつも、現在、厚生労働省で行われている保護者制度や入院制度の見直しなどを踏まえて、実行性のある適正手続きが確保されるような法制度の整備を望むものである。
 関連する「精神障害者に対する精神医療の質の向上」について一般医療との比較において格差が設けられている現行の精神医療の基準を改めることが急務である。その際には精神障害者の日常生活を支える不可欠のサービスとして、医療が、保健、福祉、生活支援のサービスと有機的連携を確保しつつ提供されるためにも、必須である精神障害者の権利擁護の促進のためにも、ソーシャルワーク専門職である精神保健福祉士の配置を法律上規定することが必要である。

その他

1)障害者の医療費公費負担制度の見直しについて
 医療費公費負担制度の見直しにあたっては、これまで多くの自治体で精神障害者が重度障害者医療助成制度の対象となっていないことの問題や現行の自立支援医療(精神通院)の所得制限の撤廃についても十分に検討される必要がある。

以上

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標題 チーム医療推進にむけた各医療関係職種の役割や業務拡大等に係る要望について
日付 2011年12月14日
発翰番号 JAPSW発第11-242号
発信者 社団法人精神保健福祉士協会 会長 竹中 秀彦
提出先 民主党 厚生労働部門会議 医療・介護ワーキングチーム チーム医療小委員会 委員長 山崎摩耶

 日頃より、保健医療福祉施策の発展充実に対するご尽力に心から敬意を表します。
現在検討が進められている「チーム医療推進にむけた各医療関係職種の役割や業務拡大等」に関して、精神障害者の社会的復権と福祉のための専門的・社会的活動を進めることを基本方針として、各種事業に取り組んでいる立場から、以下の点を要望いたします。

 「入院中心から地域生活中心へ」むけた良質な精神科医療の推進には、医療のみならず地域の福祉ならびに介護サービスとの連携によるチームアプローチが欠かせません。精神保健福祉士は、医療と地域社会とのつなぎ役を担い、社会・生活モデルによる支援を行う人材であることから、医療機関等における適正配置のための具体的方策を求めます。

1.施設基準として病棟単位および外来・在宅ケア部門での精神保健福祉士の配置を規定してください。
 診療報酬の特定入院料に係る施設基準には、病棟単位で精神保健福祉士配置の規定があるものとないもの等が混在しています。地域移行の円滑な推進には、病棟単位での多職種チームの配置が欠かせません。
 また、在宅医療の推進には、医療・保健・介護・福祉の連携が欠かせず、外来・在宅ケア部門に専従する精神保健福祉士が必要です。

[参考1]特定入院料の施設基準
特定入院料 精神保健福祉士配置に係る施設基準
精神科救急入院料 病棟に常勤の精神保健福祉士2名以上
精神科救急・合併症入院料 病棟に常勤の精神保健福祉士2名以上
精神科急性期治療病棟入院料 病棟に常勤の精神保健福祉士又は臨床心理技術者1名
精神療養病棟入院料 病院に常勤の精神保健福祉士又は臨床心理技術者1名
認知症治療病棟入院料 病院に専従する精神保健福祉士又は臨床心理技術者1名以上
※精神病棟入院基本料(出来高払い病棟)には精神保健福祉士の配置規定なし

[参考2]本協会の2012年診療報酬改定に関する要望書(2011年6月3日付厚生労働省宛て)の抜粋
2.「精神科地域移行実施加算(U)」を新設し、施設基準として算定対象となる精神病棟に精神保健福祉士の配置を規定してください。
[理由]
 2008年の診療報酬改定により、新たに精神科地域移行実施加算が設けられ、精神病棟における入院期間が5年を超える患者の地域移行の促進が図られているところです。しかしながら、精神科病院等によっては算定要件を満たすことが難しい医療機関が多いこと、入院期間が1年を超える患者についても病状以外の社会的要因により地域移行が難しい者も多く存在することから、現行の精神科地域移行実施加算(A230-2)を「精神科地域移行実施加算(U)」として、新たに、入院期間が1年を超える患者を対象とした「精神科地域移行実施加算(U)」を新設して、入院期間1年を超える入院患者のうち、退院した患者の数が1年間で10%以上減少の実績がある場合に算定できることを要望するものです。
 なお、「精神科地域移行実施加算(U)」の施設基準としては、(T)の基準に加えて、精神保健福祉士の配置規定がない精神病棟(精神病棟入院基本料の算定病棟、特定機能病院入院基本料の算定病棟、精神療養病棟)について、50床に1名の割合で精神保健福祉士の配置を規定することで、長期入院患者の地域移行が促進されるものと考えます。

2.在宅医療を提供するケアチームの一員として機能できる業務規定のあり方が必要です。

 精神科医療機関における精神保健福祉士が行う業務としては、患者に対する直接的な相談支援のほか、連携調整として行う環境調整やコーディネート、資源開発等の間接的なソーシャルワーク業務も多く、診療報酬等の評価に馴染みにくいものとなっています。今般改正された精神保健福祉士法には、精神保健福祉士が精神障害者の地域生活支援を担うことが明示されたことからも、精神保健福祉士の配置基準と併せて、ケア会議等の連携業務が報酬上評価される規定を設けてください。
 また、本協会は特に深刻な課題となっている認知症患者や高齢精神障害者の精神科病院からの地域移行や退院支援促進の観点から、地域包括支援センターへの精神保健福祉士の配置も要望しているところです。認知症のある方の地域生活支援に関しては介護や福祉と医療との地域内ケアチームが医療の観点からも重要です。加えて、5年以上・65歳以上の在院精神障害者の退院支援も政策課題とあげられている中、認知症だけでなく、高齢精神障害者の地域生活支援に知見のある人材が地域の拠点に必要となります。広い観点でのチーム医療として、精神保健福祉士の業務が拡大できますよう、配置職種の枠組みを拡大していただきたくお願いいたします。

