第50回目となる日本精神保健福祉士協会の全国大会が埼玉県で開催されます!

第50回公益社団法人日本精神保健福祉士協会全国大会・第13回日本精神保健福祉士学会学術集会

開催のご挨拶

 

 公益社団法人日本精神保健福祉士協会 会長 柏木 一惠

 第50回日本精神保健福祉士協会全国大会・第13回日本精神保健福祉士学会学術集会(埼玉大会)を開催するにあたり、多くの皆様にご参加いただきたく、一言ご挨拶申し上げます。

 日本精神保健福祉士協会の前身である日本精神医学ソーシャルワーカー協会が仙台の地で呱呱の声をあげて50年を迎えようとしています。半世紀を経て、国家資格化、法人化さらには公益法人化と社会的にも一定の認知と責務を負うようになりました。わずか88人で出発した協会でしたが、今や1万人に近い構成員数を擁するようになり、まだ十分とは言えませんが一応の社会的発言が可能な専門職団体として承認されるようになったのではないかと思います。この間劣悪な精神医療、貧弱な地域福祉体制の中にあって、精神障害者の社会的復権と福祉の向上を目指し、数多の精神科ソーシャルワーカー(PSW・精神保健福祉士)が奮闘してきました。またY問題の提起、それにつづく混乱と再生の過程で、PSWの立場性・視点・専門性とは何かを繰り返し問い続けてきました。先輩諸氏の真摯な作業の先に今の我々精神保健福祉士が在ると言っても過言ではないでしょう。今回の大会テーマは50年目という今を基点に、過去と未来を俯瞰するという壮大なものになっています。

 精神保健福祉は入院医療中心から地域生活中心というパラダイム転換が本格化し、我々精神保健福祉士にも大きな期待がかかる一方で、厳しい社会情勢は社会的弱者をますます苦難の道へ追いやっています。この時代にあって精神保健福祉士としての存在意義を問い直し、実践の場を切り拓くために我々が目指すべきは何か、このテーマに即しプレ企画から講演、シンポジウムまで大変興味深い内容です。活発な論議が巻き起こされ、参加されるすべての皆様の力が結集され、協会が新たな一歩を踏み出す原動力となることを期待しております。

 また東日本大震災から3年余りが過ぎても、いまなお再生とは程遠い状況にある現地を思い、その困難な道のりに心を寄せ、精神保健福祉士として何ができるかを考える機会の一つとして石川大会に引き続き東北各地の障害者作業所などの物販販売なども企画しています。

 この全国大会・学術集会は50周年の節目と同時に新たな始まりが祝されたものであることを祈念する大会でもあります。全国の仲間と出会い、つながり、明日への糧となる大会となることを信じてやみません。しばらく大会に参加されなかった熟年世代の皆様もぜひ足を運んでいただき、厳しいご叱正や温かい励ましをいただければと思います。また未来を担う若い世代の皆様には協会の歴史や先達の様々な実践を学ぶ機会としていただければと思います。

 最後になりましたが、今全国大会・学術集会の実質的な責任を負い、様々にご苦労いただきました埼玉県支部ならびに埼玉県精神保健福祉士協会の皆様、ご支援・ご協力を賜りました関係されるすべての皆様に厚く御礼申し上げます。


 

 第50回公益社団法人日本精神保健福祉士協会全国大会・第13回日本精神保健福祉士学会学術集会
 全国大会・学術集会長 塚本 哲司

 この度、第50回公益社団法人日本精神保健福祉士協会全国大会・第13回日本精神保健福祉士学会学術集会(埼玉大会)を開催するにあたり、開催地支部・県協会を代表しご挨拶申し上げます。

 ソーシャルワーカーは中国語で「社会工作員」と標記するそうです。しかし、「優秀なケースワーカーではあるものの(優秀なケースワーカーを目指しているものの)、ソーシャルワーカーとして社会を変革していこうという意識を持ち合わせていない精神保健福祉士が増えているのではないか」という問題意識から本全国大会・学術集会の企画を始めました。

 本大会は「精神保健福祉士の実践は医学モデルから生活モデルへのパラダイム(Paradigm)の転換を実現し得たのか?」、また「ソーシャルワーカーとして、これまでの変革に十分寄与することができたのか」等、日本精神保健福祉士協会の前身である日本精神医学ソーシャル・ワーカー協会が設立されてからの50年間の精神保健福祉士(精神医学ソーシャルワーカー)の取り組みを検証するとともに、今後10年間で精神保健福祉士が目指すべき、我が国の精神保健医療福祉のメルクマール(Merkmal)を明らかにしたいと考えています(メルクマールとは、一連の目標設定に達する過程等における中間指標や目印、最終目的に達する過程において、進捗を確認するための目印)。

 全国大会・学術集会テーマを「我が国の精神保健医療福祉のメルクマール(Merkmal)を求めて~精神保健福祉士の存在意義を問う~」とし、各プログラムは本テーマを踏まえ一貫性のある構成となっております。プレ企画においては「10年後の精神保健医療福祉を見据えて」をテーマとした4企画と、「あらゆるライフサイクルの場面に関わる精神保健福祉士」をテーマとした3企画を準備しております。また分科会の発表者には、全国大会・学術集会テーマを踏まえた学術集会に相応しいご発表をお願いしているところです。

 さらに新たに教育研修講座を2講座実施するとともに、産業精神保健学会や日本精神科救急学会とのコラボレーションといった手法も導入しております。
 最終日(6月21日土曜日)の市民公開講座では、『悩む力』の著者である聖学院大学 姜 尚中(カン サンジュン)先生にご講演していただくことといたしております。また会場前の鐘塚公園において、県内の福祉サービス事業所等による野外出店イベントを計画しております。

 埼玉県支部構成員及び埼玉県精神保健福祉士協会会員一同、多くの皆様方のご参加をお待ちしておりますとともに、活発な意見交換が展開されることを願っております。

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