連載:新たな更新制度

 第8回 研鑽管理システムを活用した更新制度

研修センター 認定制度推進委員会 担当理事 島内 美月 

 先にご説明させていただいた研鑽管理システム(以下、本システム)(会員ページ)は、新更新制度でも活用されますので、ご案内いたします。

Q1.本システムは、認定精神保健福祉士の取得や更新のためだけに活用する仕組みではないのですか?

A1.いいえ。全ての構成員が活用できます。新更新制度では、単位登録数などが2028年度から認定の取得・更新要件となるため、新更新制度のためのシステムと思われがちですが、全ての構成員の自己研鑽に有効活用できるシステムとして開発されました。

Q2.では本システムは、2023年度からの認定取得・更新にあたって、どのように活用されるのですか?

A2.現在、(研修)認定精神保健福祉士の方は、2027年度までと、2028年度以降で要件が異なります。
2027年度までは経過措置期間と位置づけ、認定の取得・更新要件に単位登録数は問われません。更新研修時の単位登録体験で活用します。2028年度以降は、5年間で「スーパービジョン」「研修・学会等」「社会的活動」の各類型20単位以上、合計で100単位以上の単位登録が要件となります。

Q3.2023年度以降に研修認定精神保健福祉士を取得した場合は、5年後の認定取得に向けてどのように活用したらよいですか?

A3.認定取得は2028年度以降となるため、先のとおり合計で100単位以上の単位登録が要件となります。研鑽をする度に、研鑽を記録し、積み上げていただけたらと思います。

Q4.研鑽の度に単位登録をするのは、負担が大きいのではないでしょうか。

A4.研鑽を可視化することの有効性はこれまでもお伝えしてきました。そのためには、研鑽を記録(単位登録)していくことが必要です。出来るだけ負担が少なく、短時間で行なえるように工夫していますので、まずはご活用いただけたらと思います。

Q5.単位登録した内容に誤りがないかを第三者が確認する仕組みがないのに、単位登録数を認定取得・更新要件とすることは、信用性に欠けるのでないでしょうか?

A5.本協会が認定するのは、専門職としてたゆまぬ自己研鑽をし続けているということであり、これまでも5年毎に更新研修を受講し、認定者同士で相互に日々の研鑽や実践を確認する機会として位置付けてきました。この研鑽をし続けていることを、可視化するための手段として、研鑽を記録していく単位登録という方法を導入しました。そのような性質上、この新たな認定取得・更新のための仕組みは、精神保健福祉士の信頼の上に成り立っていることをご理解いただけたらと思います。

Q6.単位登録ができなかった場合、認定精神保健福祉士の取得・更新はできますか?

A6.2027年度までの経過措置期間中は、取得・更新できます。
2028年度以降は、研鑽を積んでいても、様々な理由で単位登録ができなかった、あるいは単位数が足りなかったという人もいるかもしれません。
今後は単位登録の期間延長制度の検討を行います。また、単位登録数の要件を満たせない場合でも、更新研修を受講することで、研修認定精神保健福祉士として更新できる制度となっています。

(研修センターだより「Start Line No.87」(2023年9月15日発行)より抜粋)