精神保健医療福祉の将来ビジョンとその達成に向けた長期目標・中期計画

「精神保健医療福祉の将来ビジョン」の実現に向けて

 公益社団法人日本精神保健福祉士協会(以下「本協会」)は、任意団体の日本精神医学ソーシャル・ワーカー協会の時代に「精神障害者の社会的復権」を協会方針に掲げ、今日まで精神疾患や障害のある人びとの自己決定を尊重したかかわりを行い、権利擁護や自己実現のための支援に向けて取り組んできました。この過程で、自分たちの資格制度の創設を求め、精神保健福祉士法の制定後に団体名は日本精神保健福祉士協会へと変更されました。
 精神保健福祉士は、精神医療や障害福祉サービスの利用者を主な対象とし、退院や地域移行・地域生活支援を中心的業務として行っています。一方で、日本における精神保健医療福祉に関する現代の問題は、精神疾患や障害を抱える人のみならず、高齢者、女性、子ども・若者、外国人、貧困状態にある人などをはじめ、すべての人にとって身近なメンタルヘルスの課題にまで広がり、精神保健・医療・福祉にまたがる国家資格である精神保健福祉士に求められる役割は拡大しています。

 こうしたなか、本協会に集う構成員の職場職域も多様化し、それに応じて扱う政策・制度の課題は拡散する傾向にあり、メンタルヘルスという誰にとっても身近な問題について、人と社会を連続性のなかでとらえて働きかけるソーシャルワーカーとして職能団体を構成する私たちが、何を目的として組織的に取り組むのかといったことが内外から見えにくくなっていたかもしれません。
 そこで、本協会では2021年9月に「精神保健医療福祉の将来ビジョン」を掲げ、2040年までにその実現を目指すこととしました。私たちは、これを本協会の構成員のみに留めず、すべての精神保健福祉士とともに取り組みたいと考えています。さらに、精神疾患や障害のある当事者・家族の方たちとの協働や、日常の実践において連携する方々との共有を期待しています。そして、精神保健福祉士は何をする職種なのかをいまだ知らない方たちに、心と生活の支援を包括的におこなう身近なプロフェッショナルとして私たちを知っていただき、各地域で出会えることを願っています。

 この度、精神保健医療福祉の将来ビジョンの実現に向けた9つの実践課題について、2022年度からの本協会の執行体制に合わせて、現状認識に関するデータや解説等を付した資料を作成しました。本協会では、今後この実践課題について、単年度計画及び中期計画、長期目標を設定し、随時見直しながら取り組んで参ります。みなさまにおかれましては、本資料をご活用いただき、各自で身近な目標を設定し、ご一緒に取り組んでいただけますようお願いいたします。
 私たちは、この国で生きる幸せをすべての人が実感できる社会をみなさまと共に創り上げていきたいと考えています。

2022年6月23日

公益社団法人日本精神保健福祉士協会 会長 田村 綾子

精神保健医療福祉の将来ビジョン:スローガン“すべての人に、「コノ邦ニ生キル幸セ」を。”

「精神保健医療福祉の将来ビジョン」の達成に向けた長期目標・中期計画

本協会では、上記の将来ビジョンの20年後の達成に向けて、その中間点になる10年後に達成すべき目標を「長期目標」、長期目標の達成に向けて本協会が取り組むべき項目を中心に「中期計画」を策定しました。

