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現地企画 (北海道協会40周年記念企画)
生活支援のミライ ワークショップ:谷中輝雄に挑戦!

企画のご案内

ライブ配信 2021年9月11日(土)13:00~15:30
ライブ配信定員 先着100人 
オンデマンド配信 2021年10月11日(月)まで

  この度は、北海道精神保健福祉士協会40周年記念企画「生活支援のミライ」に関心を持っていただき、ありがとうございます。このプログラムは、日本の精神保健福祉並びにソーシャルワークのパイオニアの一人であり、北海道との関係も深かった故谷中輝雄先生の「生活支援論」から、現代の精神保健福祉士が受け継ぎ、未来に繋げていくべきものを共に考えようとするものです。

 谷中「生活支援論」とは、本人を主体とした「生活のしづらさ」に焦点を当てて、自己決定を重視しながら共にその人らしい「ごく当たり前の生活」の実現するための「支援」を提供するものです。谷中先生が後の「生活支援論」につながる実践を展開していたのは、1970年代から90年代のことでした。1996年にはその集大成として「生活支援 精神障害者生活支援の理念と方法」を出版されています。25年も前の著作ですが、今読んでも学ぶところの多い本です。

 精神保健福祉法、障害者自立支援法から障害者総合支援法と法制度が進む中で、精神障害のある人に対する制度や施策が充実してきました。現在の障害者総合支援法では、他の障害と同じ仕組みの中で様々なサービスを受けることができます。障害福祉サービス事業所の数もそれ以前とは比べものにならないくらい増えています。

 しかしながら入院患者数の多さや長期在院の問題など、精神障害者が置かれている状況が大きく改善したとは言い切れないことも事実です。また精神保健福祉士の側も谷中先生や制度施策がなかった時代に活躍されてきた諸先輩の実践と比べると、それぞれの業務の枠の中でしか支援をとらえられず、全体を見通しての実践ができづらくなっているように思います。

 私たちは、こうした時代だからこそ既存の制度やサービスに頼らず、利用者の生活を共に創り出していく支援のあり方として「生活支援論」の重要性があると考えてこのプログラムを企画しました。プログラムの前半では、導入として江間が作成したビデオ(約30分)をご覧いただき、「生活支援論」の基本的な考え方を振り返っていきます。そして本プログラムの核となるのは、後半のグループワークです。このプログラムは、実行委員が中心となって作成した事例をもとに参加者の皆さんで支援を考えていただく演習形式のものとなります。ただし「谷中輝雄に挑戦!」のタイトル通り、谷中先生がやどかりの里を始めた頃に近い条件で考えていただきます。

 オンラインでのグループワークではありますが、全国の皆さんとの交流が可能となるよう工夫も盛り込んでおります。また事例を検討するにあたってあえて「正解」は設定しておりません。なぜなら実践現場は、国家試験のように1~2個の正しい答えがあるというものではなく、状況に合わせてより良い支援を生み出し続けることが重要となるからです。谷中先生は「生活支援」の中で「生活支援の方法には失敗という言葉はない」と書かれています。実践現場では、結果につながらなかったとしても失敗とみなさず次の対策を生み出す土台としていくことが重要です。

 こうした考えに基づき、このグループワークでは、結果の発表よりも事例についてみんなで話し合っていく過程にポイントを置いています。お互いにアイデアを出し合い、そのアイデアをグループだけでなく参加者全員でシェアすることに重点を置いて企画しました。

 

 新型コロナウイルス感染予防のためにオンラインでの大会実施となった関係上、グループワークもインターネットの上での実施となります。実行委員一同、オンラインでも全国の精神保健福祉士が交流し、経験や知恵を分かち合える場を作るべく取り組んでまいりましたが、初めてで手探りの試みであり、トラブルや不備などもあるかと思います。その点はどうかご容赦ください。

2021.7月 40周年企画実行委員一同

講師:江間由紀夫(えま ゆきお)氏
1963年静岡県生まれ。社会福祉士、精神保健福祉士。
駒木野病院(東京)、旭山病院(北海道)、地域生活支援センターこまくさ(新潟)にてPSWとして勤務。
2004年北海道医療大学大学院博士後期課程満期退学、臨床福祉学修士。大学院在学中から谷中輝雄先生に師事。
東北文化学園大学(2008年-2010年)、東京成徳大学(2010年-2021年3月まで)にて大学教員として社会福祉士・精神保健福祉士養成に携わる。

事前オリエンテーションビデオを3本ご用意しました。
ご参加の前にご視聴くださいますようお願いいたします。

<事前オリエンテーションビデオ機材編> 

<事前オリエンテーションビデオ事例編>

<Zoomバージョンアップ>