<2014/07/04>
日程:2014年7月1日(火)18:00~22:00 場所:厚生労働省 専用第14会議室
第4回(最終回)の検討会は、主に必要となくなる病床を居住の場として活用することの是非を巡って議論が沸騰した。終了予定時刻の20時を大幅に過ぎてもまとまらず、途中休憩をはさみ、取りまとめ案のうち「3.病院の構造改革の方向性」に関して座長と事務局による修正案が提示され、議論が再開された。示された修正の基本的考え方は以下の3点。
その後議論が再開され、最終的には取りまとめを座長に一任することで22時に終了した。
第4回検討会配布資料(厚生労働省/20140703掲載)
(座長)今回は取りまとめの回。議論を尽くしてほしいが時間の制約から効率的な議論をお願いしたい。できるかぎり、「3.病院の構造改革の方向性(3)精神障害者の地域生活支援や段階的な地域移行のための病院資源の活用」の議論に時間を割きたい。
(千葉)今回の取りまとめ案では、「患者」を「精神障害者」に修正しているが、入院しているすべての人が障害者ではない。すべてを障害者というのは如何なものか。精神疾患の治療のために入院している方々が半数くらいいる中で、長期入院のうち障害者が何人というふうに分けるべき。入院患者とするべき部分と精神障害者のままとする部分を吟味してほしい。
(広田)障害者白書では医療にかかっている人を精神障害者として320万人いるとしている。今頃なぜそのようなことを言うのか。
確認したいが日精協は病床転換のために政治献金をしているのか?
→(河崎)一切関係ないというのが私の意見。
厚労省は政治家から圧力がかかっているのか?
→(蒲原部長)精神障害者がどういうふうに地域で暮らすのが良いかを検討している場。圧力はない。
(伊澤)取りまとめ案の「2.長期入院精神障害者に対する支援の具体的方策の方向性」は、「検討する」が17カ所から12カ所に減っているが、ここが議論の中心になるのでまだ多い。「国は、・・・具体的方策を講じるため、併せて、必要な財政的方策について検討することが必要である。」は検討ではなく強く言ってほしい。
「(2)外部の支援者等との関わりの確保③関係行政機関の役割」の「都道府県等(※)、市町村により入院中の精神障害者の実態把握を行うことを促進し、都道府県及び市町村において、介護保険事業(支援)計画を策定するに当たって算出する必要サービス量を見込む際に、入院中の精神障害者のニーズも参考とすることについて検討を行う。」は「私たちのことは私たち抜きに決めないで」
(河崎)総論の「(3)将来像実現のための病院の構造改革」に「財政的な方策が併せて必要である」としているが、中小の病院では1病棟で1つの体系を組むことが困難なところが出てくる。「必要な方策」にはそのことも含まれているのか?
→(北島課長)そのことを含めて検討したい。
(中板)「2.長期入院精神障害者に対する支援の具体的方策の方向性」の財政的方策は、「地域生活を続けるための財政的方策」としてほしい。
「〔ア-1〕退院に向けた意欲の喚起(1)病院スタッフからの働きかけの促進」の「医師、看護師の教育現場」のところは基礎教育に変えてほしい。
「〔イ〕地域生活の支援(2)地域生活を支えるサービスの確保①医療サービス」の「アウトリーチ、訪問看護等による医療支援の充実のための取組を進める。」は、訪問看護は別建てで充実させていくとしてほしい。
(良田)「〔イ〕地域生活の支援(3)その他」で家族のことを書いてくれたのは嬉しいが、相談した時に相談で終わって支援につながらないように。検討ではなく早く実施してほしい。また、支援をしている地域の施設の職員も相談できるように。
(田川)「3.病院の構造改革の方向性(2)急性期等と比べ入院医療の必要性が低い精神障害者が利用する病床において地域移行支援機能を強化する方策」この病床機能はとても重要だが、期限がないことは問題。保健所がもう少し関与すべき。
「2.長期入院精神障害者に対する支援の具体的方策の方向性関係(2)地域生活を支えるサービスの確保〔ウ〕行政機関の役割」に必要な助言を加える必要がある。
(広田)3.の「(2)急性期等と比べ入院医療の必要性が低い精神障害者が利用する病床において地域移行支援機能を強化する方策③ソフト面での方策」の「b.訓練等(地域移行に向けた訓練や支援をいう。)の進め方」について。自分たちはいつもマイナスに言われるが、インフォームドコンセントできていないことなど医師の問題が大きい。薬を出し続けている医者の問題。余っている薬を患者から受け取れるシステムを作ってほしい。
将来的にはダイレクトペイメント。
