第20回認定スーパーバイザー養成研修等(2024年度)
2024年8月2日(金)から4日(日)の期間に、リファレンス西新宿大京ビル貸会議室(東京都)にて、「第20回認定スーパーバイザー養成研修・基礎編」「第22回認定スーパーバイザー更新研修」を開催しました。ここでは、受講者及び修了者から各研修の報告を掲載します。
基礎編(第20回)
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開講式 | 演習の様子 | 全体会 |
スーパーバイザーを目指すということ
一般社団法人わたげ(岡山県)/経験年数16年 外山 薫
2024年8月2日〜4日に開催された第20回認定スーパーバイザー養成研修・基礎編に参加させていただきました。
2024年6月に約15年勤めた精神科病院を退職し、医療機関を卒業した私は、ある種の拠り所のなさを感じ、ソーシャルワーカーとしてのアイデンティティをどう捉えたらよいのか、まさに文字通り暗中模索していました。退職を意識し始めた頃から、これまでの自分の実践を振り返り、今後の自分の在り方を考える機会があった方が良いと感じ、認定スーパーバイザー養成研修にエントリーすることにしました。
しかしながら、そもそも今までスーパービジョンを受けて来ず、どちらかというと避けてきた私にとって、エントリーそのものも高いハードルであったことをここに告白します。県内の認定スーパーバイザーに後押しされ、実際に2023年に1年間のスーパービジョンを受け、エントリーに至るのですが、この経験がなければ、スーパービジョンの必要性やその価値に気づくことがなかったかもしれません。
兎に角、無事に基礎編受講に至ったわけですが、講義内容の「ソーシャルワーカー論」や「ソーシャルワーク業務論」など講義内容は過去に養成課程や協会研修等で学び、後進育成でも自分が口にしてきたことではありましたが、スーパーバイザーに必要な知識として、所属も立場も変化した立場で学ぶと、また新鮮な想いでその言葉たちが身体に沁みていく感覚がありました。
そして、漫然ととは言わずとも、経験を積み重ねるにつれて、ある種の慣れのなかで実践できるようになってしまっていたクライエントとの関わりについても見直す機会となり、私はソーシャルワーカーだったのだ、これまでの実践は曲がりなりにも間違ってはいなかったのではないか、これからやろうとしている法人の活動もやはりしっかり実現したいと感じられた時間となりました。
同時に、自分が今回の3日間をとおして、学び、感じ、気づいたことが、スーパーバイザーとなった際に、本当にスーパーバイジーにも起きうるだろうかと不安になりました。「支持的スーパービジョンの態度」で「スーパービジョンはあくまでもスーパーバイジーのものである」と理解し、「スーパーバイザーとスーパーバイジーの相互関係においてスーパービジョンが展開される」とは言い聞かせつつも、こんな私なんかにスーパーバイザーができるのだろうかと、これから始まるスーパービジョン実践の道のりは果てしなく遠いものに感じられました。
全国各地から15名の同期生に恵まれ、ここからの道のりをともに歩み、転んだり、躓いたりしながらも、ともに励ましあい、支え合うことができる仲間と出会えたことが、今回の研修の一番の収穫と強く感じられているのが救いです。
最後になりましたが、本研修の講師ならびに認定スーパーバイザー養成委員や事務局の皆様、受講生の皆様、本当にありがとうございました。
第22回認定スーパーバイザ―更新研修
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講義 | 全体会 | 閉講式 |
原点回帰となった認定スーパーバイザー更新研修
トランスコスモス株式会社(東京都)/経験年数19年 田村 真弓
2024年8月3日(土)、北は岩手県・南は愛媛県から集まった11名の受講生とともに認定スーパーバイザーの更新研修を受講いたしました。
初めての更新研修を無事に終えられるか緊張していましたが、演習形式での実践報告や講評及び講義を通して、肩肘を張って気負っていた自分の気持ちが少しずつ楽になっていきました。というのも、更新研修を受ける前は、『認定スーパーバイザーはこうあるべき』(例えば、いつでも模範となるようなソーシャルワーク実践を展開していく必要がある)というようなイメージを強く 持っており、心のどこかで「こんなことを思うなんて、全然ダメだなぁ…」と自己否定を繰り返してしまう自分がいました。
しかしながら、経験豊富な受講生の実践報告を拝聴する中でスーパービジョン実践に迷い、悩み続けながらも、時には日々点検し原点回帰をしていくことが必要だと改めて感じました。特に、実践報告では「スーパーバイジーはスーパーバイザーを鏡として自らのソーシャルワーク実践を問い直す」という言葉がある受講生から投げかけられましたが、今回はスーパーバイザー相互の実践報告を通じて、ある種一つひとつの実践が鏡となって振り返ることができた更新研修でした。
講師の池谷先生による『認定スーパーバイザーの役割と期待』と題する講義の中で私が特に印象的だったことは、「支持的スーパービジョンの態度」の内容です。一貫して承認的な態度・支持的な態度というのは、「受容することであり、褒めることと区別が必要」、さらに感覚的に褒めるのではなく、スーパービジョンの中での言葉の意味をしっかりとスーパーバイジーに伝えていくことが求められます。まさしく、誰のための、何のためのスーパービジョンなのかを、より深く考えさせられました。
そして自らの課題に対しては、最後の全体会で各グループからの発表や、受講生の皆様からの工夫や多様な実践活動が大変、参考になりました。今後は、今回学んだことをスーパービジョン実践の中で生かしていきたいと思っています。
最後に、本研修の講師の池谷先生、認定スーパーバイザー養成委員や事務局の皆様、受講生の皆様、大変お世話になりました。ありがとうございました。
(2024年9月5日掲載)
※ご報告いただいた方のご所属名と経験年数は、研修受講時の情報で掲載しています。