復興支援本部情報

自然への畏敬の念と共存を忘れない〜未来に繋がることを信じて

 震災から2年以上が過ぎ、私がこの地に来てからもう1年と4か月が過ぎようとしています。仮設住宅で生活をされている方からは、「ここで迎える3度目の夏になる」との声が聞かれました。仕事の方では昨年夏より開始した、家々を巡る訪問調査も一区切りとなり慣れない毎日と格闘していた日々も、やっと落ち着いてきたように感じています。

 災害公営住宅の建築予定地や移転の予定も徐々にみえて来た地域もあり、来年度は少し動きが出てきそうな様子にもなってきました。私達のこれからの役割として、コミュニティをより意識した支援の必要性を感じており、また新たな挑戦となりそうです。又、現在支援活動をしている複数の団体や機関を、コーディネートする人や機能をより充実させなければならない時期にも来ていると感じており、この部分は大きな課題となってくるでしょう。

 生活が変化する時には、やはりメンタル的な部分の変化や整理が必要であり、生活環境の変化や新しい生活を受け入れる過程に寄り添い、本人なりの覚悟を持てるようになることを支援して行きたいと思っています。退院して自分なりの生活を取り戻すことを支援してきた経験が生かせるのではないかと、感じているところです。

 最近、「やっと震災の時の経験を話せるようになった」と語られる方に出会いました。まだまだ、幅広い支援が必要な状況が続いています。どうかこれからも皆さんからの末長い支援をいただけることと、こうして支援活動を続けている仲間がいることを忘れないでいてくれることを願っています。

東日本大震災復興支援本部オブザーバー(岩手心のケアセンター) 福井 康江


     
【写真説明】以前、トヨタ自動車のReBORNのCMにも使用された陸前高田のとある風景です。中断されてしまったJR鉄道の線路は、これからもつながることはないでしょう。それでも、未来に向かってつながっていると、私達は信じています。 【写真説明】先日、イベントで大船渡の港に入港した帆船「気仙丸」;手前と、「みちのく丸」;奥です。気仙丸は津波にも耐え、みちのく丸は震災後流された船の修理に力を尽くし、病に倒れた一人の船大工の方の遺作となった船です。どちらも、気仙船大工の高い技術の賜物です。市民の方に元気を与えてくれました。 【写真説明】三陸の海は、美しいです。自然への畏敬の念と共存をこれからも忘れないようにしたいものです。皆さん、どうか遊びにきてください

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