(座長)ここからは3の(3)を中心に議論してほしい。
(佐藤)3の「(1))病院の構造改革に向けて」の「○また、精神病床数の将来目標については、「精神保健医療福祉の改革ビジョン」の評価等を踏まえ、平成27 年度以降に医療計画に反映するかどうかを含めて、今後検討を行う。」は医療計画に入れると言い切ってほしい。
→(事務局)「医療計画に反映することも含めて今後検討する」に変更する。
(伊澤)欠席の伊豫構成員の意見(参考資料2)については、どんどん退院支援を進めることで可能。同じく欠席の近森構成員の意見のなかの「トランスファーショック」については、またパターなリズムに陥るのではないか。40年ぶりに退院した方のことがNHKで流れていた例もある。私がかかわって42年ぶりの退院に至った例では、グループホームの情報を外から得て退院する気になった。
「居住の場」はすべて削除してほしい。障害者権利条約のことを加えてほしい。居住の場を認めることは条約違反であり憲法98条にも違反する。あってはならない。
(澤田)近森構成員の意見に関して、無理やり退院させるのではない。スピーディに病床削減をしてほしい。敷地内に居住の場を作ることは日本の恥。
(田辺)敷地内の使い方について。いろいろ努力してもなお残るという前提になっているが、転換のメニューがずいぶん書かれていて、なおかつ居住の場への転換がOKで、グループホームの基準も変えることが書かれている。安易に患者を病院に残してよいのか。地域移行を進める病院とそうではない病院があって、後者の延命策となることを危惧。新たな二重の不幸となることを懸念する。現時点では、転換はペンディング、いったん凍結するべき。数年間トライアルで検証してからにしてほしい。時間差をつけて着手すべき。
(広田)同感。住宅政策の貧困が変わらない。国交省と厚労省、内閣府が一緒にせいのでやらなければ。生活保護の医療費削減のためにも地域移行を。転換では恋愛もカラオケもできない。
(伊藤)田辺構成員に確認したい。いまのはセンター長会の発言でよいか?単なる看板の架け替えとならないかは重要な論点で、そうならないためのことを。基本は地域に移行することであって、‥
→(田辺)センター長会の調査では、リスクが高いという意見が多かった。病種削減の現実策として出ているのはわかるが、これを長期的な施策とすることは大きな懸念がある。第二の長期入院者ともいえる状況になることを。他には時限的とすべきという意見もあった。
(中島)田辺構成員にもう1点。きちんとした歯止めが書かれているが、それでも足りないのか?
→(田辺)むしろこの書かれた結果に対する懸念。
(平田)資料のとりまとめ概要編の概念図(「構造改革によって実現される病院の将来像(イメージ)」を見ると、一番左の「救急・急性期・回復期」は1年未満の在院者。真ん中の「地域移行支援機能を強化する病床」は、回復期病棟に含まれる。そうすると無理に地域移行支援機能強化病床にする必要はないので、そのまま空っぽにしておけばよい。
20万人の長期入院者を生み出した要因は、ア.政策の誤り。民間依存の収容政策。これについては謝罪すべき。イ.国営だからいいというつもりはない。民間の宿命に常に経営圧力の制約がある。病棟を空けておくわけにはいかない。ウ.医療技能の貧困。エ.地域の排除圧。グループホームでもクリニックでも反対がある。オ.現状維持の法則。激変を嫌う。
居住の場とすることについては、激しく葛藤している。福祉施設は病院の中だろうと外だろうと違いはない。ロケーションは大事だが、中だろうと外だろうと関係ない。現実には地域に出せない状況で、一切ダメとするならば、この先10年変わらない。原案の書きぶりは、認めないという意見を中心にして、例外的に認めることを条件を厳しく。最低限個室であること。行政監査の対象とすること。
(座長)この問題については、すべての構成員から意見を聞きたい。
(良田)家族会としては転換には反対の立場。検討の時間が少ない。拙速なやり方はいけないのではないか。冒頭の議論で5万人が退院して5万人が新たな長期入院になっている話があったが、頑張れば4年経てば20万人になるのでは。ベッドが埋まらないようにするための方策をもっと十分に検討すべき。地域移行した場合は、きちんと受け入れて支援するための態勢を整えるための議論を十分にすべき。
(山本)伊藤構成員と同じ。現実を直視した場合に受け皿が本当に足りるのか。もし足りないのであれば現状を固定化することになり無責任。転換を考えるべき。そのときは条件を厳しくすべき。権利条約を踏まえた条件づくりをきちんと検討することが大切。段階的なステップにすることを明記すべき。