[参考1]改正精神保健福祉士法における精神保健福祉士の定義(下線は追加部分)
第二条 この法律において「精神保健福祉士」とは、第二十八条の登録を受け、精神保健福祉士の名称を用いて、精神障害者の保健及び福祉に関する専門的知識及び技術をもって、精神科病院その他の医療施設において精神障害の医療を受け、又は精神障害者の社会復帰の促進を図ることを目的とする施設を利用している者の地域相談支援(障害者自立支援法(平成十七年法律第百二十三号)第五条第十七項に規定する地域相談支援をいう。第四十一条第一項において同じ。)の利用に関する相談その他の社会復帰に関する相談に応じ、助言、指導、日常生活への適応のために必要な訓練その他の援助を行うこと(以下「相談援助」という。)を業とする者をいう。

[参考2]介護保険制度の見直しに係る要望書(2010年9月29日付、厚生労働省宛て)の抜粋
≪要望事項≫
 地域包括支援センターについては、機能強化の観点から配置職種として精神保健福祉士を加えるとともに、新たに基幹型地域包括支援センターを創設する場合は精神保健福祉士を必置としてください。
≪理由≫
 1.今後急増する認知症を含む高齢精神障害者等への対応には、精神保健医療福祉との連携支援が不可欠です。
 2.マンパワーの充実強化には、精神保健福祉士の活用が有効です。
 3.精神保健福祉士は総合相談・支援事業における障害福祉分野等の一次相談機能に対応する人材です。
 4.基幹型地域包括支援センターの設置と対応の充実強化が求められます。

3.上記に関連して、以下の点についても、なんらかの対応策が必要です。

 (1)精神保健福祉士業務に関する標準化(スタッフ交代や異動によっても最低限の質の担保を図る)とスキルアップの仕組み。
 (2)チームアプローチにとって有効なツールの開発と、評価検証方法の確立。
 (3)地域や医療機関による精神保健福祉士の待遇に関する実態把握と格差の是正。
 (4)研鑽等の機会の保障と定着率の改善にむけた経済的基盤の構築。
以上
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標題 厚生労働省パブリックコメント「相談支援体制の充実・障害児支援の強化等(基本的枠組み案)について」への意見
意見募集 相談支援体制の充実・障害児支援の強化等(基本的枠組み案)についてのご意見募集
(募集期間:H23.6.30からH23.7.29/問合せ先:厚生労働省障害保健福祉部障害福祉課地域移行・障害児支援室)
日付 2011年7月29日
発信者 社団法人日本精神保健福祉士協会 会長 竹中 秀彦

1.計画相談支援について

(1)支援を必要とする人が計画相談支援の対象から漏れないために制度の周知徹底が必要です。
 これまで専ら医療系サービスのみ(デイケアや訪問看護等)を利用している場合や、市町村の地域生活支援事業のみ(例えば地域活動支援センター)を利用している場合は、基本的にすべての障害者が計画相談支援の対象となることが周知されないと、いつまでも計画相談支援の対象とならず、第三者の公平中立の目が入らないまま、本人の希望に反するサービス提供となるか、またはモニタリングが行なわれず何年間も同じ計画で自立阻害的な支援が提供される可能性も否めません。

(2)市町村によるチェック機能が必要です。
 当該支援の対象が拡大されることに伴い、民間会社等の新規の相談支援事業者の参入が見込まれます。計画相談支援の理念が形骸化しないためにも、市町村に適切なサービスが提供されているかをチェックする機能を持たせるべきです。また、計画書の提出だけではなく、モニタリング結果についても毎月提出することを義務づけるべきです。

2.地域相談支援(地域移行支援、地域定着支援)について

(1)退院意欲がない人及び意思表明をしにくい状況にある人の支援策が必要です。
1)地域移行支援の個別給付化に伴い、退院阻害要因の比較的少ない人も対象となり、対応困難な人への支援が行き届かなくなることを危惧します。また、本人の申請を基本とするため、長期入院の影響等により退院意欲が持てないか、自らの意思表明をしにくい状況にある社会的入院患者は支援の枠から外れてしまう可能性があります。

2)従来の補助事業では、退院を希望する人への個別支援だけでなく、社会的入院患者の特徴である退院意欲を失った人への支援も併せて行っており、その結果、これまで多くの患者への退院支援実績を行うことができています。個別給付の対象から漏れてしまう可能性のある人への支援施策を国として打ち出すべきと考えます。

3)また、送り出す側である医療機関については、退院支援を行う多職種からなるプロジェクトチームと退院支援を専門に行う職員を配置しやすい環境整備を国として図り、地域の関係機関との連携が促進される必要があります。

(2)ピアサポーターの積極的な登用を図るべきです。
1)従来の補助事業では、社会的入院者への退院意欲を高めるための有効な方法として、ピアサポーターによる支援が展開され、体験者ならではのニーズを把握する力、柔軟性のある活動が、対象者の意欲の向上、自信の回復、関係者への啓発において有効であることが示されています。

2)地域移行推進員(仮称)については、資格・経験を問わないとしていることから、ピアサポーターの登用が想定されていると考えますが、地域移行支援においてピアサポーターによる支援は必要不可欠であり、国として引き続きピアサポーターの登用の推進及び雇用の維持に取り組む必要があります。

(3)市町村を超えた圏域でのコーディネート機能の継続と、都道府県自立支援協議会の充実が必要です。
1)補助事業においては、保健所が市町村や関係機関への支援の協力要請を行うとともに、当該事業の受託事業所の地域体制コーディネーターが保健所等と協働して地域移行に係る普及啓発活動や相談支援事業所への支援スキル向上を目的とした研修を行うなど、官民協働による取組みにより地域のネットワークは確実に育ってきています。しかしながら、今後は市町村及び相談支援事業所が中心となって個別給付事業を行うこととなり、地域間格差が生じることが懸念されます。