長期計画・中期計画
  • 中期計画(2026)【計画年度:2022〜2026年度】概要版 (PDF版・198KB・A4サイズ・1頁

    視覚障害のある人のためのデータはこちら⇒テキスト版ワードファイル

    中期計画概要版PDFへリンク

  • 中期計画 重点的取り組み(PDF版・136KB・A4サイズ・1頁


    中期計画  重点的取り組み

    ミクロレベルの実践 メゾレベルの実践 マクロレベルの実践
    主体性の尊重 多様性の尊重 包摂性の追求
    人材育成 ◎ 自己決定の原理と意思決定支援について学ぶ機会の提供(研修企画運営委員会)
    ◎ 専門職として主体的に「自己教育」できる人材の育成(構成員さくらセット利用率50%)(認定制度推進委員会)
    ◎ 将来ビジョンについて、すべての構成員の理解と実践の促進(都道府県支部、全国大会、機関誌、事務局等)
    ◎ 多様性の尊重について学ぶ機会の提供(研修企画運営委員会)
    ◎ 各ブロックで認定SVRによるGSVを実施(認定SVR養成委員会)
    ◎ ブロック等における養成校と都道府県協会等との連携教育の推進(都道府県支部、ブロック会議、理事会)
    ◎ 共生社会実現に向けたソーシャルアクションに取り組む人材の育成(研修企画運営委員会、課題別研修、全国大会等)
    ◎ 新認定精神保健福祉士制度の定着(認定制度推進委員会)
    ◎ eラーニング制度の構築(研修企画運営委員会、事務局)
    組織強化 ◎ 現業精神保健福祉士6割の入会(1.5万人)(組織強化委員会)
    ◎ 全国組織としての組織体制の在り方の検討(組織強化委員会)
    ◎ 業務指針の活用促進(都道府県支部)
    ◎ 倫理綱領改訂の検討(「精神保健福祉士の倫理綱領」改訂検討委員会)
    ◎ 代議員制度の構成員への浸透と代議員機能の有効化の促進(組織強化委員会)
    ◎ メディア機能の理解を深め、有益な活用の推進(メディア連携委員会)
    ◎ 都道府県支部・ブロック単位での災害支援体制、減災意識に対する普及啓発(災害支援・復興支援委員会)
    ◎ 精神保健福祉士の資格取得者増加策の強化(理事会、事務局)
    ◎ 構成員が情報や意見交換のできるプラットフォーム環境を検討(事務局)
    ◎ 全国組織としての当事者、家族、他団体等との関係の発展、協働の推進(理事会)
    政策提言 ◎ エビデンスに基づいた各制度・政策等の改定・改正への要望書等の提出(理事会、委員長・リーダー)
    ◎ 関連省庁、関係団体等とのつながりの強化(理事会、事務局等)
    ◎ 自殺予防対策、子ども家庭支援、依存症対策、貧困、災害支援等に対する適切な支援につながる仕組み作り(理事会、委員会・分野別プロジェクト)
    ◎ 非自発的入院の在り方の是正・改正に向けた調査研究(権利擁護部)
    ◎ 都道府県支部・ブロック活動における好事例の情報収集・発信、関係組織や地域への啓発の実施(理事会、ブロック会議)
    ◎ 全世代に対する福祉教育の導入(理事会等)
    ◎ 精神保健福祉士のあるべき姿に向けた養成カリキュラムに関する調査研究(特別委員会)
    ◎ 精神科医療における人員配置基準を一般医療に近づける提言(理事会、権利擁護部)
    ◎ 精神障害者の社会的復権の実現に向けた精神保健福祉法改正への提言(理事会、委員会)


