＜2020/07/31＞

【重要】「新生存権裁判」への支援のお願い

　21世紀に入ってから、生活保護基準が相次いで引き下げられていることはご存知のことと思います。なかでも2013年８月から2015年にかけて行われた生活扶助基準の引き下げは３年間で平均6.5％、最大10％、年額で670億円に上り、史上最大と言われています。その後も期末一時扶助の引き下げ、住宅扶助の引き下げ、冬季加算の引き下げと続き、2019年10月から2021年にかけてさらなる生活扶助基準の引き下げが行われています。

　現在、2013年生活扶助基準の引き下げの撤回を求める集団訴訟が、全国29地裁で1,024名の原告によって行われています。名古屋地裁では６月に全国初の判決がなされ、原告が敗訴しました。日本ソーシャルワーカー連盟では、「政策は、国民感情や国の財政事情を踏まえたもの」「専門家の検討を経ていないことをもって直ちに生活扶助基準の改定における厚生労働大臣の裁量権が制約されるということはできない」などの判決理由に対し、７月17日に一般社団法人日本ソーシャルワーク教育学校連盟との連名にて声明を公表し、本協会は、さらに７月31日に各地裁に対して抗議及び要望事項を記した文書を提出したところです。

　本協会は、これまでも多くの精神障害者の生活を支える生活保護制度の動向に強い関心を払ってきました。生活保護制度の改悪は、精神障害者やメンタルヘルス課題を抱えるすべての人々のいのちや暮らしの困難に直結するからです。

　この集団訴訟は生活保護バッシングやスティグマを乗り越え、生活保護利用者が地域、年齢階層、世帯構成に関係なく声を上げた画期的なものです。本協会としては、声明文や要望書の発出に留まることなく、裁判の傍聴などによる応援とともに、この新生存権裁判を支えている「いのちのとりで裁判全国アクション」に対するカンパを構成員の皆様にお願いすることといたしました。

　この機会を個々のソーシャルワーカーが取り組めるソーシャルアクションと受けとめていただき、多くの構成員の皆様が協働してくださることを期待いたします。

公益社団法人日本精神保健福祉士協会
会長　田村綾子

各地の裁判進行状況

　いのちのとりで裁判全国アクションのWEBサイトには各地の裁判進行表などが掲載されています。傍聴などの際にご活用ください。

• 全国で声が上がっています〜各地の裁判について

• 4月11日、奈良地裁で全国9例目の原告勝訴判決が言い渡されました！（判決要旨・全文、弁護団声明を掲載しています）（いのちのとりで裁判全国アクション・2023/04/12）
• 2月10日、宮崎地裁で全国5例目の原告勝訴判決が言い渡されました！（判決要旨・全文、弁護団声明を掲載しています）（いのちのとりで裁判全国アクション・2023/02/10）
• 10月19日、横浜地裁で全国4例目の原告勝訴判決が言い渡されました！（判決要旨・全文、弁護団声明を掲載しています）（いのちのとりで裁判全国アクション・2022/10/20）
• 7月27日、仙台地裁で不当判決が言い渡されました（弁護団声明・判決要旨・骨子・全文を掲載しています）（いのちのとりで裁判全国アクション・2022/08/03）
• 東京地裁での勝訴判決を受け6月27日、厚生労働省に対して控訴をしないこと等を求める要請書を提出しました（いのちのとりで裁判全国アクション・2022/06/27）
• 6月24日、東京地裁で全国3例目の原告勝訴判決が言い渡されました！（判決要旨・全文を掲載しています）（いのちのとりで裁判全国アクション・2022/06/24）
• 熊本地裁「生活保護基準引下げ行政処分取消請求事件」判決に対する声明（本協会・2022/06/01）
• 生活保護基準引き下げ違憲訴訟・大阪／公正な審理を求める要請書署名のお願い（引き下げアカン！大阪の会・2022/04/26）
• 札幌地裁「新・人間裁判」の判決に対する声明（本協会・2021/04/14）
• 大阪地裁「生活保護基準引下げ処分取消等請求事件」判決に対する声明（本協会・2021/03/05）
• 厚生労働省に控訴しないこと等を求める要請書と署名を提出しました（いのちのとりで裁判全国アクション・02/24）
• ２月22日、大阪地裁で歴史的勝訴判決が言い渡されました。厚労省に控訴するなの声を届けてください！（いのちのとりで裁判全国アクション・2021/02/23）
• 【呼びかけ】厚労大臣殿、大阪地裁判決に控訴しないで！FAX運動（〜３月８日） （生活保護問題対策全国会議・2021/02/23）
• 声明　生活保護引下げ違憲訴訟（いのちのとりで裁判）大阪地裁判決について（生活保護基準引下げ違憲訴訟大阪原告団他・2021/02/22）
• 生活保護基準引き下げを巡る名古屋地方裁判所判決にかかる抗議及び要望について（日本ソーシャルワーカー連盟・2020/07/31）
• 生活保護基準引き下げを巡る訴訟判決についての声明（日本ソーシャルワーカー連盟、日本ソーシャルワーク教育学校連盟・2020/07/17）