2)このため、個別給付化された後も少なくとも3年の間は、地域体制整備コーディネーターを存置する必要があります。また、退院意欲の低い入院患者や困難ケースの支援、圏域を超えるケースへの支援に際しては、都道府県が主体となり、各地域の関係者で「支援チーム」を構成できるような仕組みが必要です。

3)なお、地域移行支援の実施要綱等には、都道府県が地域移行に関する協議会を活用し、医療計画、生活保護の退院支援、病院実地指導、自立支援協議会と連動して、横断的に社会的入院者の地域移行推進計画を策定する必要があることを明記すべきです。

(4)地域相談支援を担う相談支援専門員の要件に精神保健福祉士を明記してください。
 今般の障害者自立支援法の一部改正とともに精神保健福祉士法も一部改正され、新たに精  神保健福祉士が精神障害者の地域相談支援の利用に関する相談に応じることが規定されました。このため、精神障害者を対象とした地域相談支援の実施にあたっては、専従の相談支援員の要件として精神保健福祉士であることを明記すべきと考えます。

以上

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標題 障害者基本法改正についての要望
日付 2011年7月26日
発信者 精神保健従事者団体懇談会 代表幹事 岡崎 伸郎(社団法人日本精神神経学会) 木太 直人(社団法人日本精神保健福祉士協会)
金杉 和夫(日本病院・地域精神医学会)
提出先 参議院内閣委員会委員(〔民主党〕相原久美子、大久保潔重、岡崎トミ子〔自民党〕宮沢洋一、山谷えり子、〔公明党〕谷合正明、
〔みんなの党〕小野次郎〔無所属〕糸数慶子)

 現在国会で審議中の障害者基本法改正案について、精神保健・医療・福祉に従事し、精神障害者の人権と福祉の実現を願う者として、意見を申し上げます。

 今般、障害者基本法が障害者権利条約の理念にのっとり、「全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生することができる社会を実現するため」の基本原則として改正されることは障害者の人権の実現を大きく前進させるすばらしい成果だと考えます。

 しかしこの改正案には、精神障害者の人権と福祉の実現のための規定が欠けていることに我々は大いに落胆せざるを得ません。
 改正案は障がい者制度改革推進会議の平成22年12月17日に発表された「障害者制度改革の推進のための第二次意見」に基づいて策定されたと聞いています。「第二次意見」は、精神障害者に係わる地域移行の促進と医療における適正手続きの確保などを障害者基本法改正に当たって政府に求めています。我々はこれらの事項を障害者基本法に盛り込むことが是非とも必要であると考えます。

 最も劣悪な状況に置かれてきた精神障害者の人権と福祉を改善しなければ、真の意味で「全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生することができる社会を実現する」ことはできません。

 現段階では条文そのものの修正は困難であるとすれば、「障害者制度改革の推進のための第二次意見」に示された精神障害者の人権と福祉の実現のための施策を、下記のように障害者基本法改正の付帯事項として盛り込むようお願いします。

1. 精神障害者の社会的入院の解消、精神病床の削減、精神障害者の地域社会での自立した生活への移行のための施策を講ずること。

2. 非自発的な入院や隔離拘束を受ける障害者の人権尊重のための実効性のある適正な手続きを確保すること。

以上

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標題 東日本大震災復興支援宣言「乗り越えよう!復興を信じて」
日付 2011年6月10日
発信者 第47回社団法人日本精神保健福祉士協会全国大会・第10回日本精神保健福祉士学会学術集会 参加者一同

 地震、津波そして原発事故による放射能汚染、すべてが想定外と言われる未曾有の被害を出した東日本大震災、この複合型災害により被災されたすべての方々、またこの災害の影響を受けられたすべての方々に心よりお見舞い申し上げます。また、被災地において様々な支援活動に取り組まれている方々、そしてその活動を支えるご家族、職場の皆様に心からの感謝と敬意を表します。

 この言語に尽くしがたい災害の衝撃を契機に、東北の地が農業や工業、水産業など日本の産業の基盤を支えていることを改めて認識させられました。また高齢社会の様々な問題や医療崩壊の現実、精神保健・障害福祉サービスの絶対的不足など、地方の抱える社会的課題の深刻さも顕在化しました。日本の、特に大都市の繁栄が東北という地、東北の民に支えられてのものであった事実を突き付けられたのです。まさに東北の痛みは日本全体の痛みでもあるのです。このようなことからも、愛する家族や友人、家財のすべてを失い避難所や仮設住宅での生活を余儀なくされている方々、住み慣れた土地を離れて避難生活を送る方々、また今も原発の恐怖や二次災害の中に置かれている方々、経済的にも社会的にも絶望的なダメージを受け、癒すことのできない心の傷を負った方々の重荷を日本全国で背負っていかなければとの思いを強くします。

 被災されたすべてのひとの痛みを、苦しみを、哀しみを分かつことができるように、復興への長い道程の困難に寄り添って関わり続けることができるように、すべての人が希望を持って困難に立ち向かえるように、わたしたちの思いと知恵と力と技術を結集しなければなりません。

 現地は今、立ち上がり歩き始めています。歩いていくためにさらなる支援が必要です。そしてこれからは、障害や高齢など様々な事情から立ち上がることが困難な人々の存在に一層注目しなければなりません。彼らが置き去りにされないよう、孤立を深めないよう精神保健福祉士の力が問われてきます。また、精神障害者はもとより精神保健福祉士の支援を必要とする人々は今後さらに増えていくでしょう。彼らを支援するため奔走する現地の仲間を継続的に支える仕組みが必要です。そのためにも組織基盤の強化やソーシャルアクション、他団体との連携など組織的な取組みがこれまで以上に求められています。

 今こそ精神保健福祉士の底力を見せましょう。その力と思いを東北の地に、東北の仲間に届けましょう。つながる力を具現化しましょう。日本精神保健福祉士協会と構成員はその総力を結集して、被災地の人々の全人的復権をめざし、現地で戦う仲間と共に忍耐強く苦難を乗り越えていくことをここに宣言します。
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標題 障害者基本法の改正に係る緊急のお願い
日付 2011年6月6日
発翰番号 JAPSW発第11-78号
発信者 社団法人精神保健福祉士協会 会長 竹中 秀彦
提出先 民主党政策調査会障がい者政策プロジェクトチーム関係議員(衆・参)