  • 長期目標・中期計画<人材育成>(PDF版・93KB・A4サイズ・1頁

  • 将来ビジョン達成に向けた長期目標・中期計画 ≪人材育成≫

    人材育成 ビジョン ミクロレベルの実践 メゾレベルの実践 マクロレベルの実践
    主体性の尊重 多様性の尊重 包摂性の追求
    @必要な人すべてにソーシャルワークを届ける A医療の主体的な選択を支援する Bその人が望む暮らしの実現に向けて関わる C個性が尊重され多様性を認め合えるコミュニティにする D適切で良質な精神医療を身近な地域で提供できるようにする E誰もが希望する形で社会参加できる地域をつくる Fメンタルヘルスリテラシーを高め、ストレスに向き合うことのできる社会をつくる G精神疾患や精神障害へのスティグマを解消する H人権が尊重される共生社会をともに実現する
    必要とされる人材 ・わが国が抱える精神保健福祉関連領域の諸課題や社会的孤立を理解し、主体的な意思表明を支援できる人材
    ・リカバリー支援のできる人材
    ・患者本人の適切な意思決定や自己選択を可能とする人材
    ・「その人らしい暮らし」の実現を多様な職種・人材と協働して応援できる人材
    ・地域連携スキルの向上
    ・多様性を認めあうため、地域において人権の享有を妨げることのないよう働きかける人材
    ・教育や情報発信及び権利擁護のあり方について、組織や地域に働きかけられる人材
    ・治療や療養と生活の連動性を維持できるように働きかけられる人材
    ・個人の尊厳が尊重され、安心して地域で生活することができる地域包括ケアを推進する人材
    ・当事者との協働で地域社会にある分断を乗り越える人材
    ・多様な人々が自由に社会参加できる相互支援体制をつくる人材
    ・メンタルヘルスリテラシーを高めることができる体制を整備できる人材
    ・メンタルヘルス領域の幅広い知識/制度政策動向を読み取る人材
    ・スティグマや社会的入院の解消を目指し、関係職種・団体・精神科ユーザーと連携・協働できる人材
    ・精神保健福祉士の理念に立脚し、使命に邁進できる人材
    ・人権侵害を引き起こす要因となる環境や社会の変革に向けた共創のための働きかけができる人材
    レベルのまとめ ・MHSWは、わが国が抱える精神保健福祉関連領域の諸課題や社会的孤立を理解できる
    ・MHSWは、主体的な自己決定・意思決定・自己選択を支援できる
    ・MHSWは、多様な職種や人材と協働できる
    ・MHSWは、多様性が尊重されるための教育や情報発信および権利擁護のあり方を地域に働きかけることができる
    ・MHSWは、誰もが尊重され、安心して生活できる地域包括ケアを推進できる
    ・MHSWは、誰もが社会参加できる地域をつくるため、相互支援体制を構築できる
    ・MHSWは、メンタルヘルスに不調を抱える人々が治療や療養と生活の連動性を維持できるよう働きかけることができる
    ・MHSWは、メンタルヘルスリテラシーを向上することができる
    ・MHSWは、精神科医療の配置基準是正に向け協働できる
    ・MHSWは、共生社会の実現に向け、誰もが包摂されるための環境や社会を変革する共創のための働きかけができる
    長期目標 【10年後に達成する】
    ・「意思決定支援」スキルを標準的に身につけている人材の育成
    ・メンタルヘルスの観点を持ちながら、当事者の権利擁護と環境に対する多様なマネジメント力を発揮できる人材の育成
    ・多様性が尊重されるための教育や情報発信を地域に働きかける人材の育成
    ・多世代、多領域の支援ニーズを理解し、誰もが社会参加できるため地域に働きかける人材の育成
    ・地域包括ケアを推進できる人材の育成
    ・各都道府県で認定SVRを中心に個人SVおよびGSV展開のしくみ構築
    ・メンタルヘルスに不調を抱える人々が求める適切で良質な医療や支援を構築するための地域実践ができる人材の育成
    ・各都道府県における共生社会実現に向けたソーシャルアクションを展開する人材の育成
    ・多分野との共創ネットワークができる人材の育成
    ・メンタルヘルスリテラシーについて各都道府県で啓発
    ・認定SVR全国200人
    ・認定精神保健福祉士(10年後新認定4,400人)
    ・精神保健福祉士養成カリキュラムの改訂に向けた検討
    中期計画 【5年以内に取り組み成果を出す】
    ◎ 自己決定の原理と意思決定支援について学ぶ機会の提供(研修企画運営委員会)
    ◎ 専門職として主体的に「自己教育」できる人材の育成(構成員の「さくらセット」利用率50%)(認定制度推進委員会)
    ◎ 将来ビジョンについて、すべての構成員の理解と実践の促進(都道府県支部、全国大会、機関誌、事務局等)

    ・生涯研修制度の受講率の向上(70%…現在60%)
    ・他団体との協働による人材育成
    ◎ 多様性の尊重について学ぶ機会の提供(研修企画運営委員会)
    ◎ 各ブロックで認定SVRによるGSVを実施(認定SVR養成委員会)
    ◎ ブロック等における養成校と都道府県協会等との連携教育の推進(都道府県支部、ブロック会議、理事会)

    ・当事者との協働で社会参加について理解を促進する機会の創設
    ・認定SVRを各都道府県に一人以上養成
    ・メンタルヘルスに不調を抱える人々が求める適切で良質な医療や支援について理解し、地域において検討する機会を創出できる人材の育成
    ・他団体との協働による人材育成
    ◎ 共生社会実現に向けたソーシャルアクションに取りむ人材の育成(研修企画運営委員会)
    ◎ 新認定精神保健福祉士制度の定着(認定制度推進委員会)
    ◎ eラーニング制度の構築(研修企画運営委員会、事務局)

    ・メンタルヘルスリテラシーを地域で展開できる人材の育成
    ・認定精神保健福祉士(現認定+現研修認定2,400人→5年後新認定3,400人)
    ・認定SVR全国150人
    ・基幹研修テキスト改訂
    ・実習指導者養成(8,300人→5年後10,000人)
    ・他団体との協働による人材育成