「新生存権裁判」傍聴の報告記事を募集します

　傍聴された構成員の皆さまから、傍聴報告コーナーへの報告記事を募集いたします。
　2021年２月22日、大阪地裁で保護費引き下げの違法性を認める判決が出されました。この後に続く裁判についても、ぜひ原告の皆さまの応援にお力をお貸しください。

［執筆要領］
１）氏名、２）構成員番号、３）傍聴した裁判情報（裁判所名／裁判の回数／開催日時）、４）傍聴された感想（500字程度）、５）メールタイトル「新生存権裁判傍聴報告」を記し、事務局（office@jamhsw.or.jp）へ送信してください。

■構成員の皆さまからの傍聴報告

「いのちのとりで裁判全国アクション」へのカンパの受付等について（終了しました）

１．受付期間

　2020年７月31日（金）〜2021年３月31日（水） 　※延長しました（2020/10/26）

　★お預かりしたカンパは、「いのちのとりで裁判全国アクション」様にお届けいたしました。ご協力いただきました皆さま、本当にありがとうございました！

２．受付方法

　本協会の金融機関口座にて代理収受いたします。お名前の前に「【カンパ】」と明記のうえ、次の金融機関口座にお振込みください。大変恐縮ですが、振込手数料は別途ご負担ください。

（※）三菱ＵＦＪ銀行新宿通支店の口座は「復興支援募金口」を暫定使用しています。

３．その他

• お預かりしたカンパは、まとめて「いのちのとりで裁判全国アクション」様にお届けいたします。
• 匿名（匿名希望）の場合を除いて、カンパにご協力をいただいた方々のお名前（カタカナまたは漢字）をWEBサイト等に適宜掲載させていただきます。

以上

「いのちのとりで裁判全国アクション」へのカンパにかかる受付状況

【受付額】

　22件　347,000円

【ご協力いただいた皆さま】（金額・敬称略、順不同）

＜２月12日掲載＞

　アオキノリオ

＜２月５日掲載＞

　白澤珠理

＜12月４日掲載＞

　井上希実

＜11月20日掲載＞

　米田満夫

＜10月１日掲載＞

　匿名希望（１人）

＜９月29日掲載＞

　柏木一惠、伊藤京一郎

＜９月24日掲載＞

　島根県精神保健福祉士会

＜９月３日掲載＞

　尾形多佳士

＜８月31日掲載＞

　松本直樹、辻本直子、匿名希望（１人）、廣江　仁

＜８月19日掲載＞

　山口雅弘、洗　成子、渡辺由美子

＜８月17日掲載＞

　匿名希望（１人）、城井健太郎

＜８月７日掲載＞

　木太直人、浅香山病院相談室、水野拓二、宮田英信

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