 日頃より、障害保健医療福祉施策の発展充実に対するご尽力に心から敬意を表します。
 さて、本年4月22日付で内閣府から第177回国会に提出された障害者基本法の改正法案がまもなく審議予定と聞いております。
 本協会は、精神障害者の社会的復権と福祉のための専門的・社会的活動を進めることを基本方針として、各種事業に取り組んでいる立場から、障害者権利条約および障害者制度改革推進会議で取りまとめられた「障害者制度改革の推進のための第二次意見」の内容等を踏まえ、以下の点を要望いたします。

1.「前文」を挿入してください。
 今回の障害者基本法の改正は、これまでの障害者基本法の制定及び改正によって培われた成果を土台とし、障害者の権利条約を国内で実施するための法整備の第一歩となる改正である点を示すべきです。この趣旨にのっとった前文を入れてください。

2.法律の目的は権利の保護と尊重にあることを明記してください。
 改正法案の第1条「目的」の内容に、障害者の権利条約の理念に基づいて、改正法の目的は、障害者の権利の保護や権利の尊重にあることを明記してください。

3.社会モデルによる障害の考え方に即した障害者の定義としてください。
 谷間の障害が生まれないような包括的規定にしてください。

4.その他必要事項を附則に規定してください。
 障害者基本法は、障害者に係るすべての法律の基本となるものであること、少なくても5年以内の定期的に見直しを行うこと、障害者に関する全ての法律は本法の目的に沿うものとして整備をしていくこと、を附則に規定してください。
 なお、附則への記載が困難な場合は、精神障害者の地域移行の促進と、医療における適正手続きの確保、社会的入院の解消に向けた精神科病床削減に関して、障害者の権利条約と「障害者制度改革の推進のための第二次意見」に盛り込まれた内容(「参考」参照)を踏まえ、最低限でも適切な付帯決議としてお取り扱いくださいますよう、お願いいたします。

以上

[参考]障害者制度改革の推進のための第二次意見書(抜粋、2010年12月22日、障がい者制度改革推進会議)

T 障害者基本法の改正について

3 基本的施策関係 

6)精神障害者に係る地域移行の促進と医療における適正手続きの確保

 (基本法改正に当たって政府に求める事項に関する意見)

○精神障害者の社会的入院を解消し、強制的措置を可能な限り無くすため、精神病床数の削減その他地域移行に関する措置を計画的に推進し、家族に特別に加重された責任を負わせることなく、地域社会において必要な支援を受けながら自立した生活を送れるよう通院及び在宅医療のための体制整備を含め必要な施策を講じること。
○障害者に対する非自発的な入院その他の本人の意思に基づかない隔離拘束を伴う例外的な医療の提供に際しては、基本的人権の尊重の観点に基づき、当該医療を受ける障害者に対して、障害のない人との平等を基礎とした実効性のある適正手続を保障する制度を整備すること。
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標題 2012年度診療報酬改定に関する要望について
日付 2011年6月3日
発翰番号 JAPSW発第11-75号
発信者 社団法人精神保健福祉士協会 会長 竹中 秀彦
提出先 厚生労働省 社会・援護局 障害保健福祉部 精神・障害保健課長 福田祐典
厚生労働省 保険局 医療課長 鈴木康裕

 平素より本協会事業に格別のご理解、ご協力を賜り、深く感謝申しあげます。
 さて、貴省におかれましては、2009年9月に「精神保健医療福祉の改革ビジョン」(以下、「ビジョン」とする)の後期5 年間の重点施策群の策定に向けた意見として取りまとめられた「今後の精神保健医療福祉のあり方等に関する検討会報告書」を受けて、精神医療の質の向上、入院患者の地域移行の一層の推進や病床数の適正化の取組み、一般医療の水準を目指した人員の充実とそれに応じた評価の充実、精神障害者の人権への配慮の促進等、精神保健医療福祉の改革に向けた重点施策の策定が進められていると認識しております。
 本協会としましては、精神障害者の地域生活への移行の強化及び地域生活の定着のためには、精神科医療機関内外に渡るネットワークの構築によるチーム医療の推進、及びその環境調整が極めて重要であり、それらに対する診療報酬上の適正な評価が必要であると認識しているところです。
 つきましては、以上の観点から、下記のとおり要望いたしますので、ご高配のほど何卒よろしくお願いいたします。

1.訪問看護ステーションが算定する訪問看護療養費に、「精神科訪問看護療養費(仮称)」を新設するとともに、精神障害者を対象とした訪問看護を行う訪問看護ステーションには、精神保健福祉士の配置を規定してください。別紙1及び別紙2参照)。

[理由]
 入院中心のケアから転じて在宅医療の支援体制を整備推進する方策は、慢性疾患や障害のある方が住み慣れた街で安心して暮らせる保障として大変重要です。その中心的役割を担う訪問看護ステーションにおいては、精神障害者を対象とした訪問看護を実施している割合は年々増加しているものの、いまだ5割に満たない状況となっております。
 現行の社会保険診療報酬では、精神科訪問看護・指導料、精神科退院前訪問指導料といった在宅医療及び地域移行支援を行う算定対象職種として、すでに医療機関に属する精神保健福祉士が認められています。
 訪問看護ステーションにおいても、精神科訪問看護療養費(仮称)を新設し、精神科訪問看護・指導料と同様に算定対象職種として精神保健福祉士が加わり、複数職種による患家や患者の生活圏への訪問看護・指導を行うことにより、家族支援や医療サービスに併せた社会資源の活用といった従前に増してより手厚いケアの提供が可能となり、再発および医療中断の防止、更には自立支援の促進、QOLの向上等による安定した地域生活の定着に貢献すると考えます。