  • 長期目標・中期計画<組織強化>(PDF版・94KB・A4サイズ・1頁

    将来ビジョン達成に向けた長期目標・中期計画≪組織強化≫

    組織強化 ビジョン ミクロレベルの実践 メゾレベルの実践 マクロレベルの実践
    主体性の尊重 多様性の尊重 包摂性の追求
    @必要な人すべてにソーシャルワークを届ける A医療の主体的な選択を支援する Bその人が望む暮らしの実現に向けて関わる C個性が尊重され多様性を認め合えるコミュニティにする D適切で良質な精神医療を身近な地域で提供できるようにする E誰もが希望する形で社会参加できる地域をつくる Fメンタルヘルスリテラシーを高め、ストレスに向き合うことのできる社会をつくる G精神疾患や精神障害へのスティグマを解消する H人権が尊重される共生社会をともに実現する
    協会としての組織課題 ・支援へのアクセシビリティ向上への寄与
    ・理事間の連携機能の強化
    ・理事の役割の明確化(組織全体を俯瞰したマネジメント機能)
    ・MHSW協会の独自性の発揮
    ・医療領域の他団体(日精協、日精看、コメディカル等を中心とした他団体)との連携・協働体制 ・地域コミュニティとのつながり(地域社会の現状把握機能)
    ・都道府県協会との連携機能の強化
    ・構成員からの情報収集機能/発信機能
    ・メディアリテラシ―の向上
    ・組織が内包する多様性を活かす
    ・精神保健福祉士の価値観の可視化、理念に基づいた、構成員が共有できる行動指針の明示
    ・地域課題の意見集約の仕組み
    ・代議員の役割の明確化
    ・誰もが安心して受療できる精神医療の実現のために課題整理、具体的ゴールの共有・浸透
    ・ピア、家族等の当事者との協働の促進
    ・互いの立場を超えて、持続可能なつながり・活動の場の構築
    ・各領域で活躍する多様な構成員の組織化
    ・メンタルヘルスリテラシー向上に向けた事業展開
    ・PSW時代からのミッションの継承
    ・精神保健福祉法の解体
    ・日弁連との協働
    ・権利擁護、人権尊重社会のプラットフォーム機能
    ・災害時支援 減災対策
    ・ソーシャルワーカー国家資格のあり方
    レベルのまとめ ・クライエントを取り囲む社会情勢を捉える情報収集力
    ・組織を構成する人員ひとりひとりがプレイヤーとして主体性、自律性を発揮できる土壌
    ・事務局機能・人員体制の強化
    ・支部・ブロック等の地域特性を認め合い、組織としての強い結束力を活かしながら社会に働きかけができる
    ・全世代、多文化領域にわたりメンタルヘルス課題に取り組める精神保健福祉士の強みの焦点化、発展
    ・組織理念に基づいた内外の結びつきの強化
    ・メンタルヘルスリテラシー推進の担い手としての組織活動
    ・精神科医療の改善のために組織力が発揮できる
    ・共生社会実現のために多領域にわたる他団体との連携・協働
    長期目標 【10年後に達成する】
    ・精神保健福祉士の社会的認知の向上
    ・精神医療福祉関連団体との具体的な連携・協働の実現
    ・本協会都道府県精神保健福祉士協会の相互組織率向上
    ・認定精神保健福祉士のインセンティブの実現
    ・多様なメディアの活用の実現
    ・シンクタンクとなる調査研究部門の創設
    ・都道府県協会(支部)による、地域の実情に応じた精神医療の改善、発展
    ・ブロック単位での多様な活動の展開
    ・精神保健医療福祉関連の全国組織・団体等との協働関係を深める
    ・ソーシャルワーカー関係団体との連携を強化し、ソーシャルワークのグローバル定義の実現のために必要な人材育成、社会体制の構築を目指す
    ・全国各地の実情の集約・情報の活用
    ・構成員の意見が活発に活用される
    中期計画 【5年以内に取り組み成果を出す】
    ◎ 現業精神保健福祉士6割の入会(1.5万人)(組織強化委員会)
    ◎ 全国組織としての組織体制の在り方の検討(組織強化委員会)
    ◎ 業務指針の活用促進(都道府県支部)
    ◎ 倫理綱領改訂の検討(「精神保健福祉士の倫理綱領」改訂検討委員会)
    ・社会的認知に向けた取り組み(メディアの活用など)
    ・各都道府県における精神医療福祉関連の他団体と良好な関係構築を目指す
    ・次世代に対するメンタルヘルス、社会福祉に関する啓発  
    ・精神保健福祉士養成校との連携、協働の推進
    ・構成員のインセンティブに関する方策の検討
    ・精神保健福祉士の業務調査  
    ・事務局機能の強化
    ◎ 代議員制度の構成員への浸透と代議員機能の有効化の促進(組織強化委員会)
    ◎ メディア機能の理解を深め、有益な活用の推進(メディア連携委員会)
    ◎ 都道府県支部・ブロック単位での災害支援体制、減災意識に対する普及啓発(災害支援・復興支援委員会)

