お知らせ

<2011/03/21>

機関誌「精神保健福祉」通巻第85号を手にされた皆様へ

 

  このたびの東北地方太平洋沖地震に被災された方々に、心よりお見舞い申しあげます。

 このような時期に「新たな災害支援に向けて」と題した機関誌を皆様のお手元にお届けすることとなりましたので、ひとこと申し添える必要があると判断いたしました。

 今回の企画は、昨年8月に開催された編集委員会において特集として取り上げることを決定し、特集担当委員を中心に企画を練り、発行に至ったものです。阪神淡路大震災から16年が経過し、被災直後の支援という観点からだけでなく、長期的あるいは広域的な視野で災害をとらえた場合の取り組みのあり方について、考える一助になればという意図でした。丁度、日本精神保健福祉士協会がとりまとめた「災害支援ガイドライン」をもとに、全国で研修会が開催される折りでもあり、全ての構成員と共にあらためて災害支援を考える機会としたいと企画を進めてきました。

 執筆いただいた方々には、災害という非日常の中で精神保健福祉士本来の役割を確認しつつ実践が行われているさまや、さらに振り返って得たものを共有できるような文章をお寄せいただきました。

 しかしながら、今号機関誌発行の直前に今般の災害に遭遇したことは、偶然とはいえ、全く人知の及ばぬ文字通り驚天動地の痛恨事となりました。地震とそれに連動する津波による災害については、あらゆる面において想定をはるかに超えたものであると強く感じておりますし、現段階では被災状況どころか、その影響の広がりの度合を測ることすらできません。したがって、今号の機関誌からこの甚大な災害への対応策を汲み取るには、不十分な部分があることは当然否めません。そのような中ではありますが、予め設定されておりました編集発行日程の関係で、心ならずもこの時期に発行することをやむなくされましたことを、ご報告する次第です。皆様におかれましては、ご理解をいただき、ご了承くださいますようお願い申しあげます。

 このような状況の中で、自らが被災しつつも利用者の方々の暮らしを支えるべく、日々活動されている現地の精神保健福祉士の皆様に心から敬意を表し、皆様の無事を心から祈っております。

 なお、今号に関し、皆様から多くのご意見をいただければ幸いに存じます。災害および災害支援を体験された中での実践例を寄稿いただいておりますので、ここから学ぶべきものを共有しつつ、まさに今遭遇しているこの状況を乗り越えていく力に変えていただければと願っております。また、本協会においては、3月12日より「東北地方太平洋沖地震災害対策本部」が設置され、また3月14日には「東北地方太平洋沖地震」被災地支援活動に係る募金用口座も設定されておりますので、その活動にもご協力いただきますよう、合わせてお願い申しあげます。

2011年3月19日

社団法人日本精神保健福祉士協会
機関誌編集委員会 委員長 川口 真知子

・機関誌「精神保健福祉」通巻85号(2011年3月25日発行)


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