精神保健医療福祉の将来ビジョンとその達成に向けた長期目標・中期計画

「精神保健医療福祉の将来ビジョン」の実現に向けて

 公益社団法人日本精神保健福祉士協会(以下「本協会」)は、任意団体の日本精神医学ソーシャル・ワーカー協会の時代に「精神障害者の社会的復権」を協会方針に掲げ、今日まで精神疾患や障害のある人びとの自己決定を尊重したかかわりを行い、権利擁護や自己実現のための支援に向けて取り組んできました。この過程で、自分たちの資格制度の創設を求め、精神保健福祉士法の制定後に団体名は日本精神保健福祉士協会へと変更されました。
 精神保健福祉士は、精神医療や障害福祉サービスの利用者を主な対象とし、退院や地域移行・地域生活支援を中心的業務として行っています。一方で、日本における精神保健医療福祉に関する現代の問題は、精神疾患や障害を抱える人のみならず、高齢者、女性、子ども・若者、外国人、貧困状態にある人などをはじめ、すべての人にとって身近なメンタルヘルスの課題にまで広がり、精神保健・医療・福祉にまたがる国家資格である精神保健福祉士に求められる役割は拡大しています。

 こうしたなか、本協会に集う構成員の職場職域も多様化し、それに応じて扱う政策・制度の課題は拡散する傾向にあり、メンタルヘルスという誰にとっても身近な問題について、人と社会を連続性のなかでとらえて働きかけるソーシャルワーカーとして職能団体を構成する私たちが、何を目的として組織的に取り組むのかといったことが内外から見えにくくなっていたかもしれません。
 そこで、本協会では2021年9月に「精神保健医療福祉の将来ビジョン」を掲げ、2040年までにその実現を目指すこととしました。私たちは、これを本協会の構成員のみに留めず、すべての精神保健福祉士とともに取り組みたいと考えています。さらに、精神疾患や障害のある当事者・家族の方たちとの協働や、日常の実践において連携する方々との共有を期待しています。そして、精神保健福祉士は何をする職種なのかをいまだ知らない方たちに、心と生活の支援を包括的におこなう身近なプロフェッショナルとして私たちを知っていただき、各地域で出会えることを願っています。

 この度、精神保健医療福祉の将来ビジョンの実現に向けた9つの実践課題について、2022年度からの本協会の執行体制に合わせて、現状認識に関するデータや解説等を付した資料を作成しました。本協会では、今後この実践課題について、単年度計画及び中期計画、長期目標を設定し、随時見直しながら取り組んで参ります。みなさまにおかれましては、本資料をご活用いただき、各自で身近な目標を設定し、ご一緒に取り組んでいただけますようお願いいたします。
 私たちは、この国で生きる幸せをすべての人が実感できる社会をみなさまと共に創り上げていきたいと考えています。

2022年6月23日

公益社団法人日本精神保健福祉士協会 会長 田村 綾子

精神保健医療福祉の将来ビジョン:スローガン“すべての人に、「コノ邦ニ生キル幸セ」を。”

「精神保健医療福祉の将来ビジョン」の達成に向けた長期目標・中期計画

本協会では、上記の将来ビジョンの20年後の達成に向けて、その中間点になる10年後に達成すべき目標を「長期目標」、長期目標の達成に向けて本協会が取り組むべき項目を中心に「中期計画」を策定しました。

長期計画・中期計画
  • 中期計画(2026)【計画年度:2022〜2026年度】概要版
    PDF版・198KB・A4サイズ・1頁
    視覚障害のある人のためのデータはこちら⇒テキスト版ワードファイル

