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<2010/01/15>

2009年ニュージーランドアジア太平洋地域会議報告
〜2011年地域会議の日本開催決定!〜 

IFSW常任理事・本協会理事 木村 真理子
IFSW常任理事メンバー2008-2010/IFSW・WEBリンク)


 アジア太平洋地域会議が2009年11月11日から13日まで、ニュージーランド(NZ)最大の都市、オークランドで開催されました。この会議は、ニュージーランドソーシャルワーカー協会とニュージーランド社会福祉教育学校連盟の共催の予定でしたが開催まじかにNZ学校連盟が運営から撤退し、NZソーシャルワーカー連盟と一部の教員によって開催という異例の形になりました。

 
【写真】会場で、IFSW財源造成のために、「ジェーン・ホイ」オークションに集められた品物をディスプレイし、販売しているところです。手前が、財務担当、フィオナ・ロバートソンさん

 NZソーシャルワーカー協会会長は2009年7月、日本の社専協主催の多文化ソーシャルワークセミナーにも講師として来日されたローズ・ヘンダーソンさんです。オークランドの地元大学のマーク・ヘンドリックス教授とともに議長を務め500名の参加者がありました。テーマは、「多様な声、多様なコミュニティに社会正義を!」です。マオリ文化と英連邦文化を融合させ、多文化共存政策を取るニュージーランドらしいあたたかで友好的な雰囲気が会場にあふれていました。

 IFSWアジア太平洋地域会長ジョン・アンは、アジア太平洋地域で最近発生した災害にふれ、アジア太平洋地域の災害支援ソーシャルワークプロジェクトをつうじて地域組織の強化をはかってゆく必要性を強調しました。

 APASWE(アジア太平洋社会福祉教育協会)のキム前会長の挨拶ののち、日本女子大学教授秋元樹氏が新会長に選ばれたことも報告されました。

 主題講演者でマオリに属す著名なニュージーランド精神科医デュリ氏は現代社会におけるソーシャルワークの挑戦課題について、多文化共存を図ろうとするニュージーランドにおいても、現代社会と急速は社会変化のなかでマオリの人々のメンタルヘルスソーシャルワークは深刻で困難な課題であると語り、ソーシャルワーク貢献の重要性にふれました。

 
【写真】会議の最後に、アジア太平洋地域理事として、木村氏が会議主催者側と参加者に謝意を述べているところ

 
【写真】展示会場で、2010年香港会議主催者側と、IFSW災害プロジェクトフォーラム企画エントリーの打ち合わせをしているところ(右:木村氏)

 主題の柱のもうひとつは「災害とソーシャルワーク」で、IFSWのニューヨーク国連報告者でもあるマイケル・クローニン氏(アメリカ)が、赤十字での長年にわたるボランティアを通じて培った災害対応モデルのソーシャルワークへの応用、各自の実践の場に応用してモデル開発を行う方法について語りました。

 オーストラリアソーシャルワーカー協会会長ボブ・ロニー教授は、ソーシャルインクルージョンとソーシャルエクスクルージョン(社会的抱摂、社会的排除)の概念を用いてソーシャルワークの在り方を提言しました。

 また、2010世界会議開催の香港が盛大な広報活動を行うとともに、IFSW会長ジョーンズ氏とIASSW会長ユエン氏(香港)による世界動向を意識したソーシャルワークモデルのトークセッションが行われました。グローバルソーシャルワーク、国境を越えて働くボーダーレスソーシャルワークなどが今後注目されてゆくと思われます(2010香港世界会議開催案内(英文(swsd2010へリンク)日本語))。

 IFSWアジア太平洋地域会議は2日目の午後開催されました。地域会議では、ジョン・アン会長が文化的多様性をもち、財源も限られたアジア太平洋地域での課題を「プロジェクトによる連帯」と位置づけました。インドシナ津波(FASTプロジェクト)、災害対応を主題としたマレーシア地域会議に続き、日本組織がIFSW地域プロジェクトとして災害対応ソーシャルワークセミナーの実施を提案し地域会議の合意を得ました。日本は香港会議でのセミナー開催に向けて準備中です。

 会議中、日本の社会福祉教育学校連盟の大橋会長から社専協の4団体の会長に呼び掛けがあり日本からの参加組織が集まりました。協議事項は2011年アジア太平洋地域会議の日本への招致です。日本の社専協4団体会長らの合意のもと、日本での地域会議開催の意向はIFSWアジア太平洋地域会議事務局に送られ、12月30日、IFSWアジア太平洋地域小委員会から2011年地域会議の日本開催通知が届きました。


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