<2019/04/05>
開会挨拶する柏木一惠会長 | 田中哲氏による基調講演 | シンポジウムの様子 | 満席の会場 |
本年3月14日(木)の13時より、衆議院第二議員会館(東京都千代田区)にて、緊急シンポジウム「子どもの虐待防止に多職種で取り組むために〜多問題家庭から見えるメンタルヘルスの課題とその支援方法〜」を開催し、100人を超える方々にご参加いただきました。
ご参加いただいた構成員のお一人から報告記事をご寄稿いただきましたので掲載させていただきます。是非ご一読ください。
人と人とをつなげる力
相談支援事業所こんぱす 松本世良(千葉県支部)
私たち精神保健福祉士は「虐待」問題をどのように捉えるべきなのであろうか?長期入院や地域移行、身体拘束についてなど精神科特有の課題について話す機会は多いが、子どもの貧困や虐待について語ることはさほど多くないのではないかと思う。しかし、この「虐待」という言葉の中には複雑で多様な課題が詰まっている。子どもは一人では生きていけない。だからこそ、養育者の抱えている課題はもろに子どもに影響する。
基調講演のなかで田中Dr.は「子どもの育ちにともなうゆらぎは養育者の安定を脅かす」と言った。どこか他人事の「虐待」も、子どもの成長に伴い容易に我が事となりうるのである。そんな課題について私達は向き合うべきなのではないか。養育者の生育背景、経済的問題、子ども自身の育てづらさ、DV、社会からの孤立。それらが複雑に絡み合い、結果的に悲しい事件となってしまうのだ。根本的に虐待を減少させるためには、ただ対応職員を増やせばよいという話ではなく1つ1つの課題を改善していくことが必要であり、その課題に対応できる機関や人に家庭をつなげていくことが最重要である。そのつながりを作っていくことは私たちの得意分野なのだと思う。