2.「精神科地域移行実施加算(2)」を新設し、施設基準として算定対象となる精神病棟に精神保健福祉士の配置を規定してください。別紙3参照)

[理由]
 2008年の診療報酬改定により、新たに精神科地域移行実施加算が設けられ、精神病棟における入院期間が5年を超える患者の地域移行の促進が図られているところです。しかしながら、精神科病院等によっては算定要件を満たすことが難しい医療機関が多いこと、入院期間が1年を超える患者についても病状以外の社会的要因により地域移行が難しい者も多く存在することから、現行の精神科地域移行実施加算(A230-2)を「精神科地域移行実施加算(1)」として、新たに、入院期間が1年を超える患者を対象とした「精神科地域移行実施加算(2)」を新設して、入院期間1年を超える入院患者のうち、退院した患者の数が1年間で10%以上減少の実績がある場合に算定できることを要望するものです。
 なお、「精神科地域移行実施加算(2)」の施設基準としては、(1)の基準に加えて、精神保健福祉士の配置規定がない精神病棟(精神病棟入院基本料の算定病棟、特定機能病院入院基本料の算定病棟、精神療養病棟)について、50床に1名の割合で精神保健福祉士の配置を規定することで、長期入院患者の地域移行が促進されるものと考えます。

3.「介護支援連携指導料」は、精神療養病棟及び認知症治療病棟においても算定可能とするとともに、算定の対象職種として精神保健福祉士を明記してください。

[理由]
 介護支援連携指導料(B005-1-2)は、退院後に介護サービスを必要とする患者を対象として、入院中から医療機関と居宅介護事業所等の介護支援専門員との連携を評価するものです。精神科病院等では、認知症も含め65歳以上の入院患者が5割近くになっている現状から、高齢精神障害者の地域移行の推進も重要な政策課題となっており、介護サービス等の活用が欠かない状況にあります。しかしながら、実際に精神科病院等の精神保健福祉士が入院中から介護支援専門員等と共同で退院調整支援を行っているにもかかわらず、精神療養病棟及び認知症治療病棟には介護支援連携指導料は入院料に含まれ別に算定できないこととなっています。当該病棟でも介護支援連携指導料の算定が可能となることで、高齢の精神疾患患者の地域移行がより円滑に進むものと考えます。
 また、上述のとおり、精神科病院等においては、実際に精神保健福祉士が介護支援連携指導を行っていることからも、算定対象職種として精神保健福祉士を明記していただくことが必要です。

4.「精神科地域移行支援連携指導料(仮称)」を新設してください。

[理由]
 精神障害者の地域移行を推進するためには、入院中から患者の心身の状況や地域生活に必要な社会資源等に関するアセスメントを行い、障害者自立支援法に定める相談支援事業所の相談支援専門員等と連携し、退院後のケアプラン作成につなげることが重要です。
 2010年12月に障害者自立支援法が改正され、2012年度からは新たに地域相談支援事業(地域移行支援及び地域定着支援)が法定事業となることからも、精神科地域移行支援連携指導料(仮称)を新設し、医師又は医師の指示を受けた看護師、精神保健福祉士、作業療法士、その他の適切な医療関係職種が、地域相談支援事業に係る相談支援専門員や地域移行推進員等と共同して、患者及びその家族に対し、導入が望ましいと考えられる障害福祉サービス等や、当該地域において提供可能な障害福祉サービス等の情報提供した場合に、算定を可能とすることが必要であると考えます。

5.「精神科在宅時医学総合管理料(仮称)」を新設してください。

[理由]
 2011年度より国庫補助の新規事業として「精神障害者アウトリーチ推進事業」が、受療中断者、自らの意志では受診が困難な精神障害者、長期入院等の後退院した者、入退院を繰り返す精神障害者等を対象として、保健、医療及び福祉・生活の包括的な支援を行うことにより、新たな入院及び再入院を防ぎ、地域生活が維持できるような体制を地域において構築することを目的として実施されることとなりました。
 このように精神科におけるアウトリーチサービスの充実が政策課題となっている中、「精神科在宅時医学総合管理料(仮称)」を新設し、通院が困難な患者等を対象として、訪問診療を含む多職種(医師、看護師、精神保健福祉士、作業療法士、臨床心理技術者等)による緊急時対応も含め、訪問を中心とした支援体制を組んでいる「精神科在宅療養支援診療所」及び「精神科在宅療養支援病院」において、月1回の算定を可能とすることが必要であると考えます。
 また、「精神科在宅時医学総合管理料(仮称)」の施設基準として、当該保健医療機関内に精神保健福祉士等の保健医療サービス及び福祉サービスとの連携調整を担当する者の配置を規定してください。

6.「精神科継続外来支援・指導料」における「療養生活環境整備支援加算」を「通院・在宅精神療法」の加算に振り替えてください。

[理由]
 2008年の診療報酬改定において、新たに「精神科継続外来支援・指導料(I002-2)が新設され、併せて精神科を担当する医師の指示の下、保健師、看護師、作業療法士又は精神保健福祉士(以下「保健師等」という。)が、患者又はその家族等の患者の看護や相談に当たる者に対して、療養生活環境を整備するための支援を行った場合には、加算を算定できることとなりました。
 しかしながら、他の精神科専門療法と同一日に行う精神科継続外来支援・指導に係る費用は、他の精神科専門療法の所定点数に含まれることから、実際の算定件数は極めて少ない状況となっており、現状として外来患者に対して相当数行われている精神保健福祉士等による支援が適切に評価されていないこととなります。このため、当該加算の対象となる診療行為を「通院・在宅精神療法」に振り替えることが必要であると考えます。

7.「自殺ハイリスク患者通院医学管理料(仮称)」及び「自殺ハイリスク患者ケア加算(仮称)」「自殺ハイリスク患者通院医学管理料地域連携加算(仮称)」を新設してください。(別紙2参照)。

