第61回基幹研修3

2025年8月31日(日)、オンラインにより標記研修を開催しました。ここでは、修了者からの報告記事を掲載します。


 対話を通じて見えてきたものとつながった自信

就労継続支援B型事業所スキップ(埼玉県)/ 経験年数6年 橘高成美

 今回、基幹研修3に参加したきっかけは、日々の業務や対応に追われ自分自身の実践について考えを深める時間がうまく取れていないと感じ、いま一度立ち止まって振り返り、他の方々のお話も聞いてみたいと思い、受講しました。実際に参加してみて、普段はあまり言語化しない悩みや価値観を口にすることで、仲間と共感し合い、支援の本質について深く考える貴重な機会となりました。また、私が提出した事例を選んでいただいたのですが、事例について質問を受けている時、最初は「これだと事例検討のようになってしまわないだろうか」と不安に感じていましたが、様々な視点からの質問や価値観の共有を通じて、多様な気づきを得るきっかけとなっていることに気がつきました。

 特に印象に残っているのは、ニーズの本質、つまり表面下にある真のニーズを捉えることの重要性です。支援者として「こうしてほしい」「こうした方が良い」という理想に引っ張られることも少なくありません。しかし、当たり前ではありますが、本人が本当に望んでいることを確認し続ける姿勢が何よりも大切だと、グループでの話し合いを通して皆さんと同じ温度感で再確認し合いました。また、うまくいかなかった結果になったとしても「また一緒に考えよう」という姿勢が伝わるような関係性を築くことで自己決定の促しにつながるという気づきも共有され、強く印象に残りました。

 さらに、言語化することで自分の考えを俯瞰しやすくなり、他の方の意見を素直に受け止めることができました。私は自信を持つことがなかなかできないタイプなのですが、グループの皆さんから「Aさんへの理解が深い」「これまで真摯に話を聞き、向き合い、寄り添ってきたのですね」といった言葉をいただいたことで、自分の支援に対する姿勢を認めてもらえたように感じ、自信へとつながって、とてもあたたかい気持ちになりました。同じグループの皆さん、ありがとうございました。

 今回の研修で得た学びや気づき、特に、本人の思いに寄り添う姿勢をこれまで以上に大切にしながら、日々の支援の質を高めていけるよう精進していきたいと思います。また、私はグループワークでの進行や発表などに苦手意識があり、そうした場面を避けようとしてしまう傾向がありますが、今回のように立ち止まって振り返る時間を持つことの大切さを実感したので、今後は自己研鑽の一環として、学びの場にも前向きに参加していきたいと思いました。


※ご報告いただいた方のご所属名と経験年数は、研修受講時の情報で掲載しています。