児童生徒のこころとからだの支援ハンドブック
― メンタルヘルス課題の理解と支援 ―

編集:公益社団法人日本精神保健福祉士協会 分野別プロジェクト「子ども・スクールソーシャルワーク」
発行:公益社団法人日本精神保健福祉士協会
2020年3月発行


はじめに

 私たち「公益社団法人日本精神保健福祉士協会 分野別プロジェクト『子ども・スクールソーシャルワーク』」(以下、プロジェクトチーム)は、先にプロジェクトチーム員の現場におけるメンタルヘルス事例の実践概要と5県におけるSSWerの対応ケースにおける困難事例のアンケート調査を実施し報告書(「子ども・スクールソーシャルワークプロジェクト報告書」:2018年3月28日)としてまとめました。その内容から学校教育現場で「精神保健」に関する知識と技術が求められていることが伺えました。

 そのことを踏まえ今回、児童生徒に見られる特徴的なメンタルヘルスの課題への理解と対応のポイントについて、ソーシャルワークの視点からまとめてみました。

 文部科学省による「平成30年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸問題に関する調査結果について」によれば、小学校における学校の管理下・管理下以外における暴力行為発生件数は、2014(平成26)年度の11,472件から急増し、2018(平成30)年度は36,536件となり、2014(平成26)年度の3.2倍に増加しています。

 また、中・高校生になると不安や抑うつ、リストカットなどの自傷行為、希死念慮の課題も見られ、高校生では様々な精神疾患の発症期にもかかってきます。

 そのようなメンタルヘルスの課題は、子どもたちの学校生活や日常生活に様々な影響を与え、子どもたちの生きづらさにも結び付いていきます。

 ソーシャルワークは、様々な課題を、人と状況の全体関連性の中でとらえていきます。本冊子がこのようなメンタルヘルスの課題を抱えている子どもたちへの理解と教育現場での支援の一助になれば幸いです。
 是非、ご一読いただきますようお願い申しあげます。

 2020年3月

公益社団法人 日本精神保健福祉士協会
分野別プロジェクト 子ども・スクールソーシャルワーク
プロジェクトリーダー 岩永 靖


一括ダウンロード用データ(B5判・24頁/PDF/1.2MB)


■もくじ

はじめに
1  支援の基本と考え方
2  こころとからだの不調と支援
(1)児童期のメンタルヘルス課題と支援
(2)思春期のメンタルヘルス課題と支援
(3)青年期のメンタルヘルス課題と支援
3  関係機関との連携
(1)医療機関
(2)福祉・行政分野の相談機関や施設
4  図で見る支援の流れ


ハンドブック作成メンバー

■分野別プロジェクト「子ども・スクールソーシャルワーク」
リーダー: 九州ルーテル学院大学 岩永 靖
チーム員: 沖縄大学 名城 健二
   九州工業大学 下田 学
  大崎市教育委員会 山本 操里
  さいたま市教育委員会 岡本 亮子
  香川県教育委員会 藤澤 茜
助言者: 四国学院大学 富島 喜揮
■ カット
   香川県立善通寺第一高等学校 デザイン科
"誤レンジャー"の皆さん(1年生5名)

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