[理由]
 自殺総合対策大綱(2007年6月に閣議決定)は2008年10月31日に策定された自殺対策加速化プランに合わせ一部改正され、自殺を予防するための当面の重点施策を9点挙げています。その中に、「適切な精神科医療をうけられるようにする」ことや「自殺未遂者の再度の自殺を防ぐ」ことが掲げられ、「うつ病等の自殺の危険性の高い人の早期発見に努め、確実に精神科医療につなぐ取組みに併せて、これらの人々が適切な精神科医療を受けられるよう精神科医療体制を充実する。」「自殺未遂者の再度の自殺を防ぐため、入院中及び退院後の心理的ケア、自殺の原因となった社会的要因に対する取り組みを支援する」とされています。
 そこで、入院、通院を問わず自殺の高い危険因子を有する患者(以下、「自殺ハイリスク患者」という)に対する精神科医療機関における取組みを診療報酬上評価することにより、自殺ハイリスク患者の自殺予防及び自殺による社会的損失の軽減に貢献すると考えます。

8.「精神科生活環境アセスメント料(仮称)」を新設してください。

[理由]
 精神科医療機関の初診に際して、受診患者に関する医学的な診断のみならず、当該患者に係る経済的状況、居住環境の状況、家族関係、近隣との関係、職場や学校などにおける関係など、生活環境全般にわたる状況を把握し、適切なアセスメントに基づいて、診療計画及び地域生活支援計画を作成することで、当該患者の地域移行や地域定着に資する医療的支援の提供が可能となります。
 このため、精神科生活環境アセスメント料(仮称)」を新設し、初診時に精神保健福祉士等が医師の指示に基づき、一定時間以上の面接により当該患者の生活環境に関するアセスメントを行った場合に算定を可能とすることが必要であると考えます。

9.「精神科地域定着連携指導料(仮称)」を新設してください。

[理由]
 精神障害者の地域定着支援の推進の観点から、「精神科地域定着連携指導料(仮称)」を新設して、入院中の患者以外の患者に関するサービス利用計画等の支援計画の作成及び見直し等のために、障害者自立支援法に定める相談支援事業所、障害福祉サービス事業所、保健所、市町村の障害福祉担当課等の関係者、当該患者及びその家族等によるケア会議の開催に際して、当該患者の診療を行っている医療機関の立場から精神保健福祉士等が参加して、当該患者の医療や生活環境等に関する情報提供等のコンサルテーションを実施した場合に算定可能とすることが必要であると考えます。また、現在検討されている医療保護入院や措置入院の患者の退院に向けたケア会議等の実施の促進にもつながるものと考えます。

10.「精神科在宅患者家族支援加算(仮称)」を新設してください。

[理由]
 精神障害者の地域定着支援の推進の観点から、特に長期の入院期間を経て退院した患者の病状増悪を防ぎ、同居家族とともに安定した生活の維持を目指すに際して、家族支援に関する評価を求めるものです。医師の指示により精神保健福祉士等が入院以外の患者家族の疾患理解や対応理解を深め、福祉的支援の資源紹介やリンケージなどを行い、家族関係の安定を図ること等を目的として、家族面接を行う際に「通院・在宅精神療法」に加算を可能とすることが必要であると考えます。

以上

・ 別紙1 要望項目に関する参考資料
・ 別紙2 精神科訪問看護・指導に係る調査結果報告
・ 別紙3 地域移行実施加算2の創設について
・ 別紙4 精神保健福祉士の外来業務調査集計表
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標題 ハンセン病療養所退所者等の地域生活支援のための専門的相談機関を国のモデル事業として整備し、ソーシャルワーカーを活用することについての要望
日付 2011年4月25日
発信者 社団法人日本社会福祉士会 会長 山村 睦
社団法人精神保健福祉士協会 会長 竹中 秀彦
公益社団法人日本医療社会福祉協会 会長 笹岡 真弓
NPO法人日本ソーシャルワーカー協会 会長 鈴木 五郎
提出先 厚生労働省健康局長 外山 千也

 社会福祉専門職団体協議会(以下「本協議会」という)は、(社)日本社会福祉士会、(社)日本精神保健福祉士協会、(公社)日本医療社会福祉協会、(NPO)日本ソーシャルワーカー協会のソーシャルワーカー4団体で構成しています。

 本協議会は、2003年度に、国の設置したハンセン病問題検証会議・検討会調査班からの協力要請を受け、ハンセン病問題の真相究明のための被害実態調査に参加し、300名に及ぶ調査員の派遣を行いました。本協議会は、この調査の中で多くのことを学ぶとともに、ハンセン病療養所退所者及び家族(以下、「退所者等」という)に対する支援はソーシャルワーカー全体の問題であるとの認識を新たにし、退所者等の地域生活を支援するための相談センター(ハート相談センター)を2003年度に開設し、現在に至る活動を行ってきました。

 本協議会は、この間の相談活動の経験を総括し、退所者等に対する新たな支援の在り方を検討するため、2009年度に「社会的に孤立しがちなハンセン病回復者・家族に対する見守り・個別支援に関するモデル事業」(厚生労働省社会援護局平成21年度社会福祉推進費等補助金事業、事業実施主体は本協議会の構成団体である日本社会福祉士会)を実施しました。

 この研究の中で、モデル事業として実施した見守り相談、個別支援という相談スタイルが高齢化している退所者等の支援に効果的であることを明らかにしました。このたび、本研究の成果を具体化するため、退所者等に対する専門的相談機関を国のモデル事業として整備し、合わせてソーシャルワーカーを活用することについて別紙の提言をまとめました。

 つきましては、提言の趣旨をご理解頂き、療養所退所者等に対する専門的相談機関の整備とソーシャルワーカーの活用に向けた検討をお願いする次第です。

以上

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標題 東日本大震災の被災した児童・生徒に係わるスクールソーシャルワーカーの派遣について(ご協力の申し入れ)
日付 2011年4月22日
発翰番号 j日社福士2011-85/JAPSW第11-36号
発信者 社団法人日本社会福祉士会 会長 山村 睦/社団法人日本精神保健福祉士協会 会長 竹中 秀彦
提出先 文部科学省初等中等教育局 局長  山中 伸一