(野沢)【共同生活援助としての指定を受けることを認めるための条件】のなお書きの部分「①運営者が病院と同一法人であるか他法人又は個人であるか、②活用場所が入院機能も残っている建物内か入院機能とは別の建物か、に応じた更なる条件について検討することが必要である。」については、作業チームの議論のときに、外部の法人が乗り込むのであればよいと述べ、転換の張本人と言われ不本意。地域移行はどんどんやっていくべき。地域の人が退院意欲を喚起すべき。知的の入所施設にいた人がグループホームに移った時ずっと寂しい寂しいと。一緒に風呂に入りたいと。でも3年経ったときに「やっぱり地域がいい」と。あきらめてはいけない。何とか地域で暮らしてほしい。知的でも地域か施設という議論がある。知り合いがどんなに説得しても地域で破綻してしまうので、やむにやまれず10数年前に入所施設を作ったが、10年経ってグループホームに半分の人を出している。その知り合いは理念として地域がいいと思っている人だから。外の人がもっともっと関わる装置を作って、病院が嫌だと言っている人たちがどんどんやってほしい。
しかし弱点もある。果たして病院がそれを受け入れる所があるのか。人事異動で施策が変わってしまう恐れもある。どうすればそれを無くしていけるのか、悩んでいる。
(長野)自分が病床削減していく中で、50床まで減らすと病院でしかやれない人が残ると思っていたが、そうではなかった。20万床にすればいいのかと言えばそうではなく、さらに減らすことを考えるべき。今はほとんど病床がなくてもやれると思っている。介護保険サービスなどの利用で地域を作るのは楽だったが、病院の方はツールがなく本当に苦労して簡単なことではなかったが、全員が地域で暮らせると思っている。しかし、今の仕組みでは全国展開は難しい。確かに5万人の長期入院者を新たに作らなければ4年、半分でも8年で長期入院は解決するが、それには人的資源が絶対必要。
改革ビジョンが出る前の平成8年に将来は50床にすることを決め、ビジョンが出てやっと進められると思ったが駄目だった。これまでの検討会の議論で地域支援の方策はかなり出ていると思う。自分の地域には毎年500人の見学者が来るが、病床削減の視察に来たのは3週間前が初めて。病床削減が書かれたことは大事。しかし、制度は慢性化する。リスクは高い。必ず期限を設定して条件を付けて。病床を2割、5割と削減してもそれで終わりではない。自分はソーシャルワークの研修を多く受けてきたが、なんで病院がこんなに憎まれているのかと思った。過去の医療と福祉の対立にならないようにしなければならない。
(中島)この改革は進めるべき。2004年9月に改革ビジョンが出たが、ほとんど病床は減っていない。今やらなければいつやるのか。退院の5万人のうち1万人は死亡、転院先でも多くの人が亡くなっている。外にいる私たちがどうやって彼らに自由を戻すのか。取りまとめ案は同じことが何度も書かれていて分かりづらい。国として謝罪し、なぜ減らなかったのかとすべき。空いた病床の活用は病院の経営者の能力の問題。ここは別冊とすべき。分からない人は経営者失格。
(中板)基本は反対。地域の受け皿の必要量と必要投資を検討すべきことで、地域生活を大前提として整理してほしい。
3.の「(2)急性期等と比べ入院医療の必要性が低い精神障害者が利用する病床において地域移行支援機能を強化する方策③ソフト面での方策」の「b.訓練等(地域移行に向けた訓練や支援をいう。)の進め方」の3点目「計画的な訓練や、退院に向けたクリティカルパスの作成などにより可能な限り早期に退院できるように支援を行う。」とあるが、クニカルパスは短時間のパッケージ。退院に向けたケアガイドラインとしたほうがいい。
(千葉)経営者の視点で言えば、「転換」については関心がない。1,600ある精神科病院の4分の1の公的病院は福祉サービスをほとんどやっていない。残りの1,200病院がグループホームや施設をやってきた。空いた病棟の維持費がどれだけかかるのか分かっているのか。1病棟で百万円単位の費用が掛かる。経営者であれば、改修しなおかつ黒字になるのでなければやれない。グループホームはどんなにやっても20人分しかできない。全病院がやったとしても2万4千人分。普通の経営者ならやらない。そんなことをするのは経営者として失格。私ならやらない。せいぜいやって10カ所程度が赤字覚悟で。そういっても、そういうステップでより上に行けるのであれば選択肢として残すべき。できれば公的機関でやってほしい。
