私たちは、精神保健福祉士としての専門的諸活動が、国家資格に基づく最低限の質の担保とともに、専門職としての生涯に渡って続けられる研鑽によるものであるという認識を有しています。本協会は、専門職団体として、こうした研鑽の機会をより多くの構成員に提供し、職務に関する知識・技術ならびに倫理・資質の向上を図ることを目的として生涯研修制度を創設することになりました。 

 国家資格は、更新制ではありませんが、専門職団体として質の向上に努めることは、利用者を初めとする国民全体への責任を果たすことでもありますし、それが、専門職としての信頼を得るためにも必要な自助努力ともいえます。本協会では、精神保健福祉士の業務について、かねてより診療報酬を初めとする各種報酬体系への算定や各機関への必置に関する制度化についての要望を行っています。これらの裏づけとしても、質の高い精神保健福祉士が全国各地に存在することを、その根拠としていきたいと考えています。

 医療保健福祉領域における人材確保の需要は高まっており、団体認定による国家資格の質の担保を、国も奨励しつつあります。他団体でも同様の制度を有し、各団体の独自規定による認定制度を用いて会員の資質の高さをアピールしています。

 本協会は、専門職団体として、精神保健福祉士が専門職の信頼を高めるための責任を果たすこと、政策的課題への取り組みの一環として時代の要請に応えられる人材養成を充実することなどを目的として、本制度に取り組むことを方針に掲げています。国家資格の取得者数が年々増加するなか、本協会に所属する精神保健福祉士が一定の高い質を有することを担保できるシステムとして、本制度を有効に展開したいと考えています。