厚生労働省「令和元年度依存症民間団体支援事業」(補助金事業)
公益社団法人日本精神保健福祉士協会 依存症及び関連問題対策委員会 編集
依存症は一人の健康障害や疾病にとどまりません。アルコール健康障害・薬物依存症・いわゆるギャンブル等依存は、貧困や労働問題、司法課題、自死問題等々の多様な社会問題のそこかしこに絡んで、生活困難の原因や結果と深く結びついています。
アルコール健康障害対策基本法制定から6年が経ちました。第1期アルコール健康障害対策推進基本計画策定を受けるかたちで、全国の各都道府県における相談拠点や専門医療機関の選定等々が進行する今日ではありますが、ソーシャルワーカーの眼差しであらためて俯瞰し、つぶさに検証を進めると、克服すべき課題が未だ多いことに気づかされます。
本協会は、依存症及び関連問題にかかわるソーシャルワーカーの人材養成と配置は、我が国のどの地域にあっても等しくあるべきとの観点に立ち、組織的な取り組みを行ってまいりました。その一環として、平成30年度に引き続き令和元年度もまた、厚生労働省・依存症民間団体支援事業を活用し、「『アルコール健康障害・薬物依存症・いわゆるギャンブル等依存からの回復のための社会資源等の地域偏在にも対応しうる地域ネットワーク構築にむけたソーシャルワーク人材の養成』研修」を実施しました。
あわせて、依存症及び関連問題へのかかわりで有効なソーシャルワーク・アプローチは、複雑に絡み合ったさまざまな社会問題の解決の糸口を探る場面でもまた汎用できる有効な手立てとなるとの認識に基づき、「ソーシャルワーカー関係団体による意見交換会」を実施しました。
一般社団法人日本アルコール関連問題ソーシャルワーカー協会、公益社団法人日本医療社会福祉協会、公益社団法人日本社会福祉士会、特定非営利活動法人日本ソーシャルワーカー協会、そして本協会が一堂に会した場面は、依存症及び関連問題ソーシャルワーク支援の標準化を展望するとともに、住民一人ひとりとソーシャルワーカーとがともに創る「地域共生社会」の実現に寄与する、持続性ある連携と豊かな協働につながる一歩を刻むものとなりました。
最後になりましたが、本事業の取り組みに際しまして、インタビュー調査にご協力いただいた構成員の皆様、本協会からの呼びかけを快諾しご参集いただいた関係団体を代表する皆様に対しまして、心からの感謝を申しあげます。
また、令和元年度依存症民間団体支援事業の実施において、格別のご配慮を賜りました厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長、社会・援護局障害保健福祉部精神・障害保健課依存症対策推進室の各位には、心からの御礼を申しあげます。
令和2(2020)年3月
公益社団法人 日本精神保健福祉士協会
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内容 | サイズ | |
報告書作成にあたって (小関清之) 第1部 令和元年度依存症民間団体支援事業 「『アルコール健康障害・薬物依存症・いわゆるギャンブル等依存からの回復のための社会資源等の地域偏在にも対応しうる地域ネットワーク構築にむけたソーシャルワーク人材の養成』研修」の概要 (小関清之) 1.本事業の目的と取り組み |
表紙~P8 | 1.6MB |
第2部 インタビュー調査 1.インタビュー調査の概要 |
P9~19 | 500MB |
第3部 事例検討型シンポジウム及びグループワークによる研修 1. 事例検討型シンポジウム及びグループワークによる研修の概要 1)東北という地域特性のなかで出来ること~東北地方C町と東北地方E地域の取組みを通して~(齊藤健輔) 4.研修アンケートまとめ (池戸悦子) |
P21~71 | 5.2MB |
第4部 依存症及び関連問題にかかわるソーシャルワーカー関係団体による意見交換会(小関清之、佐古惠利子) 1.依存症及び関連問題にかかわるソーシャルワーカー関係団体による意見交換会の概要 |
P73~80 | 420KB |
第5部 おわりに~事業のまとめと提言~ (稗田幸則) 第6部 資料 資料1. ICD-10 DSM-5 2つの診断基準 |
P81~奥付 | 1.1MB |
■事例検討型シンポジウム及びグループワークによる研修
【開催日時・会場】
<宮城会場>2020年1月12日(日)10:25~17:00
TKPガーデンシティPREMIUM仙台東口 ホール10B(10階)
<福岡会場>2020年2月2日(日)10:25~17:00
TKPカンファレンスシティ博多 TKPホール(1階)
【プログラム】(敬称略)
時間 | 所要時間 | 内容 |
10:00 | 25分 | 受付開始 |
10:25-10:30 | 5分 | 開講式・オリエンテーション |
10:30-12:00 | 90分 | 講義「暮らしと依存症 ~みる・みえる・かかわるための基礎知識と技法」 講師:山本 由紀(上智社会福祉専門学校) |
12:00-12:30 | 30分 | グループワーク(1) 総合司会: [宮城会場]齊藤 健輔(東北会病院) [福岡会場]岡村 真紀(高嶺病院) |
12:30-13:30 | 60分 | 休憩 |
13:30-16:00 | 150分 | 事例検討型シンポジウム「確かなリカバリー支援と地域特性を生かしたネットワークのために」 座長:山本 由紀(上智社会福祉専門学校) シンポジスト:齊藤 健輔(東北会病院) 佐古惠利子(リカバリハウスいちご) 神田 知正(井之頭病院) 加藤 雅江(杏林大学医学部付属病院) 稗田 幸則(西脇病院) 回復者から支援者へのメッセージ: [宮城会場]吉田 光基(宮城県断酒会) [福岡会場]AAメンバー |
16:00-17:00 | 60分 | グループワーク(2) 司会進行等:池戸 悦子(桶狭間病院藤田こころケアセンター) |
17:00 | 終了 |
依存症及び関連問題対策委員会(2018年度・2019年度)
担当副会長 | 田村 綾子 | 聖学院大学 | 埼玉県 |
担当理事 | 加藤 雅江 | 杏林大学医学部付属病院 | 東京都 |
委員長 | 小関 清之 | 秋野病院 | 山形県 |
副委員長 | 稗田 幸則 | 西脇病院 | 長崎県 |
委員 | 齊藤 健輔 | 東北会病院 | 宮城県 |
山本 由紀 | 上智社会福祉専門学校 | 東京都 | |
引土 絵未 | 国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所 | 東京都 | |
神田 知正 | 井之頭病院 | 東京都 | |
池戸 悦子 | 桶狭間病院 藤田こころケアセンター | 愛知県 | |
佐古 惠利子 | リカバリハウス いちご | 大阪府 | |
岡村 真紀 | 高嶺病院 | 山口県 |
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