 この度の東日本大震災に関連して、日夜対策に当たられていることに心から敬意を表します。
 私たちは、福祉に関する相談援助業務等を専門とする国家資格である「社会福祉士」及び「精神保健福祉士」を有する者で組織する職能団体です。私たちの会員は、スクールソーシャルワーカー活用事業の中で、都道府県及び市町村の教育委員会や学校において児童・生徒の多様な問題を支援するため活動しています。
私たちは、今回の震災で被災した児童・生徒には、心のケアと並んで、就学や生活の立て直しに関する支援が必要であり、その支援として福祉専門職であるスクールソーシャルワーカーを活用することが必要且つ効果的であると考えています。

 つきましては、今後、国及び都道府県や市町村の教育委員会において、被災した児童・生徒の支援のために、福祉専門職であるスクールソーシャルワーカーの活用を検討頂きたくお願い申し上げます。私たちの専門的知識や技術等が災害復興活動のさまざまな場面で役に立つと思いますので、是非協力させていただきたいと考えております。例えば、私たちが支援できることには以下のようなことが挙げられます。

(1)要員の派遣について
 (1) 被災地の都道府県教育委員会等からのスクールソーシャルワーカー派遣要請への協力(両会の被災地支部と連携した要員の募集及び派遣等)
 (2) 被災地以外の都道府県教育委員会等が被災地にスクールソーシャルワーカーを派遣する場合の協力(両会の都道府県支部を通じた要員の募集及び派遣等)
 (3) 被災した児童・生徒が県外の学校に転校した場合の転校先の都道府県教育委員会等がスクールソーシャルワーカーの派遣を行う場合の協力(両会の都道府県支部を通じた要員の募集及び派遣等)

(2)活動内容
 (1) 被災した児童・生徒の生活や就学に関する聞き取りやニーズ調査
 (2) 児童・生徒及びその家庭のニーズに応じた関係機関へのつなぎ支援 等

 また、私たちは、高齢者や障害者の分野でも、関係行政等の要請に基づいて、被災地や遠隔地避難所等で支援活動を行っていることを申し添えます。


(別紙)

ハンセン病療養所退所者等の地域生活支援のための専門的相談機関を国のモデル事業として整備し、ソーシャルワーカーを活用することについての提言
〜療養所に戻らなくても済む地域生活の保障を求めて〜

<提言の内容>
 地域で生活するハンセン病療養所退所者・家族等(以下、「退所者等」という)が、望む場合には療養所に戻らなくてすむ地域生活を保障しそれを支援するため、見守り相談、個別支援を内容とする専門的相談機関を国のモデル事業として整備し、ソーシャルワークの専門的知識を有する相談員を配置すべきである。

<提言の趣旨>

(1)ハンセン基本法は、「国及び地方公共団体は、退所者及び非入所者が日常生活又は社会生活を円滑に営むことができるようにするため、これらの者からの相談に応じ、必要な情報の提供及び助言を行う等必要な措置を講ずるものとする」(第十七条)と規定している。

(2)退所者等が一市民として地域生活を続けて行く上では、かつての病気を意識せずに(忘れたい)生きていきたいと思う人や、カミングアウトして生きていきたい思う人など、一人ひとりがさまざまな想いを抱えながら、自由な生き方ができるようにしていくことが重要である。

(3)一方で、介護が必要になったら療養所に戻るしかないと思っている人も多い。

(4)これらの人が、望む場合は最後まで地域で暮らすことを可能にする選択肢を増やすためには、社会資源の開拓が必要である。例えばハンセン病の治療や介護に詳しいヘルパーや看護師の活用などにより不安なく在宅療養が出来る施策や体制の整備が必要である。と同時にそれらの制度が実効性を発揮するためには、支援を必要とする人と制度や社会資源をつなげる相談窓口が必要となる。

(5)退所者等は、退所者の会などの活動をつうじて、高齢化・認知症など介護保険サービスに関心を持ち、療養所その他周辺の診療機関との連携など自分たちで何か出来ないかという助け合いの機運も生まれている。このセルフグループとしての活動を強めるためにも、その活動を側面から支援する専門的コーディネーターを配置することが重要である。

(6)家族関係が断絶していることの多い退所者にとって高齢化にともなう不安の軽減はもっとも喫緊の課題である。差別偏見を体験してきた当事者には、家族に代わる信頼関係のある支援者を通して地域の医療・福祉サービスに繋ぐなど隙間を埋める直接的支援が必要であり、そのための専門的知識を有するソーシャルワーカーの確保が必要である。

(7)退所者は療養所以外の医療機関にかかったことのない人も少なからずおり、療養所とつながっていることが多い。療養所のソーシャルワーカーと地域の専門的相談機関の連携で地域生活支援は一層効果をあげることが出来る。

(8)以上のことから、退所者等の地域生活を保障しそれを支援するため、見守り相談、個別支援を内容とする専門的相談機関を国のモデル事業として整備し、ソーシャルワークの専門的知識を有する相談員を配置すべきである。

(9)退所者等に対する相談窓口は都道府県に概ね開設されているものの、その多くは退所者等の把握すら困難な状況であり、効果を上げているとは言い難い現状がある。従って、専門的相談機関は、退所者給与金の支給等で退所者の実態を把握している国が、当面の間、モデル事業として実施すべきである。
 また、専門的相談機関は各自治体との協力が不可欠であり、具体的連携が可能となるよう整備すべきである。

(10)専門的相談機関をどこに設置するかについては、退所者等の地域的偏在の現状や、今後地域で暮らす退所者等の掘り起こしを行っていく必要があることから、療養所や退所者の会との連携が可能な療養所所在地や退所者の会のある地域に設置することが現実的である。
 さらに、専門的相談機関を拠点にして当事者の住む行政の相談窓口や地域の支援機関につなぐネットワークを整備することが機能的である。この点では、現在ハート相談センターが拠点となり、他地域の退所者等が個別支援を必要とする場合にはネットワークを活用して個別支援担当者と連携する方法を取っていることが参考になると思われる。

