「第11回基幹研修(・)」と「第4回更新研修」を山崎製パン企業年金基金会館(千葉県市川市)にて開催しました(開催案内)。日程は、基幹研修が2011年9月3日(土)、基幹研修および更新研修が2011年9月3日(土)、4日(日)でした。ここでは、それぞれの修了者から報告記事を掲載します。
<更新研修> | ||
西澤講師の講義1 | 全体会の様子 | 代表者による修了証書授与 |
障害福祉サービス事業所こころの風元気村(千葉県)/経験年数13年 木津 英昭
仕事をはじめた頃、「精神保健福祉士の専門性って何?」と聞かれて、うまく答えられませんでした。「自分ではわかってんだけど、まだ誤解されないようにきちんと伝えられない」みたいことをごにょごにょ言って、しどろもどろだった記憶があります。誰かに伝えきれないようなことは、自分自身が本当には理解しきれていないことだということは、わかっていたので、とても恥ずかしい想い出のひとつです。
更新研修のプログラムは、講義から演習までこの「専門性」がてんこもりです。個人的な苦い想い出「精神保健福祉士の専門性」のゴールへのヒントがあるかもしれないと思ってこの更新研修に申し込みました。
会場が千葉だったので、当日は研修生兼、受付係をやることになりました(千葉県のPSWたちは、使える資源(もの)も使いづらい資源(もの)も、上手に使いこなします)。受付準備などで、早めに来ないといけないので面倒だという気持ちも正直ありました。だけど、更新研修ともなれば経験豊富であろう知らない先輩方々が多数参加するだろうし、そんな会場で、ひとりで緊張して開講を待つよりはいいかなあと、快諾(?)しました。受付をしていて、いつもの研修の受付と何か感じが違いました。更新研修だし、ここに来る人たちは、できる経験者たちという先入観は多少あったかもしれませんが、明らかに何かが違いました。どこが違うかというと考えてみると、受講票やら事前提出課題やら会員カードやらの提出物をカバンから取り出す立ち振る舞いがなんだかスマートなんです。そして、なにより挨拶、笑顔がいい。これが海千山千PSWの力量かと勝手に受付で感心していました。
いざ研修がスタートすると、西澤先生による「専門性」の講義、伊東先生による「制度・政策論」について、そして我らが千葉県PSW協会の山崎会長の「実践論」と濃い時間が続きました。そしてクライマックスはやはり、2日目の演習。「専門性」「ソーシャルな視点」「各自持ちよった事例」についてグループで話し合いました。4時間以上の時間をかけて話し合いました。普通に考えて熱いです。自分の仕事の専門性について4時間以上話し合える人たちは、すごく熱い人たちだと思いました。
今、一か月経って振り返っても、やっぱり濃密な時間だったと思います。組織とか、立場とかで、どうしても精神保健福祉士の価値だけで仕事を実践しにくいと感じることがあります。専門性をテーマに話し合うときも、後輩に伝える、新人に教えるというように、第三者的な立ち位置での向き合い方が多くなります。心が折れそうになったとき、楽な方に流れそうになったとき、自分自身にとっての専門性の問題について主体的に向き合い、横並び、ガチンコで話し合えた更新研修での緊張感を思い出そうと思います。そして、5年後「精神保健福祉士の専門性」をテーマに自分がどんなことを語ることができて、そこでどんな新しい気づきと出会えるか楽しみにしたいです。
<基幹研修> | |||
山ア講師による講義3 | 全体会 | 代表者による修了証書授与 |
社団法人光生会 平川病院 (東京都)/経験年数15年 扇谷 恵美
「クライエントを全体としてとらえろ」「感性を磨け」「うまく話そうとするな、聞く力をつけろ」
自分が先輩たちに教えられたというか、叩き込まれた言葉の数々が私の仕事の基盤になっています。
「今の若い人には古いと思われるのかな?」と、伝え方を工夫しようとしてもいい考えは浮かばず。
「日々の研鑽が大切」と頭ではわかっていても、日々、目の前のことをするのが精一杯。
そんな思いを抱えているときに、研修認定精神保健福祉士について知りました。
