第58回基幹研修3

2024年9月1日(日)、オンラインにより標記研修を開催しました。ここでは、修了者からの報告記事を掲載します。

第58回基幹研修3

 さまざまな視点をもつことを忘れず、自分の業務を点検することの大切さ

特定非営利活動法人 草のネット(愛知県)/経験年数11年 吉村 里佳

 私は9月1日、基幹研修3に参加いたしました。この日は台風が来ている真っ只中でしたが、Zoom開催のため愛知県の自宅から参加ができました。私は10年近く就労系の事業所で精神保健福祉士(以下:PSW)として勤務しておりましたが、子育てで一度業務を離れたため、改めてPSWについて振り返りたかったことと、自分のスキルアップのために受講をさせていただきました。

 グループワークの時間がほとんどだった本研修では、自身の業務を振り返ることは勿論、抱えている思いを言語化し、ピア(PSWの仲間同士)で意見交換するスキルが必要となりました。普段、忙しい日々を送っていると言語化する間もなく過ぎていき、また新しい出来事から悩みが出てきます。本研修では、初めは緊張から発言のしにくさもありましたが、ピアスーパービジョンを行っていく中で、皆さんの意見を聞くと…どんどん聞きたいこと、伝えたいことが出てきました。

 私はこの研修でたくさんの学びがありましたが、特にソーシャルな視点をもつ必要性について考える機会となりました。それは事例検討で触法行為をされたクライエント(以下:CL )について、地域住民や企業への説明責任はどうするのかついて話し合ったことから、考えるキッカケとなりました。私はCLのサポートをする立場から、CLの立場に立つ視点は大切にしていても、CLが取り巻く環境(地域住民・よく利用するお店など)について考える視点を忘れがちになっていました。CLが触法行為に至る理由について理解する視点を大切にすることは勿論ですが、私自身がもし地域住民の方の立場だったら、「隣に住む人が触法行為をしていたらビックリするし、怖い」ということでした。PSWはさまざまな視点をもつことが大切で、その視点を忘れないでいること、地域でCLやPSWにとってのサポーターが増えていく必要があり、日頃から地域と交流をもつことが大切だと感じました。

 またグループ内の事例検討を全体で発表する場があり、他発表者の方から「日々の業務の失敗を、安心して話せることがピアの強み」という言葉をお聞きしました。日々CLの支援のために奮闘している毎日ですが、本研修のように安心した場で自分の実践を話すことは貴重な機会でした。さまざまな分野のPSWの皆さんのお話を聞きながら、皆が目指すところは「CLの幸福の追求」という他発表者の方の言葉に深く頷きながら、「明日の業務も私なりにできることを頑張ろう」と思えた研修でした。ありがとうございました。


※ご報告いただいた方のご所属名と経験年数は、研修受講時の情報で掲載しています。