2012年、厚生労働省補助金事業として、全国12か所において「精神保健福祉士実習指導者講習会」を実施しています。
ここでは、2月2日(土)、3日(日)で開催した東京会場、3月1日(金)、2日(土)で実施した福島会場にて、修了者からの報告記事を掲載します。
東京会場 | |||
概論を講義する行實講師 | 会場の様子 | 演習の様子 | 全体会の様子 |
南埼玉病院(埼玉県)/山村 育子
精神保健福祉士実習指導講習会(東京会場)に参加をさせて頂きました。
実習生を担当する中で、いつも私は「うまく伝わらないなぁ。どう言えば分かってもらえるんだろう。」と、もどかしさを感じていました。そして実習生からの質問や疑問に対して、「何とか答えを出してあげなければ。」とつい考えてしまいがちな自分がいました。これらは私自身の思いのほんの一部ですが、講義が進むにつれ多くの気付きと、多くの反省をさせられました。
実習生は初めての実習で、初めて当事者と関わる経験をし、初めてづくしで緊張しているはずです。それを忘れずに、実習生が安心して実習に取り組むことができるように、事前オリエンテーションや実習のしおりの作成など、可能なことから取り組んでいきたいと思いました。また実習生が何を学びたいのかだけでなく、精神保健福祉士として実習生に何を、どんなふうに学んでもらいたいのかを考え、計画及びプログラムを検討していくことが重要であると感じました。
「実習指導者は優秀でなければならない」という枠組みを外し、誰もが精神保健福祉士の責務の一つとして、後輩の育成のために行う事であるという講義の内容を忘れずに、今後も実習生と共に学んで行きたいと思います。そして、精神保健福祉士を目指して良かったと思ってもらえるような実習になるように、自分自身も成長していきたいと思います。
本当に「目から鱗」の二日間でした。講師の皆様、そして同じグループになった皆様、本当にありがとうございました。
福島会場 | |||
講義の様子 | 各論を講義する鈴木講師 | 会場の様子 | 演習の様子 |
あさかホスピタル(福島県)/経験年数5年 鈴木 和(わたる)
社会人として初めての職場である現在の部署(あさかホスピタル総合相談支援室)に配属され、6年目を迎えようとしています。今回、平成24年度精神保健福祉士実習指導者講習会に参加し、たくさんのことを学び、経験させていただき、改めて専門職としての使命を考える機会を得ることができました。
私の勤務する職場は福島県郡山市にある541床を有する民間の精神科病院です。精神保健福祉士(以下、PSW)は私を含め10名で、経験年数は1年〜7年、そのうち5名は5年未満という若い部署です。精神科救急病棟へのPSW配置など、当院でもPSWの活動や役割は広がりをみせています。
さまざまな社会背景の中で2012年4月に精神保健福祉士養成カリキュラムが改正され、現場実習が210時間に拡大し、そのうち90時間は医療機関における実習が必須となりました。つまり地域定着・退院促進の推進の下、精神障害のある方を支援するPSW養成は、理論と実践をつなぐ現場実習こそ重要であることが伺われます。
講習会に参加するまでの私は「実習生や新任職員への指導、スーパービジョンは知識や経験のある人が行うべきである」と、どこか“特別なこと”という認識を持っていました。しかし講習会で「『実習指導者は優秀でなければならない』という枠組みを外し、誰もがすることと考える」と教えていただき、改めてPSWの倫理綱領や業務指針に沿うことの重要性を学び、精神科医療機関で実習生を受け入れる事の意義を考えるようになりました。
講習会の参加者の中には20年以上の経験者もおり、PSWを育てることの難しさと意義、さらに人が人を育てること、そこにPSWという専門性を見出していくことの大切さを聴くことができました。また人との出会いや講義を通して、PSWとしての存在意義や目的を再認識する機会となりました。
今後、PSW養成の一端を担う者として、私自身も社会人として、PSWとして勉強中であることを自覚し、さまざまな「かかわり」の中で実習生と一緒に学び、知識や技術を磨いていくことの大切さを感じています。ソーシャルワーク支援技術の向上、社会貢献、社会正義の取り組みへとつながるよう積極的に実習指導に携わりたいと思います。