以上

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標題 精神保健福祉士資格者の懲役刑判決についての見解
日付 2011年4月16日
発信者 社団法人日本精神保健福祉士協会 会長 竹中 秀彦

 2011年1月21日、精神保健福祉士の有資格者(本協会非構成員)が3つの事件で強姦致傷、住居侵入の罪に問われ、裁判員裁判による判決公判(宮崎地方裁判所)において懲役10年(求刑14年)を言い渡されました。裁判長が判決にあたり「一人暮らしの女性を狙った卑劣で悪質な犯行」と述べた当該事件の被告が精神保健福祉士の有資格者であり、精神保健福祉現場で実務についていたことについて、強い憤怒を禁じ得ません。

 この事件については精神保健福祉士の資質云々以前の、人間としての許されざる行為であることは明白です。それ故に人権尊重・権利擁護を旨とし、専門性の根拠に価値・倫理を置く精神保健福祉士として教育・養成された者がこのような非人道的な罪を犯したことに対しては、本協会として当該有資格者を厳しく難詰するとともに、国民の皆様、関係者の皆さまには心より遺憾の意を表明いたします。

以上

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標題 東日本大震災被災地の精神保健福祉対策に係る救援活動及び復興支援に係る要望について
日付 (1)2011年4月14日、(2)2011年4月20日
発翰番号 (1)JAPSW発第11-15号、(2)JAPSW発第11-21号
発信者 社団法人日本精神保健福祉士協会 会長 竹中 秀彦
提出先 (1)自由民主党 政務調査会 障害者特別委員長 衛藤 晟一、厚生労働部会長 田村 憲久
(2)公明党 政務調査会 厚生労働部会長 渡辺 孝男、障がい者福祉委員長 高木 美智代

 3月11日に発生した東日本大震災は、巨大な地震災害、津波災害、さらには福島原子力発電所の事故による災害が加わり、東北地方を中心にした多くの方々に甚大な被害をもたらしました。
 一か月が経過してなお大きな余震が続き、被災地の方々は落ち着かない環境に身をおきながら不安をますます増大させている状況にあります。すこしずつ復旧復興へ歩みはじめている地域もありますが、地域格差が既に生じはじめています。
 災害弱者である障害のある方々の被害状況や支援ニーズの詳細や全貌の把握も今なお進行中です。被災地の方々、そして精神障害のある方々をはじめ障害のある方々への必要な支援が一日でも早く届き、安心して暮らせる生活の回復を願っています。
 つきましては、下記項目を要望いたしますので、各方面の力を合わせて支援策を講じていただけますよう、何卒よろしくお願いいたします。

1.被害状況の把握を早急に取りまとめる対策を図ってください
  障害のある方の中には、なかなか支援を求めて発信ができないでいる方もいます。また、救援にあたる方が、そのニーズを適切に発見できないまま見過ごされている場合もあります。特に、在宅障害者、避難所生活をしていらっしゃる方へのきめ細かく適切な支援を提供できる体制の整備を図ってください。
また、各自治体や民間団体から提供されている、支援に関しての情報共有や委嘱、助成など、バックアップの策を図ってください。

2.被災地における新たな格差社会を生じさせないための手立てを早急に講じてください
1)避難所生活が長期化する人は、高齢者、障害者、もともと貧困層にあった人、地域で孤立していた人です。これらの人々が安心して生活が出来る場の保障を早急に図ってください。
2) 集団避難生活にあっても、これらの支援を必要とする人々の尊厳を守り、支援していくことが必要です。特に、精神障害のある方の中には、集団生活になじみにくいなど、環境変化への適応が難しい方もいらっしゃいます。
 リカバリーの視点から、福祉に関する相談支援や支援ニーズの把握、 施策の立案、企画、支援のコーディネート、マネジメント、連携などを行う専門性を有する精神保健福祉士等のソーシャルワーカーを支援活動において活用してください。

3.被災地や避難先において、精神障害のある方が安定的な医療を受け、安心して暮らせる条件の構築を早急に図ってください
1)各自治体から派遣されている「こころのケアチーム」の支援に地域格差があります。支援地域の充実と長期に継続して支援できる体制を図ってください。
2)精神科医療が機能不全に陥っている地域に、新たに訪問型チーム医療体制を構築してください。
3)被災した病院から遠方に転院措置となった患者さんの転院状況把握と、相談や退院の支援等のサポートシステムを講じてください。
4)在宅精神障害者の参加・活動の場を保障するために、障害福祉サービス等の弾力的な運用と支援スタッフの確保を早急に図ってください。
5)避難生活の長期化によって病状が悪化するなどしても、入院までは必要としない方に小規模ユニットの生活の場を作れるよう、公営住居の活用等、ハード面の手当てや世話人機能を持つスタッフ配置等を柔軟な運用を図ってください。
6)これらの精神保健医療福祉の支援に当たる支援スタッフとして、一時的に職場を失った専門職を被災した自治体が臨時で雇用する等の方策を講じてください。

4.被災自治体における精神保健福祉行政の基盤強化を図ってください
1)被災地である県及び市町村においては、ご自身も被災者である行政職の方が疲弊し、長期的支援に困難をきたす状況が生まれています。特に外部からの支援を有効に活用するためには、コーディネート機能が欠かせませんが、現状では必ずしも円滑に運んでいません。精神保健福祉体制を強化するために、コーディネート機能を持つ精神保健福祉士等を精神保健福祉センター、保健所、市町村等に配置してください。
2)現在支援にあたっている被災地の支援者への支援策を講じてください。

5.福島県の原子力発電所事故災害による被害を受けた住民への職・住・経済に関する支援策を早急に図ってください

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