第39回基幹研修V・第47回更新研修

2018年12月8日、9日の間で、川崎医療福祉大学(岡山県)を会場に標記研修を開催しました。ここでは、修了者からの報告記事を掲載します。

第39回基幹研修V

       
実践論V 全体発表  代表者による証書授与 

学び・気づきと仲間との出会い

新阿武山病院(大阪府)/経験年数14年 中西 幹平

 2018年12月8日〜9日、岡山県倉敷市の川崎医療福祉大学で開催された基幹研修Vに参加させていただきました。
 JR中庄という小さな駅の改札を出ると、小高い丘の上に目を見張るような大きな大学病院が真昼の日差しに映えており、その向こう側に会場となっている川崎医療福祉大学がありました。やや緊張して玄関をくぐったところで、通りがかりの女性に土足禁止のことを教えていただき、またその方も研修を受けにきたのだということを知り、PSWらしい穏やかな声のかけ方に緊張がほぐれる思いがしました。

 研修は大まかに言いますと、講義形式とグループワークに分かれていました。
 講義は、精神保健福祉士の専門性や実践論、精神保健福祉制度・政策論からなり、どれも理論的な面と自らの体験を交えての内容でした。聞いていて、講師の方々が、体験を通じて得てきたものを惜しげもなく、ある意味身を削って伝えていただいているようなそんな気持ちにさせられました。私は病院に勤めていますが、地域というものが一部しか見えておらず、視点が多分に院内に向いているということを実感しました。クライアントが、地域でどのような暮らしをされているのか、またその地域とのつながりを丹念に紡いでいくこと、時には地域に変化するように働きかけていく必要があることを教えていただきました。

 夜からの懇親会では、全国から来られている受講生や、講師の方々とテーブルを囲みながら話をさせていただきました。リラックスした雰囲気で、住んでいる地域のことからプライベートなこと、真面目な業務こと、そして日頃感じている矛盾などざっくばらんに話すことができ、一日の疲れが吹き飛ぶ思いでした。

 2日目は、受講生がグループになっての演習とピアスーパービジョンがありました。最初はみんな緊張していましたが、さすがに、各機関で中堅やベテランの方々がそろっており、発する言葉に聞き入ってしまいました。私自身印象に残っているのは、就労訓練施設長の方から、PSWとして利用者さんを支援したい気持ちを持ちながら、管理者として運営を重視していかなければならないという葛藤でした。私自身も同じような立場で悩んでおり、他の方からの「直接ではなくても、利用者さんへの支援にはつながっている」という言葉に救われた気持ちになりました。

 講師の先生から、「更新までの数年間、どのように従事していくかが大切」という言葉をいただきました。まさに色んなことを突き付けられ、そして学んだ二日間でした。講師をはじめ事務局のみなさん、そして受講生のみなさん本当にありがとうございました。

第47回更新研修

       
開講式 全体会 代表者による証書授与 

精神保健福祉士としての自分を振り返る時間

医療法人達磨会 東加古川病院(兵庫県)/経験年数15年 安東 恭子

 今回、認定精神保健福祉士の更新期日がきており岡山県での研修に参加しました。本来の期日は過ぎていたのですが、育児休暇中であったため受講期間の延長承認を受けて今回の参加させていただくことができました。

 午前中の講義「ソーシャルワーク論」においては、精神保健福祉士として基本的な視点の確認と日頃の実践の振り返りを行うことができました。特にY問題においては医療機関で勤務する精神保健福祉士として、人権侵害に加担してしまう可能性について再認識し、入院相談等対応する際には本人の立場を理解し尊重する姿勢に留意しなければならないと改めて感じました。

 日頃から、これまでの経験をふまえ、専門性を意識した関わりを心掛けたいと思いながら行っている業務ですが、改めて精神保健福祉士に必要な視点、機能、技術を持ってより良い実践ができるよう努めたいと感じました。

 午後からのピアスーパービジョン、演習では、グループワークを通して同等の経験年数の精神保健福祉士と日々の実践や悩みを共有することができました。県をまたぎ、見ず知らずの精神保健福祉士であっても、所属や立場の違いを超えて、根本的に共感できるものがあり、大変有意義な時間だと感じました。また、普段顔を合わせないからこそ率直な意見交換ができることや、他県での取り組みを知ることができるのも魅力に感じました。

 また地域が違えば、普段当たり前に行っている業務がそうとは限らないことに気付かされ、視野を広げる機会にもなります。グループメンバーにも、精神保健福祉士として様々な委員や事務局を務められたり、地域活動に取り組んでおられる方々のお話を聞くことができ、様々な困難がありながらも精神保健福祉士として参画する意義や、生活者としても視野の広がる機会となりました。今後も当事者、組織、地域、社会から求められる精神保健福祉士について、考えを深めていきたいと思いました。

 久しぶりの県外出張でリフレッシュも出来、業務と日々の生活に追われている自分と少し距離を置いて精神保健福祉士としての自分を振り返ることができました。‘また帰ってきたい’、そう思える研修になりました。
 最後になりましたが、貴重な機会を与えて下さった関係者の皆様、講師の先生方、グループメンバーの皆様に感謝いたします。


※ご報告いただいた方のご所属名と経験年数は、研修受講時の情報で掲載しています。