お知らせ

<2021/12/15>

【報道情報】〈子ども分野の新資格〉福祉専門職議連は民間資格を支持(福祉新聞)

★福祉新聞編集部に転載許諾をいただきました。福祉新聞WEBサイトの記事はこちらになります。


あいさつする田村会長(中央)

 超党派の国会議員で構成する「地域共生社会推進に向けての福祉専門職支援議員連盟」(田村憲久会長)が12月7日、開かれた。新たな子ども分野の資格について議論し、議連としては既存の国家資格に上乗せした民間資格案を支持することを確認した。会合にはソーシャルケアサービス研究協議会や日本社会福祉士会、日本精神保健福祉士協会、日本ソーシャルワーク教育学校連盟などが出席した。

 会合で厚生労働省は、現在、社会福祉士や精神保健福祉士など既存資格に上乗せする民間資格を検討していると紹介した。取得には試験に合格することが必要で、複数の取得ルートも設ける。厚労省の有識者会議ではこの提案に対し、賛成と反対の声があると説明した。

 続けて白澤政和・同研究協議会長は、厚労省案に賛成の姿勢を示し「児童虐待には複合的な課題があり、家族の理解や地域との関係など幅広い理解も不可欠だ」と説明。「我々は児童虐待の撲滅に向け真摯に検討してきた。既得権益を守るためのではない」と訴えた。

 これに対し国会議員からは「新たな資格をつくってもそれに見合う処遇になるのか」「目に見えるインセンティブがないのに、資格を取る人がいるのか」などの意見が出た。

 田村会長は、国家資格の場合、養成にかなりの時間がかかると問題視した。その上で、「今のソーシャルワーカーの力を最大限借りられる資格がよいのではないか」と述べ、民間資格とすることを支持した。

 同議連は、職能団体や養成団体など福祉関係15団体が加盟する同研究協議会が働き掛けて19年に発足。これまで社会福祉士、精神保健福祉士、介護福祉士の処遇改善などに向けて議論してきた。

 議連の事務局長は橋本岳・元厚労副大臣が務めている。 

■職能団体が大臣要望

 議連に先立ち、日本社会福祉士会や日本精神保健福祉士協会、日本医療ソーシャルワーカー協会、日本ソーシャルワーク教育学校連盟は7日、後藤茂之・厚生労働大臣を訪ね、要望書を提出した。ソーシャルワーク専門職として、児童虐待に責任を持って取り組む決意を示し、新資格を国家資格にしないよう求めた。

 要望書は、既存の国家資格を基盤とし、その上で子ども家庭に関する内容を上乗せした認定を行う仕組みにすべきだと強調。認定を受けた人に対しては、児童相談所や児童養護施設の配置要件として法令で明確に位置付けるよう求めた。

 このほか、既存資格を持たない人が実務経験と研修で新資格を取れるようにする経過措置の期間を5年程度とするよう提案している。

 職能団体の要望を受け、後藤大臣は「しっかり受け止めたい」などと話したという。

(2021年12月14日/福祉新聞編集部)


△前のページへもどる