第15回認定スーパーバイザー養成研修等(2019年度)

2019年8月3日(土)から5日(月)の期間に、大橋会館(東京都渋谷区)にて、「第15回認定スーパーバイザー養成研修・基礎編」「第13回認定スーパーバイザー更新研修」を開催しました。ここでは、受講者及び修了者から各研修の報告を掲載します。

基礎編(第15回)

       
自己紹介 講義 閉講式

 「迷い」「悩み」を力に変えるスーパービジョン

愛知県精神医療センター(愛知県)/経験年数22年 櫻井 早苗

 第15回認定SVR養成研修を、全国各地から集まった仲間とともに、3日間、受講いたしました。

 日頃から、精神保健福祉士としての実践において、悩み、迷い、揺れることあり、さらに経験を積むごとに、指導者として求められることが多くなりました。果たして自分の“もやもや”はどこで整理していけばよいのだろうか・・・その“もやもや”は、自分の中で意識しなければ、時折、ちらつくけれども、忙しさにかこつけて、見ないようにしていることも薄々感じていました。しかし、このままではいけない!という自分を奮い立たせ、ついに、この夏、養成講座を受講する決心をいたしました。研修を終え、今までより、少しものの見方が整理され、肩に力を入れずに実践できている自分を実感しています(まだまだこれからですが・・・)。

 SVR研修は、どっと疲れましたが、実に刺激的なものでした。講義では、スーパービジョンについての理解を深め、現在までの振り返りと、これからの実践の在り方、アイデンティティについて深く考える機会を頂きました。受講後のリフレクションでは、感じたことを文字に起こすことを繰り返し、それを、各グループで述べあい、同じ精神保健福祉士でも、受け止め方や感じ方、表現の仕方が異なることを体感しました。グループ演習では、非常に贅沢な時間と空間を用意していただき、受講者と同じ数ほどの講師陣と一緒に、受講生たちの“もやもや”を丁寧に見つめ、我々が言語化していく作業を促してくださいました。

 受講後、下記のメッセージが印象に残っています。
・我々の支援ツールは「かかわり」であり、ソーシャルワーカー自身である
・我々は、精神障害を持つ人々と「ともに歩む」という姿勢を堅持してきた専門職である
・現場の多様性を踏まえつつも、変えてはならない精神保健福祉士の価値を確認しあうことが必要である

 研修を通して、“もやもや”を自覚しつつも、対話を通して、お互いが成長をすることを確認でき、自分自身がたくさんの人に支えられてきたことを実感し、新たなパワーをもらえました。

 3日間の研修を、最後まで丁寧に寄り添ってくださった講師の方々、事務局の依田様、ともに過ごした受講生に心から感謝を申し上げます。研修を終え、“感無量”と言いたいところですが、これからは実践編に入っていきます。自分のペースで、しっかりと学んでいきたいと思っています。これからもどうぞ、よろしくお願いいたします。

認定スーパーバイザ―更新研修(第13回)

       
全体会 演習 閉講式

 研修を通じて自身の課題を考える

井之頭病院 地域連携室(東京都)/経験年数29年 松本 直樹

 去る8月3日土曜日、第13回認定スーパーバイザー更新研修に参加してきました。自身3度目の更新研修です。更新期限を迎えていたので、無事に研修を終えられてホッとしています。

 今回の研修は、まず、各参加者からの実践報告からはじまりました。自らの実践とともに地区でどのような取り組みをしているのか報告するのは気恥ずかしいものですが、普段は忙しさにかまけて立ち止まって振り返ることが少ない私にとって、レポートを作成し、参加された皆さんに報告させていただくことは、自身のスーパービジョンの取り組みを点検するよい機会になりました。また、参加された皆さんの実践に触れる機会をいただき、大いに刺激を受けました。

 続いて、石川到覚先生による講評と「今、スーパーバイザーになるということ 〜専門性・危機/継承」と題した講義を拝聴しました。講義は盛り沢山でしたが、中でもコミュニティ・スーパービジョンに関する先生の提案に興味を惹かれました。紙幅の都合で詳しく述べられませんが、それは、私がスーパーバイザーとして、ソーシャルワーカーのキャリア形成や地区協会の事業にかかわる上で、一定の方向を示して下さるものでしたが、同時に私自身が考え、当に実践していかなければならない課題であると考えています。

 昼食を挟んだ演習では、参加者の実践を中心にスーパービジョンの在り方についてさらに掘り下げていきました。その中で皆さんから具体的な実践や創意工夫されたことなどを沢山伺うことができたのは収穫でした。

 「早速学んだことを現場で役立てていきます!」と言いたいところですが、学んだことを実践に移すには課題もあります。それでも、自身の業務や身近な実践の中で学んだことを生かし、展開していけるように努めていきたいと思います(できれば何らかの形で成果を出したいものです)。この度は、研修の企画、実施にかかわられた講師の先生方、委員や事務局の方々、そして参加者の皆様に大変お世話になりました。ありがとうございました。


※ご報告いただいた方のご所属名と経験年数は、研修受講時の情報で掲載しています。