課題別研修/メンタルヘルスソーシャルワーク研修2025〜知識や技術を高めよう〜
2025年11月29日、ビジョンセンター田町(東京都)を会場に標記研修を開催しました。ここでは、修了者からの報告記事を掲載します。
テーマ1 未来のソーシャルアクションをデザインする!〜共生社会の一歩は現場の声から〜
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| 実践報告 | 演習3 | 代表者による修了証書授与 |
ソーシャルアクションへのはじめの一歩
東洋大学 福祉社会デザイン学部 社会福祉学科2年(東京都)/上田のぞみ
今回、学生会員でも参加が可能ということで、この研修に参加させていただきました。きっと充実した一日になるだろうとは思いつつも、グループワークもあるとのことだったので、学生である私が話についていけるのだろうかと当日の朝まで不安でした。加えて、テーマである「ソーシャルアクション」については、私にはあまり関係のない“遠いもの”という認識でした。ところが、研修の後半では「面白い」「楽しい」という感情が沸き起こり、この研修に参加して本当に良かったと何度も思いました。この研修を通して、学生の私でもソーシャルアクションを起こすことができるのだと強く思うようになりました。グループワークでは「現場で感じている課題」を書く時間があり、アルバイト先や大学などで私が感じていることを初めて言葉にして共有しました。実践報告のなかに「スティグマ解消への挑戦」というものがあり、私が行いたいアクションはこれだと思ったのです。私は大学で、福祉を専門に学ぶ学生でも精神障がいおよび知的障がいに対してのマイナスなイメージが消えない人がいる、ということが心にひっかかっていました。しかしこうして心のひっかかりを出したはいいものの、実際にアクションを起こすことにはハードルの高さを感じました。どう働きかけるか悩んでいたところでそれをグループの皆さんに話すと、共感してくださったり講師の方がアドバイスしてくださったりしました。この数回あったグループワークですが、普段話題にならないような福祉に関する話も、現場で何年も経験を積まれている方々とグループになっているからこそ、共有して話し合うことができました。大学で授業を受けているだけではこのような機会はあまりありません。現場で働く方々と濃厚な時間を過ごせたことが、この研修会に参加できて良かった理由のひとつです。
また、この研修ではソーシャルアクションの重要なポイントについて学ぶことができました。ソーシャルアクションは仲間作りが大切で、そのはじめの一歩が肝心です。自分の考えに賛同してくれる人は必ずどこかにいるから、その人を捕まえてどんどんその輪を広げていくのが良い。そう学び、まずは自分の感じていること、考えていること、したいことを口に出そうと思いました。覚えた違和感は心に留め、それを誰かに語り、風という社会の流れに上手く乗る。これが私が今回覚えたソーシャルアクションでのポイントです。違和感がソーシャルアクションの動機になるという話がありましたが、この話に激しく同意したためとても印象に残っています。違和感は次第に大きくなりアクションを起こすための大きなエネルギーになる。私は、違和感を無視せずきちんと向き合うことの重要性を考えることができました。私のように研修に参加するのは不安だと感じる学生の方が多いかもしれません。しかし学生の今だからこそ、参加する意味があると思いました。参加すればきっと、充実感でいっぱいになります。今後も、学生のうちにほかの研修にも参加したいと思っています。そして最後に、この研修の運営に携わった方々、グループで一緒に話し合ってくださった方々、本当にありがとうございました。
テーマ2 選択を「支える」のか「奪う」のか。「自分らしく生きる」を支える実践とは
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| シンポジウム | 演習3 | 全体共有(各班発表) |
自己決定の尊重についての研修会に参加して
一般社団法人安田博愛会安田病院(宮城県)/経験年数11年 小島 彩
