2011年、厚生労働省委託事業として、全国12か所において「精神保健福祉士実習指導者講習会」の実施しすべての地域で講習会を終了しました。
ここでは、3月24日(土)、25日(日)に、ヤマコーホールを会場に実施した講習会について、修了者からの報告記事を掲載します。
山形会場 | ||
講義の様子 | 総論を講義する佐藤講師 | 演習の様子 |
福島赤十字病院(福島県)/経験年数11年 菅野 直樹
東日本大震災から1年。
去る2012年3月24日〜25日の両日、小雪が舞う山形県において、精神保健福祉士実習指導者講習会に参加いたしましたので、ご報告いたします。
『新カリキュラムに移行した場合、講習会に参加しないと実習を受け入れることができないんだって…』
「実習生を受け入れる条件が講習の受講?」と違和感を覚えた数年前。きちんと公私に亘って研鑽を積んでいけば自ずからスーパービジョンの力は付いていくのではないか…と思いつつ、これからも後任育成として実習生を受けないわけにはいかない、と仙台で開催予定だった講習会に申し込んだのが2011年3月。
その同月に発生した大震災。講習会は中止を余儀なくされ、それまで、当たり前の日常、当たり前ように受けていた研修ですが、今回は、その震災1年後ということもあり、また格別な想いを持って受講させていただきました。
さて、その講習会を受講した感想です。
一言で申し上げるならば、「実習指導者講習会は、『理論と実践のかけ橋』のような存在である」と感じました。
学生時代、「理論と実践は車のタイヤのようなもの。その両輪が同じ大きさにならなければ、前に進まない。だから、働いてからこそ、理論を学びなさい!」とご教示いただいたことがあります。それを意識しながら、10年超。実践と理論をバランスよく積み上げるという姿勢でおりましたが、その理論と実践のかけ橋となるものが、まさしくこの講習会であったと思います。
講義と演習と交互に5回、総計14.5時間のプログラムが組まれた講習会で求められたのは、言語化。ソーシャルワーカーという共通基盤を持った参加者が、講義を通して実習指導の方向性を確認し、演習では己の実践の言語化を繰り返しました。特に演習では、上手く言語化できないことにモヤモヤし、他参加者の意見に共感、スッキリしたり、感銘を受けたり、とさまざまな感情体験を持ちましたが、こうした作業が、理論と実践を結ぶことであり、語弊を恐れずに言えば、研修や講習会の参加なくして、理論と実践を融合させることはできない、と思えました。
実践は理論を生み、理論は実践によって育まれる。
いま、私が臨床の現場にいられるのは、クライエントと先人たちが理論と実践を紡いできてくださったからこそ。こうして、自分自身が知らず知らず受けてきたものを、今度は、実習指導者という立場で、後任、とりわけ学生に『形』として返していく番だ、と認識を新たにすることができたことも今回の大きな収穫だと考えます。
来年度も受ける実習生。今回の学びを活かし、3者(4者)関係をより根っこに据え、やり方よりもあり方、を丁寧に意識しながら、今度の実習指導に臨んで参りたいと思います。
最後に、講習会に参加した皆様、また、こうした企画・運営に尽力されている協会の皆様に心からの感謝を申し添え、結びといたします。本当にお疲れ様でした。そして、ありがとうございました。