    中期計画概要版PDFへリンク

  • 中期計画 重点的取り組み(PDF版・136KB・A4サイズ・1頁


    中期計画  重点的取り組み

    ミクロレベルの実践 メゾレベルの実践 マクロレベルの実践
    主体性の尊重 多様性の尊重 包摂性の追求
    人材育成 ◎ 自己決定の原理と意思決定支援について学ぶ機会の提供(研修企画運営委員会)
    ◎ 専門職として主体的に「自己教育」できる人材の育成(構成員さくらセット利用率50%)(認定制度推進委員会)
    ◎ 将来ビジョンについて、すべての構成員の理解と実践の促進(都道府県支部、全国大会、機関誌、事務局等)
    ◎ 多様性の尊重について学ぶ機会の提供(研修企画運営委員会)
    ◎ 各ブロックで認定SVRによるGSVを実施(認定SVR養成委員会)
    ◎ ブロック等における養成校と都道府県協会等との連携教育の推進(都道府県支部、ブロック会議、理事会)
    ◎ 共生社会実現に向けたソーシャルアクションに取り組む人材の育成(研修企画運営委員会、課題別研修、全国大会等)
    ◎ 新認定精神保健福祉士制度の定着(認定制度推進委員会)
    ◎ eラーニング制度の構築(研修企画運営委員会、事務局)
    組織強化 ◎ 現業精神保健福祉士6割の入会(1.5万人)(組織強化委員会)
    ◎ 全国組織としての組織体制の在り方の検討(組織強化委員会)
    ◎ 業務指針の活用促進(都道府県支部)
    ◎ 倫理綱領改訂の検討(「精神保健福祉士の倫理綱領」改訂検討委員会)
    ◎ 代議員制度の構成員への浸透と代議員機能の有効化の促進(組織強化委員会)
    ◎ メディア機能の理解を深め、有益な活用の推進(メディア連携委員会)
    ◎ 都道府県支部・ブロック単位での災害支援体制、減災意識に対する普及啓発(災害支援・復興支援委員会)
    ◎ 精神保健福祉士の資格取得者増加策の強化(理事会、事務局)
    ◎ 構成員が情報や意見交換のできるプラットフォーム環境を検討(事務局)
    ◎ 全国組織としての当事者、家族、他団体等との関係の発展、協働の推進(理事会)
    政策提言 ◎ エビデンスに基づいた各制度・政策等の改定・改正への要望書等の提出(理事会、委員長・リーダー)
    ◎ 関連省庁、関係団体等とのつながりの強化(理事会、事務局等)
    ◎ 自殺予防対策、子ども家庭支援、依存症対策、貧困、災害支援等に対する適切な支援につながる仕組み作り(理事会、委員会・分野別プロジェクト)
    ◎ 非自発的入院の在り方の是正・改正に向けた調査研究(権利擁護部)
    ◎ 都道府県支部・ブロック活動における好事例の情報収集・発信、関係組織や地域への啓発の実施(理事会、ブロック会議)
    ◎ 全世代に対する福祉教育の導入(理事会等)
    ◎ 精神保健福祉士のあるべき姿に向けた養成カリキュラムに関する調査研究(特別委員会)
    ◎ 精神科医療における人員配置基準を一般医療に近づける提言(理事会、権利擁護部)
    ◎ 精神障害者の社会的復権の実現に向けた精神保健福祉法改正への提言(理事会、委員会)
  • 長期目標・中期計画<人材育成>
    PDF版・93KB・A4サイズ・1頁
    視覚障害のある人のためのデータ⇒準備中

    人材育成PDFへリンク

  • 長期目標・中期計画<組織強化>
    PDF版・94KB・A4サイズ・1頁
    視覚障害のある人のためのデータ⇒準備中

    組織強化PDFへリンク

  • 長期目標・中期計画<政策提言>
    PDF版・105KB・A4サイズ・1頁
    視覚障害のある人のためのデータ⇒準備中

    政策提言PDFへリンク

精神保健医療福祉ビジョン策定委員会 報告書(2022年7月) (会員ページ掲載)

本報告書は、精神保健医療福祉ビジョン策定委員会について、2021年11月の設置 から2022年6月までの活動内容等を取りまとめたものです。


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