機関誌「精神保健福祉」

通巻107号 Vol.47 No.3(2016年9月25日発行)


目次

巻頭言 時の流れをこえて今,問う〜精神保健福祉士の資性・姿勢・至誠〜/礒本 早苗

第52回公益社団法人日本精神保健福祉士協会全国大会/第15回日本精神保健福祉士学会学術集会

[基調講演]
PSWの過去・現在・未来〜精神保健福祉士をどう生きるか〜/石川 到覚

[特別講演]
精神保健福祉施策の動向/望月聡一郎

[記念企画(鼎談)]
精神保健福祉士に期待される資性・姿勢・至誠/高木 俊介・原  昌平・柏木 一惠

[分科会1]
(1)地域移行
(2)専門職養成の取り組み
(3)メンタルヘルス
(4)子供へのかかわり
(5)技術を磨く
(6)就労支援の諸相

[分科会2]
(1)自殺対策・地域移行における連携の模索
(2)人材育成とスーパービジョン
(3)医療の課題に取り組む
(4)多様な権利擁護の取り組み
(5)多様な地域での取り組み
(6)専門性を探る

[ポスターセッション]

[プレ企画]
1 刑事司法との連携を考える〜事例報告から弁護士との連携を探る〜
2 精神保健福祉士の立脚点と実践を考える〜精神保健福祉法,障害者総合支援法の改正を見据えて〜(1)
   前半テーマ:医療と福祉の連携による退院促進と地域生活支援
3 地域を超えた精神保健福祉士のつながりと引き継いできたもの〜「中四国精神保健福祉士大会」ってしっちょる?〜
4 貧困問題を考える〜子どもの貧困の連鎖を断ち切る支援活動を通じて探る精神保健福祉士の視点〜
5 精神保健福祉士の立脚点と実践を考える〜精神保健福祉法,障害者総合支援法の改正を見据えて〜(2)
  後半テーマ:精神障害者の自己決定支援の課題
6 話そう!創ろう!伝えよう!〜PSWの魅力を再発見するために(新人向け企画)〜

[緊急企画]
2016年熊本県熊本地方を震源とする地震に係る緊急企画

[市民公開講座(映画上映及び講演)]
映画づくりは人づくり〜“ツレうつ”への想い〜/佐々部 清

[大会報告]
時の流れをこえて今,問う〜精神保健福祉士の資性・姿勢・至誠〜

■投稿規定
■訂正とお詫び


巻頭言

時の流れをこえて今,問う〜精神保健福祉士の資性・姿勢・至誠〜

第52回公益社団法人日本精神保健福祉士協会全国大会/
第15回日本精神保健福祉士学会学術集会 全国大会・学術集会長
礒本 早苗

 私たちは福島の「襷」の力を借り運営委員が総力を結集し,準備を進めて参りました.そして山口で第52回公益社団法人日本精神保健福祉士協会全国大会・第15回日本精神保健福祉士学会学術集会を開催する運びとなりました.

しかし,2016年(平成28)4月14日突然,熊本地方を震源とする地震が発生し甚大な被害をもたらしました.急遽プログラムを一部変更し緊急企画を開催,参加者全員で黙祷し,ご冥福をお祈りいたしました.熊本県協会長より復興状況や今後の活動方針の説明を受け,気丈に支援活動に取り組んでおられることをうかがい,感銘すると同時に逆に勇気をもらいました.その他,大会中の募金箱設置や義援金等に関する報告がありまし た.全国の構成員の皆様のご支援,ご協力に心より感謝いたします.

 山口大会のテーマは「時の流れをこえて今,問う〜精神保健福祉士の資性・姿勢・至誠〜」とし,プログラムの随所にテーマに沿った内容を盛り込みました.当事者支援を行うにあたって,自分自身を見つめ直し「かかわり」「連携」「発信力」「専門性の維持」等のキーワードを検証する機会となりました.精神保健福祉士として社会を変革していくことで当事者が,生活しやすくなることを常に視野に入れ,援助に対する責任を取ることもわれわれの姿勢として覚悟が必要です.

今回の大会参加者は1,025人,懇親会は540人,下関出身の佐々部清監督のご講演と映画上映による市民公開講座は467人でした.市民公開講座は下関市保健所との共催にて実施し,うつ病対策事業として普及啓発の一旦を担うことになりました.ご来場いただいた市民の皆様ありがとうございました.

 大会を通して人と人とのつながりが如何に大切であるかを実感致しました.山口流の運営と,おもてなしは皆様のこころに届いたでしょうか.
 そして精神保健福祉士の原点である資性・姿勢・至誠についてさらに深められることを願っています.
 貴重な「襷」ありがとうございました.やっと,大阪に渡すことができました.


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