<2013/01/30>
2011年9月1日から「国民年金・厚生年金保険障害認定基準」の一部が改正実施されたことに伴い、診断書様式の改定が行われ、同年8月1日からは新しい改定様式が配布されました。
また、厚生労働省の障害年金の認定(高次脳機能障害等)に関する専門家会合(2013年1月9日終了)では、統合失調症等の障害認定基準の再改正も検討され、特に、日常生活能力等の判定のうち、就労状況等に関する基準は、知的障害や発達障害と同等のものとなる予定です。
本協会には、すでに診断書提出による等級変更等の情報が寄せられており、申請結果や現況届(診断書)による等級変更の影響につきまして、権利擁護の観点から本年度末までの期間において情報収集を行うことといたしました。そこで、年金申請の支援に携わる機会を多くお持ちの構成員の皆さまに情報提供をお願いいたします。
本改正の影響により不利益等を被るような事例等ございましたら、様式にご記入のうえ、メールまたはFAXにてお寄せください。なお、個人情報の保護にはご留意くださいますようお願いいたします。
「障害年金診断書の様式変更による影響に関する情報」(WORD)
今回の改正・実施により、「精神の障害」の診断書の様式における大きな変更点は、障害年金の障害等級を審査する際に重要となる「日常生活状況」と「現症時の就労状況」の項目等です。厚生労働省及び日本年金機構は、医師に向けて『診断書作成の留意事項』(PDF/日本年金機構WEBへリンク)を参照して診断書を作成するよう広報していますが、医師には戸惑いや疑問が生じているそうです。
具体的には、「エ.現症時の就労状況」の記載について、「医師が給与まで尋ねるのか」「必ず聴き取って記載しないといけないのか」「当事者が話したくないとか回答拒否した場合はどうするのか」等です。
『診断書作成の留意事項』には、該当項目に関して、「就労している場合は、本人などから聴き取り、できるだけ記入するようお願いします。」とあり、記入はあくまでも任意でよいことになっています。
見直しの経緯について、日本年金機構理事長宛の厚生労働省年金局長発文書(年発0630第1号/平成23年6月30日付/関連リンクのリンク先参照)では、以下のように記されています。
近年の医学的知見を反映して、認定基準及び認定要領を見直すとともに、表現や例示の明確化を図るため、「障害年金の認定(知的障害等)に関する専門家会合」を開催し、関係の専門家による審議を踏まえ、今般、国民年金・厚生年金保険障害認定基準1の一部を別紙のとおり改正し、平成23年9月1日から実施することとしましたので通知します。 |
また、「障害年金の認定(知的障害等)専門家会合」の第1回(2011年1月27日開催)では、具体的な経緯が読み取れる議論がなされました。議事録から一部を要約して掲載します。
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構成員の皆さまにおかれましては、診断書様式の変更とその背景および留意点を踏まえ、医師とも連携の上、ご本人の不利益になることのないように支援をお願い申しあげますとともに、情報提供へのご協力を重ねてお願い申しあげます。