生きづらさを抱えた人々の権利を守るためにSWができること
「加害者(犯罪をした人)/被害者(犯罪被害にあった人)のこと知っていますか」(2020年3月31日発行)

公益社団法人日本精神保健福祉士協会 司法精神保健福祉委員会 編集


はじめに

 近年、精神保健福祉士(以下、ソーシャルワーカー)の職域は広がりをみせ、刑事司法過程に関連する職場で働くソーシャルワーカーが増加するとともに、ソーシャルワーカーも日常業務においても刑事司法過程との接触面が拡大しつつある。
 司法と精神保健福祉の連携が求められる領域におけるソーシャルワーカーの将来像を展望し、その人材の育成も含めた司法精神保健福祉分野の充実発展の具体策を検討するために発足した司法精神保健福祉委員会では、このたび、上記名称の小冊子を作成した。
 同委員会の2017年調査(※)において、一定数のソーシャルワーカーが加害者(犯罪をした人)や被害者(犯罪被害にあった人)の相談対応にあたっていることが明らかになっている。しかしながら、現場からは、司法と福祉に距離をあると感じている者も多いことも明らかになっており、その溝を埋めるべく作成されたのがこの冊子であった。
 左からめくると加害者について、右からめくると被害者について説明され、双方に当事者インタビュー結果も掲載され、中央ページで加害と被害コンテンツが合流する構成となっている。実は、犯罪被害にあった人も、犯罪をした人も、「困っている」という意味では変わりはなく、その背景にある生きづらさやトラウマに気づき、寄り添い、共に考えていくのが、私たちソーシャルワーカーの役割となる。ソーシャルワーカーとして何ができるか、一人一人が考える機会になればと願っている。

「報告書(プレ調査結果)~司法分野における精神保健福祉士の関わりについてのアンケート~


■報告書

A5サイズ/14頁/ダウンロード[PDF:5.1MB]


■もくじ

被害者(犯罪被害にあった人)のこと知っていますか
被害者からみた刑事司法の流れ
被害者支援でSWが知っておくべきこと
被害者の実際
被害者のその後
被害者がかかえる様々な困難
被害者にSWとしてできること

加害者(犯罪をした人)のことを知っていますか
加害者からみた刑事司法の流れ
加害者支援でSWが知っておくべきこと
加害者の実際
加害者のかかえる様々な困難
加害者のその後
加害者にSWとしてできること


司法精神保健福祉委員会(2018・2019年度)

役職 氏名 勤務先 所属支部
担当副会長 田村 綾子 聖学院大学 埼玉県
担当理事 山田 真紀子 大阪府地域生活定着支援センター 大阪府
委員長 関口 暁雄 埼玉県済生会 鴻巣医療福祉センター 地域支援事業統括本部 埼玉県
副委員長 大岡 由佳 武庫川女子大学 兵庫県
副委員長 喜多見 達人 法務省大阪矯正管区姫路少年刑務所 兵庫県
委員 塚本 哲司 埼玉県立精神医療センター 埼玉県
委員 淺沼 太郎 帝京科学大学 東京都
委員 山野 智重子 みえ犯罪被害者総合支援センター 三重県
委員 渡邉 洋祐 あさやけ社会福祉士事務所 大阪府
委員 向井 克仁 三原病院 広島県
委員 金子 宏明 法務省 山口保護観察所 山口県
委員 合田 舞香 北九州医療刑務所 福岡県
助言者 西﨑 勝則 大阪保護観察所 非構成員
助言者 安田 恵美 國學院大學 非構成員

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