連載:新たな更新制度
第5回 更新研修はこう変わる
研修センター 認定制度推進委員会 委員 鈴木 知子
本紙No78(2022年3月15日)から新たな更新制度についてお伝えしています。 本回は、新たな更新研修のプログラムについて取り上げます。
なお、現在検討中であるため、内容が一部変更となる可能性があります。
Q1 新たな更新研修はいつから始まりますか?
A1 新制度は2023年度から運用を始めます。新たな更新研修は2023年9月を目途に開始する予定です。詳しい日程など決まり次第、随時本紙やWEBサイト等で周知いたします。
Q2 2023年度から更新研修の内容はどのように変わりますか?
A2 現行のプログラム(オンライン研修時)は、講義「ソーシャルワーク論(120分)」と演習形式の「スーパービジョン(165分)」と「演習・全体会(140分)で構成されています。
新たなプログラムでは、講義は「ソーシャルワーク論」(90分)に加え、新たに「近年の制度政策の動向」(45分)、「私たちの成長に利用できる資源」(45分)の3つとなります。2023年度の更新研修では対面とオンラインを予定していますが、講義は事前視聴となります。
演習は、これまでの「スーパービジョン」(125分)と、地域実践を紹介し合いながらリーダーシップの取り方などを学ぶ「演習」(125分)に加え、研鑽計画を立てる「研鑽計画(さくらセット)演習・全体会」(90分)を行います。
※詳しくは、Q3参照
Q3 更新研修の内容を変更した理由を教えてください。
(1)講義内容の追加
A3(1) これまで、ソーシャルワーカーに必要な価値の再点検を行う目的に「ソーシャルワーク論」の講義を行っていました。新たな更新研修では、その内容を充実させるために新しく2つの講義を追加しました。
講義「近年の制度政策の動向」は、近年の制度や政策の変遷を踏まえて、ソーシャルワーク実践において制度政策を学ぶ意義を考える機会とします。
そして、講義「私たちの成長に利用できる資源」では、自身の資質向上や後進の育成のために活用できる、本協会で作成した様々な研鑽支援ツールについて紹介します。
(2)演習「スーパービジョン」の方法の変更
A3(2) 現行の演習「スーパービジョン」では、受講者が事前に提出した実践・事例に関するレポートを用いて行っていました。新たな更新研修では、OJTや事例検討との違い、スーパーバイザーとしての視点をより体験的に理解をしていただくために、事前レポートを活用したものではなく、架空事例を使った演習に変更します。
スーパービジョンは精神保健福祉士としての価値や理念、視点を学ぶことができる精神保健福祉士の研鑽に欠かせないものです。架空事例を用いることで、共通認識が得やすく、事例の内容にひきずられずにスーパービジョンに集中できるようになることがねらいです。
(3)研鑽計画(さくらセット)演習の追加
A3(31 さくらセット(精神保健福祉士のキャリアラダーとワークシート)は、専門性の点検や自己研鑽を行うことを支援するツールです。精神保健福祉士の自分が何を目標に、どのように研鑽に取り組んでいくのかが可視化でき、職場内外の精神保健福祉士と取り組むことで、つながりをもち、ともに力量を高めていくことができます。
演習では、事前に作成してきた自身の研鑽計画案をもとにペアワークで、それぞれの研鑽内容を共有したり、実際の面談を模擬体験していきます。演習を通して、研鑽計画を完成させていてくことを目指します。
Q4 新たな更新研修に変わったら、受講の方法も変わりますか?
A4 これまで通り、認定精神保健福祉士の更新には、5年に1度の研修受講が必要です。受講期限の自己管理をお願いします。構成員マイページで確認できるようになりますし、期限前に受講案内が届きますので、期限内に申し込みをお願いします。
申込みの方法はこれまでと変わりません。
ただし、研修受講当日までに取り組んでいただく内容は次の通り変更となります(事前視聴はA2の図参照)。
単位の登録や研鑽計画の作成など、新たな更新制度の内容について、「よくわからない」という方もいらっしゃると思います。次年度から始まる新たな更新研修受講の際にも詳しく説明いたします。
まずは新たな更新研修を受講していただくようよろしくお願いします。
(研修センターだより「Start Line No.83」(2023年3月15日発行)より抜粋)