    ・支部、ブロック単位での精神保健医療福祉に対する福祉教育、啓発活動  
    ・支部、ブロック単位での認定SVR、認定成年後見人の活動の浸透  
    ・地域単位での当事者、家族、他団体等との交流、協働の推進
    ◎ 精神保健福祉士の資格取得者増加策の強化(理事会、事務局)
    ◎ 構成員が情報や意見交換のできるプラットフォーム環境を検討(事務局)
    ◎ 全国組織としての当事者、家族、他団体等との関係の発展、協働の推進(理事会)

    ・地域共生社会の実現に向けた社会の変革実現のために都道府県協会との協働や求められる精神保健福祉士像の追求
    ・精神保健福祉士の国家資格の在り方に関する検討


  • 長期目標・中期計画<政策提言>(PDF版・105KB・A4サイズ・1頁

    将来ビジョン達成に向けた長期目標・中期計画≪政策提言≫

    政策提言 ビジョン ミクロレベルの実践 メゾレベルの実践 マクロレベルの実践
    主体性の尊重 多様性の尊重 包摂性の追求
    @必要な人すべてにソーシャルワークを届ける A医療の主体的な選択を支援する Bその人が望む暮らしの実現に向けて関わる C個性が尊重され多様性を認め合えるコミュニティにする D適切で良質な精神医療を身近な地域で提供できるようにする E誰もが希望する形で社会参加できる地域をつくる Fメンタルヘルスリテラシーを高め、ストレスに向き合うことのできる社会をつくる G精神疾患や精神障害へのスティグマを解消する H人権が尊重される共生社会をともに実現する
    協会が行う政策提言 ・誰もが「自分らしい生活」のできる社会の実現に向けた現状分析及び情報収集、発信 医療における基本的人権の保障の定着に向けた現状分析及び情報集約と発信 ・生活にかかわる政策提言
    ・各都道府県協会等が行う政策提言を協働する。
    差別・偏見に対する福祉教育・啓発 市民に信頼される精神医療・地域包括ケアの在り方について検討及び発信 多様な社会参加の機会創設 世代を横断するすべての人々のメンタルヘルスへの貢献 精神医療の「差別医療」からの脱却 ・平和・幸福な社会の実現
    ・ソーシャルワーカー関係団体との連携・福祉文化の普及啓発
    レベルのまとめ ・適切な意思決定や自己選択を可能とするために必要な「かかわり」や「支援」を積極的に展開し,クライエントを取り囲む社会情勢を捉える情報収集発信
    ・適切な支援に出会い、自らの主体的な意思を表明しながら生活課題に向き合い、解決していく情報発信
    ・関係制度・施策の見直しに係る工程表を作成し理事・委員会で共有し、計画的に実効性のある提言に繋げる
    ・組織や地域に働きかけ、違いを認め合えるコミュニティの構築に向けた普及啓発
    ・精神医療と地域社会とのつながりや連動性を重視し、医療環境を取り巻く組織や地域に積極的に働きかけ、こころ通う医療の提供への貢献
    ・当事者との協働を促進し、地域社会にある分断を乗り超え、フォーマル・インフォーマルを問わない社会資源の再活用や再構築に尽力し、地域を構成する多様な人々が自由な意思で社会参加できるよう相互支援の体制について発信する
    ・メンタルヘルスリテラシー(精神疾患の認識・管理・予防を援助する知識と信念)を高めることができる教育や普及啓発の体制を整え、適切な配慮や支援を受けたり活用したり、また他者に対して提供できるような地域づくりへの発信
    ・誰もが自らの意思で安心して必要な医療を受けることができる環境を整え、提供できる体制が基本的構造となるよう多職種多団体や精神医療のユーザーとも連携し、政策的に働きかける。
    ・疾患や障害を理由にした差別や排除、権利侵害がおきない誰もが地域で当たり前に暮らし、世の中から取り残されることのないような社会づくりへの発信
    ・多領域にわたる精神保健福祉士の配置のための具体的提言
    長期目標 【10年後に達成する】
    ・自殺予防対策、子ども家庭支援、依存症対策、貧困、災害等、適切な支援に関する制度政策の拡充に向けた提言
    ・医療基本法(仮)の理念に即した各種医療関連法の改正
    ・福祉教育の導入、マイノリティ支援に関する制度政策の拡充
    ・地域格差の解消と適切な精神科医療の普及
    ・多様性を認め、多世代が交流できる地域づくりへの貢献
    ・メンタルヘルス関連についてメディアの活用から普及啓発及び社会への貢献
    ・精神保健医療福祉領域の関係団体との連携を深めメンタルヘルスに不調を抱えていても暮らしやすい社会を構築していく
    ・メンタルヘルスリテラシーについて、学校教育で取り上げられる
    ・精神保健福祉法を解体と関連法の制定への寄与
    ・ソーシャルワーク関係団体との連携や福祉文化の普及啓発
    ・精神病床を20万床以下にする
    ・精神科医療が医師・看護師等の配置基準において一般医療と同じ枠組みとなる
    ・重層的相談支援体制整備において学校区に担当精神保健福祉士の配置
    中期計画 【5年以内に取り組み成果を出す】
    ◎ エビデンスに基づいた各制度・政策等の改定・改正への要望書等の提出(理事会、委員長・リーダー)
    ◎ 関連省庁、関係団体等とのつながりの強化(理事会、事務局等)
    ◎ 自殺予防対策、子ども家庭支援、依存症対策、貧困、災害支援等に対する適切な支援につながる仕組み作り(理事会、委員会・分野別プロジェクト)