読み替えで基幹研修まで修了したことになり、今回、9月3日、4日の研修に参加させていただきました。
参加した感想は一言「行ってよかった」です。
講師の先生方は皆さん現場経験者ですので、実感のこもった、また、共感できる講義をしていただきました。
先生方はテキストの出来栄えを賞賛しながらも、ご自身の生のお話が中心でした。
「今の自分なら、新人の頃の自分ならどうしただろう」「自分がクライエントだったら」とさまざまな角度から自分とつなげて考えることができました
こんなにすんなり想像力を働かせることができたのは久しぶりでした。
2日目のグループワークは、さまざまな勤務先、勤務地、年代の方で構成され、どのグループも活発な話し合いになりました。
私が参加したグループは全員活動の場所が違うメンバーでした。
精神保健福祉士の活動の場所が増えたことに嬉しさと驚きを感じました。
各グループのまとめを聞いて、活動の場所(枝葉)は増えても、PSWが大切にしていくもの(根っこ)は今も昔もかわりがないことを確認できた2日間でした。
師の先生、研修を担当してくださった協会の皆様、ご自身もの研修を受けながら運営に関わった方もいらした中、ありがとうございました。
<基幹研修> | ||||
開講式 | 岩尾講師による講義1 | 演習の様子 | 代表者による修了証書授与 |
医療法人積仁会 岡部病院 共同生活介護事業所ながさか ヒルズ長坂(石川県)/経験年数3年 西本美由紀
2011年9月3日、千葉県で開催された第11回基幹研修に参加させて頂きました。研修が始まるまでは、基幹研修を終了し、3年以内に基幹研修を受講する必要があると聞き、“とりあえず受けておかなければ・・・”という気持ちで研修に臨みました。しかし、いざ講義が始まると、すぐに先生方の話に夢中になっていました。先生方の体験を交えながらの講義は、自分の体験とすり合わせを行うことができ、大変分かりやすいものでした。
<精神保健福祉士の専門性>の講義では、自己覚知の大切さ、感性を磨くこと、記録の重要性等を学びました。
自分自身、普段、日常業務に追われ、ついつい記録が疎かになりがちでしたが、気付きを深めるためにも、支援の振り返りを行うためにも、記録の大切さを肝に銘じて作成していきたいと思います。
<精神保健福祉制度・政策論>では、政策の動向を把握することが大切であると学びました。
法制度について苦手意識が強いのですが、精神保健福祉士としての専門性を高めるため、常に政策の動向を意識し、取り入れるよう心がけて行こうと思います。
<精神保健福祉士の実践論>では、悩むことは悪いことではなく「力」であること、自分の意見や行動に対し“なぜ”と問いかけることが大切であること、相手の表出している意見だけでなく、全てに“なぜ”と問いかけることが大切であると学びました。
普段、自分の支援に全く自信が持てず、いつもこれで良かったのかと自分自身に問いかけることが多かったため、悩むことは悪いことではないと聞き、少し安心することができました。これからも利用者様と一緒に悩むことのできる精神保健福祉士を目指していきたいと思います。
<演習>では、“精神保健福祉士の専門性とは?”について話し合いを行いました。
参加された皆様の普段の頑張られているお仕事ぶりや、本日の講義に対する感想、専門性についてのお話を聴くことができ、大変勉強になったと同時に、パワーも頂きました。
常日頃より、利用者様の思い、自分の思いを他職種の方にきちんと伝えることができるようになりたいと思っています。利用者様の権利を守るためにも、相手に思っていることを上手く伝えることができるよう、さまざまな研修に参加し、さまざまな方と話す機会を持ち、練習していけたらいいなと思っています。また、自分の支援に自信がない分、批判されるととても落ち込んでしまいがちですが、自分の専門性を高めるため、自分の支援の振り返りをするためと思い、しっかりと受け止めなければいけないと思いました。
大変実りのある研修に参加できたことを嬉しく思います。本当にありがとうございました。