「 〔イ〕地域生活の支援(2)地域生活を支えるサービスの確保」は99.7%の人のための話だが少ない。さらっとした印象。障害福祉の側で家賃の問題や低所得の人がはいれるためにどうすればいいのか、検討会を開いてほしい。
(田辺)病床転換の話が出て、いろいろ議論して地域移行の議論が出てよかった。プライバシーの観点からは外部の人が自由に出入りできるというのは現実的ではない。特定の長期入院者に対する診療報酬を厚くして、地域移行を進める。転換はペンディングとすべき。
(田川)年間何万人という人が退院してきたときに、ちゃんと受入れができるのか不安を持っている。10年、20年と入院してここに居たいと言う人はいると思う。そういう人にどうできるのか。(転換は)可能性として考えるべき。
(佐藤)他の日精協の人に聞いても(転換は)使わないと言っている。確実に施策が進むという心証がない。明確な数値目標を入れないと進まない。農業の減反政策を参考にして、削減したら何をやらなくても渡すことが良い。
(倉橋)居住の場は望ましくない。長期施策として認めるべきでない。我々の打てる時間が必要。制度的準備の時間が必要。もっと検討すべき。経過措置として認める場合も時間を明示すること。時限の経過措置であることを明確にすべき。保健所の役割を入れたことは評価。財政的なことも含めて考えてほしい。
(吉川)病院の患者に関わっている看護師が一番多い。葛藤、複雑な気持ち。慢性期の病棟で高齢の長期入院者が多い中で、個別の生活スタイル、個性を尊重することは病院の中では難しい。何かしらの選択肢があれば。議論の流れから停滞することがあってはいけない。今後入院を長期化させない看護師の役割を。もう少しどう変わっていくのか分かる取りまとめにしてほしい。
「3.病院の構造改革の方向性(1)病院の構造改革に向けて」の最初の病床のあり方について早急に検討すべき。
(河崎)病棟転換に注目が集まりすぎて、より重要な議論が十分にできなかった。1つの方向性はあってもよい。改革ビジョンから10年見ていて、停滞するものを変えるものがなかった。これから地域でそれを作っていくということには疑問を感じる。もし施設を現実化するならば、条件を付けてモデル事業化しないと了解が得られないと思う。いろんな形のモデル事業をまずやってみる。必要ならそのための法整備を。
(柏木)葛藤しているのが本音。地域移行支援病床については整理できていない。きちんと取り組めば病床転換の必要もなくなるのでは。リスクがある訓練をやっていくと患者さんをパワーレスにしてしまう。(訓練ではなく)支援を充実すればよい。
「本人の意向を尊重」とあるが誰が聴くのか?病院スタッフと地域の人とでは違うと思うので。是非、意向調査として地域の行政で事業者でも入って聴いてほしい。医療の中にあることの原罪。医療の傘を外していくことで力をつけていく可能性がある。
(荻原)普通の感覚は入院したら退院するもの。敷地内の居住の場がどれほど必要なのか不明確な印象。そのうえで、制限、時限とすべきだが、うまく地域移行がいかなかった人に対して、選択肢の一つであって、一つのみとならないのであれば試みる必要はあるのではないか。
日本の病床数の適正な数はどのくらいなのか。どのように設定されるものなのかという疑問がある。長期入院者が退院の意欲をなくしているというのは自分の感覚では、ないと思っている。きちんと聴いていけば退院したいと言う。リスクを回避する方法を考えたうえでやってみるべき。工程表がどこまで書けるのか。それがないといつも議論が錯綜する。
(岩上)①きちんとした工程表が必要。改革ビジョンのレビューをして、新たな10年の図を。急性期を手厚くして、1年以内で退院してもらい病床を削減することは合意されている。岡山県立医療センターでは重度かつ慢性の退院も進んでいるのであれば、それも考慮していくべき。
②現在の病院では65歳以上1年以上の人が半分。その半分の人が75歳以上。その人たちの顔が見えているのか。60人中20人はたしかに退院できる人。介護保険サービスの対象でありながら申請できていない人がいる。きちんと65歳以上の人が介護保険サービスを利用できるようにするべき。いつまでたっても変わらなかったのは、病院の構造改革をしなかったから。
(伊藤)将来のことを分かっている人はいないので、悩みの無い政策はない。病床の変化はこの10年まったくない。何かなければ10年後も変わらない。1,600の病院の中でこの枠組みでより地域に近づけたと思えない人はいるのか。私は自信がないので選択肢は広げるべき。
