第40回基幹研修V・第48回更新研修
2019年6月1日、2日の間で、熊本県医師会館(熊本県)を会場に標記研修を開催しました。ここでは、修了者からの報告記事を掲載します。
第40回基幹研修V
専門性V | 演習の様子 | 代表者による証書授与 |
仲間と出会い、実践を振り返り、足場を固める
八女地区障害者基幹相談支援センターリーベル/経験年数17年 井手口 大剛
私は「根拠のあるソーシャルワークを実践するために」という動機づけをもって今回の基幹研修Vに臨みました。特に自立支援協議会体制にひきこもりに関する相談支援の強化を狙いとした課題解決型部会を設置するという新しい地域の取り組みに参画しており、経験したことのない「ないものをつくる」活動への不安を解消し、資源開発の実現に向けたヒントを得ることを目標に掲げて参加しました。
講師から伝えられた「正しいことは誰でも言える。どのような道筋があれば実現できるのか、その工程を示すことが専門職の役割である。」という言葉から精神保健福祉士としての責務を認識し、「葛藤がない実践はない。その葛藤にどう向き合っていくかが大切である。」という言葉に勇気をもらいつつ、社会的責務に精神保健福祉士のネットワークを活用して応えていくことの重要性について深く理解することができました。
グループワークでは、ファシリテーターは配置されず運営は各グループに任されました。「精神保健福祉士に必要な“ソーシャルな視点”とは?」というテーマに難しさを感じましたが、そこは経験ある精神保健福祉士同士です。自然に全員が発言できるよう互いに意識し、他者の意見を尊重するあうんの呼吸で、活発かつ建設的に意見交換することができました。「型にはまらない支援」というグループ成員全員が納得できるまとめとなりました。
最後のピアスーパービジョンでは、私の課題を取り上げていただき、今後何に取り組むべきか沢山のヒントを得ることができました。私の課題に対してグループの皆が真剣に向き合い、沢山の意見やアイデアを出してしてくれたことに感動し、「仲間」であることを強く認識することができました。資源開発の結果を報告したいと伝えると「聞きたい!」と笑顔で返してくれたことは忘れられません。「更新研修は事前に連絡を取り合って同じ会場で。」と冗談交じりに半分期待を込めて研修は幕を閉じました。
基幹研修Vを修了し、達成感とともに研修認定精神保健福祉士として組織内外に専門性を示すことのできる実践をしていきたいと強く決意しました。更新研修で仲間と再会し互いの実践を報告し合うことを今から楽しみにしています。会場で出会った皆様、企画運営、講師を務めていただいた皆様、貴重な機会をいただきありがとうございました。
第48回更新研修
ソーシャルワーク論 | 演習 | 代表者による証書授与 |
PSWとして磨きをかけたい
荒尾市福祉課(熊本県)/経験年数17年 Mア 太士
経験が17年あると他の人に話すと「もうベテランなので、何でも大丈夫でしょう」と言われることがあります。決してそのようなことはありません。日々悩みながら不安を抱え業務を行っている為、精神保健福祉士としての自己研鑽は必要だと感じています。私にとって、生涯研修制度は非常に有意義な制度でもあります。
感想を書く前に少し、現在の私の仕事について少し触れたいと思います。当市福祉課において、精神障害者、知的障害者の障害福祉サービスに係る調査・決定事務、ひきこもり支援、依存症者支援、精神科未受診者の相談、支援業務に従事しています。相談の多くは、家族や親せき等本人以外から寄せらます。本人が相談や支援の場に登場しないまま相談者や本人が課題解決への糸口も見出せずに経過しているケースも多くある状況です。
私の業務と今回の研修での渡辺俊一先生の講義や紹介された事例を照らし合わせた時に、まず大事にしたいキーワードとして「自己決定の尊重」を再認識しました。これは、精神保健福祉士としては基本中の基本ではありながらも、支援者が関われば関わるほど、支援者の数が多くなれば多くなるほど難しくなると思います。本人のペースで歩調を合わせて関わりを持つこと、そして本人が自己決定しやすい環境を作ることが今の私が大事にしたいことだと感じました。
グループワークでは、医療機関や就労系事業所等各地のPSWの方々と楽しく、真剣に学ぶことが出来ました。勿論、スーパービジョンや演習に際しては熱心に取り組みましたが、それ以外にも転職や求人等の本題以外の話題にも花が咲きました。以前はグループワークは苦手だと感じていましたが、今は出会いと学びのある貴重な場となっています。
これからも私は精神保健福祉士として活動をできるだけ長く続けていきたいと思っています。それには自己研鑽を図るとともに、健康に気をつけながら磨きをかけたいと思います。今回の研修に際して研修企画運営委員の方々ありがとうございました。
※ご報告いただいた方のご所属名と経験年数は、研修受講時の情報で掲載しています。