私が今の職場である宮城県の単科の精神科に勤めたのは2014年精神保健福祉法改正の年でした。入職した頃には患者さんと過ごす時間がたくさんあったように感じていましたが、ここ数年、年々増えた事務作業に追われ、そのことで患者さんの声に耳を傾けられなくなってきた自身の仕事の仕方に鬱屈感を感じる日々を過ごしていました。ありがたいことに昨年から仕事で様々な役割を与えてもらえる機会に恵まれ、そのおかげで素敵な先輩方と出会い、自身の業務の振り返りや専門性などについて考えるようなきっかけをいただき、ふと自分の足元を見つめた時、あの時の支援は本当にクライエントのための支援だったのだろうか、悩んだ時こそ研修だと思いたった私は、協会で研修がないか早速調べて、申し込み、研修当日を心待ちにしていました。
研修では素晴らしい講師の方々はもちろんのこと、同じグループでは様々な場で活躍する方たちに出会うことができました。1日を通して、クライエントが自身の人生を主体的に選び取ることが出来るような関わりをしているのだろうか、失敗の可能性も含めて見守れていたのだろうかと自問自答を繰り返しました。グループワークでは、1人では得られない気づきや自らのかかわりを客観的に見つめ直すこともでき、他の受講者の皆様の言葉に温度を感じられ、対面研修の良さも実感いたしました。多忙さを理由にかかわりの本質を見失っていた私にとって、大切にしなければならない視点を再確認することができました。いつ芽が出るかはわからないけれど『小さな種を蒔く』ところからまた始めようと思います。クライエントの揺らぐ心に寄り添いながら、迷い、悩み、孤独を感じ、モヤモヤした時には研修に行き、また仲間たちと語り合いたいと思います。ちょっとだけバージョンアップしたはずの自分で患者さんの前に早く立ちたいと思える研修会でした。
このような学び多い研修を開催していただき、研修を企画して下さった講師の皆様、事務局の皆様、ありがとうございました。
テーマ3 実習指導者フォローアップ研修〜みのりある実習指導を目指して〜
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| シンポジウム | 演習 | 代表者による修了証書授与 |
実習指導者フォローアップ研修をどう活かすか
医療法人 喜志会(群馬県) / 経験年数 21年 福永 晋太郎
この度は、実習指導者フォローアップ研修〜みのりある実習指導を目指して〜に参加させていただき、ありがとうございました。研修では、実習の計画(実習プログラム等)や指導の方法、評価基準について多角的に学ぶことができました。
まず、研修の内容についてですが、実習指導の現場で直面する課題や、その解決策に関する具体的なケースをグループワーク等で共有されたことで、実践的で役立てられるものを得ることができました。
前段での講義において、「実習指導は組織・地域社会への貢献」という言葉が印象に残っております。日々の業務で多忙の中、実習生への指導や振り返りを行い、自縄自縛感を拭いきれませんでしたが、「実習指導を行っているこの時間が、未来のソーシャルワークにつながっている」と改めて実感する良い機会となりました。
後半の演習では、@・Aと段階的に内容が変わっていくことで、実習指導の全体の流れの中でのポイントを意識することができ、更に、異なる立場や経験を持つ方々からの意見を聞くことで、自身の指導方法を振り返る良い機会となりました。
演習の中で、悩みや不安等の共有の時間があり、同じ悩みを持ちながらも実習指導に向き合っている他の参加者からお話しを聞くことで、新たな試みのヒントも得られ、更なる自身のスキルアップが必要であると実感しました。この研修を受けて、より一層、学生との信頼関係を築くための努力をする決意を固めました。
また、実習指導者同士の交流の機会も非常に有意義と感じました。他の指導者の方々との交流を通じて、資源や情報の共有ができ、孤立感を抱えやすいといわれる実習指導者の支援にも力を入れる必要があると実感しました。県協会での活動の中で、現任の実習指導者へのフォローアップに全く手が届いておらず、「何かできないか」と模索しておりましたが、本研修に参加することで「このような機会があるだけでも違うのではないか」という思いに至りました。本研修を参考に、県内での研修会企画を再度、検討していきたいと考えております。
最後に、今回の研修を通じて得た経験や知識を、実際の指導に活かし、実習生にとってより良い学びの場を提供するために尽力していきたいと考えております。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
※ご報告いただいた方のご所属名と経験年数は、研修受講時の情報で掲載しています。








