2014年度、厚生労働省補助金事業として、全国12か所において「精神保健福祉士実習指導者講習会」を実施しています。
ここでは、2014年12月22日(月)、23日(火・祝)で開催した埼玉県会場の修了者からの報告記事を掲載します。
埼玉県会場(大宮ソニックシティ) | |||
会場の様子 | SV論を講義する長谷川講師 | 全体会の様子 | 全体会による各班発表 |
あせび会支援センター(東京都)/経験年数11年 美濃口 和之
研修を終えてまず感じたことは、“職場に戻ってやらなければいけないことがたくさんできた”ということでした。それぐらい2日間の研修は実践的で分かりやすく、次の日からでも取り組めるヒントがたくさん詰まったものでした。
講義の中で講師の方々が繰り返していたのは、“名人芸や職人技にならないこと=標準化”ということでした。今まで私自身、経験したことや諸先輩から教えられたことを感覚的に実習生に伝えていました。大切なことは、“精神保健福祉士として”その価値や専門性を、実習生が理解できるように伝えていくことだと再認識しました。また、グループワークでは、演習を通じて同じ悩みや気づきを共有できました。医療機関や地域の事業所等それぞれ職場環境は違っても、抱えている想いは同じだと正直安心しました。実習指導のことのみならず、自分自身の実践の振り返りができるよい機会になりました。
全体を通して感じたことは、これまでは、どちらかというと実習生から学ぶというよりかは、実習生を対象化して評価しがちだったということです。指導者側が批判されることを恐れていた部分もありました。実習生が当事者とのかかわりを意味あるものにするために、実習指導者がいるのだということを改めて考えさせられました。その他にも、理論化・言語化の難しさ、実習生が学びやかかわりを言語化するのを待つ姿勢、Welcomeで迎えられる雰囲気作り、丁寧な受け入れ体制づくり等、ここでは書き切れないたくさんの教えや気づきがありました。
今後、まずは職場内の実習生の受け入れ態勢を確立していきたいと思います。そのために、事業計画・年間計画をしっかり立てること、マニュアルの作成、実習後の実習生や教員へのアンケートの実施等を行っていきたいと思います。実際の受け入れに当たっては、実習生の想いをしっかりと受け止め、共に悩みつつ現場で働いている精神保健福祉士の葛藤や情熱にも触れてもらえるような、そんな実習を目標に取り組んでいきたいと思います。
最後に、思いがけぬ再会もたくさんあり、改めて精神保健福祉士として一人ひとりとの出逢いやつながりを大切にしていきたいと感じました。研修を企画してくださった委員や事務局の皆さま、講師の皆さま、そしてグループの皆さま、本当にありがとうございました。