病種削減が初めて盛り込まれ検討された。当事者の民間病院の人が積極的に参加した。基本は専門職による自律的な改善が必要。ピアレビューを活発にしていくこと。削減したら他の病院が増床することがない方策を。次の検討の場では、エビデンスに基づいた主張を。外来医療や障害福祉、介護にはエビデンスが少ないので示してほしい。
(伊澤)病床削減は大歓迎。減らす中で転換ありきだが、居住は駄目。「2.長期入院精神障害者本人に対する支援の具体的方策の方向性」をもっと手厚くするべき。社会的入所が社会的に隠されてしまう。
(座長)ここで休憩を取った後、修正の取りまとめ案を示したい。
――――(休憩)――――――
※再開され、座長より修正の基本的考え方、事務局より修正案が示されたうえで、議論再開。主な修正点は以下の通り。
○「(3)精神障害者の地域生活支援や段階的な地域移行のための病院資源の活用」の4つ目の○を「これらの、急性期等と比べ入院医療の必要性が低い精神障害者が、地域移行する際には直接地域に移行することが原則であるが、退院に向けた支援を徹底して行ってもなお入院したままとなるのであれば、段階的な移行も含めて、入院医療の場から生活の場に居住の場を移すことが必要である。」に修正(下線太字部分追加)。
○(3)の最後から3つ目の○を「○したがって、医療法人等として保有する敷地等の資源や、将来的に不必要となった建物設備等の居住の場としての活用のうち、当該居住の場が共同生活援助の指定を受ける選択肢を可能とするために、既存の地域移行型ホームに関する基準を参考としつつ、障害者権利条約に基づく精神障害者の権利擁護の観点も踏まえ、以下のような条件付けを行うという留保をつけた上で、病床削減を行った場合に認めることとし、グループホームの立地に係る規制(※)の見直し等必要な現行制度の見直しを行うべきこと、また、見直し後の事業を自治体と連携して試行的に実施し運用状況を検証するべきことが多くの構成員の一致した考え方であった本検討会の取りまとめとする。」 に修正(下線太字部分追加)。
○(3)の最後の○を「なお、においては、検討会構成員の一部からはあくまでも居住の場としての活用は否との強い意見もがあった。」に修正(下線太字部分追加)。
○【共同生活援助としての指定を受けることを認めるための条件】の5点目を「地域移行に向けたステップとしての支援とし、基本的な利用期間を設けるであること 」に修正(下線太字部分追加)。
○<別紙>【活用の場合に必要な条件として検討すべき事項(例)】 に「・原則として利用対象者を現時点での長期入院精神障害者に限定すべき。」を追加
(澤田)人権侵害に当たる。基本的考え方の「原則」はいらず、あくまでも地域に直接移行すること。
(広田)修正案の「検討会においては、あくまでも居住の場としての活用は否という強い意見があった。」に、「当事者を代表する構成員2名を含めて」と入れてほしい。
(伊澤)障害者権利条約に抵触するので認められない。
→(山本)権利条約に抵触しているのであれば、これはやれない話なので、どこが抵触しているのか?
→(伊澤)権利条第約19条の「(a) 障害者が、他の者との平等を基礎として、居住地を選択し、及びどこで誰と生活するかを選択する機会を有すること並びに特定の生活施設で生活する義務を負わないこと。(b) 地域社会における生活及び地域社会への包容を支援し、並びに地域社会からの孤立及び隔離を防止するために必要な在宅サービス、居住サービスその他の地域社会支援サービス(個別の支援を含む。)を障害者が利用する機会を有すること。(c) 一般住民向けの地域社会サービス及び施設が、障害者にとって他の者との平等を基礎として利用可能であり、かつ、障害者のニーズに対応していること。」に違反している。
(座長)1の総論と、2の長期入院精神障害者本人に対する支援の具体的方策の方向性を充実させるべきという意見は追加することとして、権利条約に関する表現は伊澤構成員も交えて検討し、最終のとりまとめを座長に一任いただくこととして検討会を終了としたい。
最終回は予定の倍の時間を費やして議論されたが、病床の活用として居住の場を認めることを巡っては最後まで統一した意見の合意を見なかった。
一部の構成員の発言にあるように、検討会の中心的なテーマは長期入院者の地域移行をいかに進めるべきか、そのための様々な障壁をどのように具体的に取り除くのかということにあったはずであるが、作業チームも含めて残念ながら議論不足の感を拭えない。
今後、検討会のとりまとめを基本として国が具体的な施策づくりに入ることになる。私たちは、今もなお長期に病院にとどめられている方々の残された時間が限られていることを強く意識しながら、病院も地域も巻き込んで現場実践を進めていかなければならない。
(文責:常務理事 木太直人)