    ・立法者、関連省庁等とのつながりを作り、提言の実効性を高める
    ・優先課題を見極め、実態把握と関係省庁、関係団体との連携や課題解決に向け患者・当事者団体、弁護士会、司法書士会等関連団体との連携
    ・障害者総合支援法の改正に向けての提言
    ・診療報酬改定への要望書提出
    ◎ 非自発的入院の在り方の是正・改正に向けた調査研究(権利擁護部)
    ◎ 都道府県支部・ブロック活動における好事例の情報収集・発信、関係組織、地域への啓発の実施(理事会、ブロック会議)
    ◎ 全世代に対する福祉教育の導入(理事会等)

    ・好事例を情報発信し、関連組織、地域への啓発の実施
    ・情報社会の中で孤立する人々と地域をつなげる仕組みについての調査研究
    ・支援の狭間にいる人々を精神科医療に依存せず地域の生活者として支援するための調査研究
    ・非自発的入院の在り方の改正・是正
    ・精神科医療へのアクセスしやすさの確保への調査研究
    ・メンタルヘルス関連についてメディアリテラシーの向上に向けてのメディア関係機関との協働及び調査研究
    ◎ 精神保健福祉士のあるべき姿に向けた養成カリキュラムに関する調査研究(特別委員会)
    ◎ 精神科医療における人員配置基準を一般医療に近づける提言(理事会、権利擁護部)
    ◎精神障害者の社会的復権の実現に向けた精神保健福祉法改正への提言(理事会、委員会)

    ・メンタルヘルスに関する教育、普及啓発の体制に関する啓発・提言
    ・精神科を「特別な医療」の枠から一般医療へ近づける提言
    ・多文化共生ソーシャルワークの知見の深化をすすめ、共生社会の在り方の提言へつなげていく
    ・研究者と協力し、精神保健福祉士のあるべき姿に関する調査研究から提言につなていく
    ・重層的支援体制整備事業への参画及び提言

精神保健医療福祉ビジョン策定委員会 報告書(2022年7月) (会員ページ掲載)

本報告書は、精神保健医療福祉ビジョン策定委員会について、2021年11月の設置 から2022年6月までの活動内容等を取りまとめたものです。


△トップページへもどる