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概要

趣旨

2020年全国大会は、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、開催を延期しました。2020年全国大会の開催趣旨は以下でありました。

 「メンタルヘルスソーシャルワーク実践の深化~パラダイムの再考~」をテーマとした第54回大会・第17回学術集会(長崎大会)「『原点回帰』かたろまい!つなごまい!未来へ!~ソーシャルワークの専門性の共有~」をテーマとした第55回全国大会・第18回学術集会(愛知大会)を受け、2020年9月、第56回大会・第19回学術集会を北海道において開催いたします。 

 北海道での開催は、1982年、1999年に続いて3回目となります。いずれも本協会にとっては大きな節目となりました。1回目の1982(昭和57)年大会では、「精神障害者の社会的復権と福祉のための専門的・社会的活動を進めること」をPSWの実践の柱とする「日本精神医学ソーシャル・ワーカー協会宣言(札幌宣言)」がなされました。2回目の1999(平成11)年は、「精神保健福祉士」が誕生し、協会の名称を「日本精神保健福祉士協会」に改名した年になります。 

 今、時代は令和に移りました。「札幌宣言」から38年目、精神保健福祉士誕生から21年目となります。昭和、平成と私たちは精神保健福祉に係る様々な課題に向き合ってきました。未だ解決していない課題も多くあります。長期入院者の退院、地域移行や地域定着の課題は道半ばであります。旧優生保護法のように、置き忘れてきた課題も浮き上がっています。

 一方で、社会や暮らしが多様化してきたと言われています。国の施策の中でも声高に「多様性社会」「地域共生社会」「包括的支援」が謳われ、そこに精神保健福祉士の力量が問われる時代となりました。しかし、「多様な人々」や「多様な課題」は今まで存在していなかったのでしょうか? 存在している人々のことを“みて”こなかった、声を“きいて”こなかった社会ではなかったでしょうか。精神保健福祉士は、そこに十分に寄り添えてきたのでしょうか。

 今、社会は様々な人や要素で構成されていることを改めて自覚するようになりましたが、それだけでは「多様性社会」とはいえません。数の大小に囚われず、「異なる」それぞれの文化を尊重し、痛みをも共有できる社会、多様な状況を認め合える社会を創造していこう、という思いを大会テーマに込めました。そして、「生きづらさ」を抱えている人々が、彼ら自身にとっての「ごく当たり前の生活(暮らし)」の実現に向かっていくとき、そこに私たち精神保健福祉士は、“ソーシャルワーカー”としてどう寄り添えるのか。口にするほど簡単なことではありません。しかし、「人間が想像できることは、人間が必ず実現できる」というジュール・ガブリエル・ヴェルヌ(フランスのSF小説家)の言葉があります。想像が創造の源になることも、私たちは知っています。鉄腕アトムの世界も、現実になりました。日々の実践を振り返るとともに、PSWは何を大事にしていたのか。精神保健福祉士は日本社会の中で、国家資格を有する専門職として何に挑戦し、何を成し得て来たのか。そして未来の「多様性社会」をどのように想像し、創造していくのか。「実践を深化」させ、今の時代の中で「パラダイムを再考」し、大事にしてきた「原点」を見つめ直した後の2020年、参加者とともに未来に向けて語り合う“場”として、今大会を開催いたします。

 そして2021年、未だ収束の見えない未来を前に、「コロナ禍」の以前から存在している課題は取り残され、水面下に隠されていた課題が浮かび上がり、同時に「新しい生活様式」を求められる中、私たち精神保健福祉士は何ができるのだろうか、と考える日々が続いています。未だ騒動の渦中とも言える時期ではありますが、2020年全国大会で掲げた「趣旨」は、「コロナ禍」で分断された「かかわり」を見つめ直し、誰もが「自分たちにとっての“ごく当たり前”の生活」を安心して求めていけるよう、この時期・この時代だからこそ繋げていきたい“思い”でもあります。
 今、改めて、2020年全国大会開催趣旨を引き継ぎ、2021年第56回全国大会・第20回学術集会を北海道の地で開催し、集い、語り合い、学び合う場を設けると共に、未来に向けた発信を行っていきます。

テーマ

多様性社会の創造と挑戦~伴に生きる精神保健福祉士~

期間

ライブ配信:
2021年9月9日(木)午後:プレ企画
    9月10日(金)・11日(土):第56回全国大会・第20回学術集会
オンデマンド配信:2021年10月11日(祝・月)まで

主催

公益社団法人日本精神保健福祉士協会(日本精神保健福祉士学会)

協力

公益社団法人日本精神保健福祉士協会北海道支部
一般社団法人北海道精神保健福祉士協会

参加(予定)人数

900人

第56回全国大会・第20回学術集会運営委員会役員

<全国大会・学術集会役員等>
全国大会・学術集会長  佐々木 寛(ソーシャルカフェ/釧路)
運営委員長       佐藤 志津(岡本病院/札幌)
事務局長        尾形 多佳士(さっぽろ香雪病院/札幌)
運営委員        出田 亜弥佳(札幌佐藤病院/札幌)
            岡﨑 翔一(さっぽろ香雪病院/札幌)
            木村 彰宏(江別すずらん病院/江別)
            佐賀 良太(さっぽろ香雪病院/札幌)
            酒井 幸樹(札幌鈴木病院/札幌)
            佐久間 裕(函館渡辺病院/函館)
            佐々木 旭美(砂川市立病院/砂川)
            佐々木 諭(北見赤十字病院/北見)
            瀬戸口 祐貴(さっぽろ香雪病院/札幌)
            髙田 大志(浦河ひがし町診療所/浦河)
            高田 浩行(ソウアライブ/札幌)
            竹内 亮平(登別三愛病院/登別)
            高谷 澄恵(石金病院/札幌)
            田中 良人(こころのリカバリー総合支援センター/札幌)
            勅使瓦 愛(中江病院/札幌)
            鶴羽 康弘(あしりべつ病院/札幌)
            出口 菜緒(さっぽろ香雪病院/札幌)
            照井 涼子(北海道大学病院/札幌)
            西田 暁生(グループホームイエール福住/札幌)
            朴 明敏(浦河べてるの家/浦河)
            細田 美保(札幌太田病院/札幌)
            元井 昭紀(南空知地域生活支援センターりら/岩見沢)
            山村 哲(なるかわ病院/七飯)