お知らせ

<2011/05/09>

2010年度「精神保健福祉士による災害支援活動に関する研修」参加者からの報告

 2010年度に、独立行政法人福祉医療機構から助成を受けて「精神保健福祉士災害支援体制整備事業」を行いました。その一環として、本協会各都道府県支部に災害時の連絡調整担当として配置を進めている災害対策委員の方をはじめ、多くの精神保健福祉士の方々を対象とした「精神保健福祉士による災害支援活動に関する研修」を実施しました。当初、全国6ブロックでの開催を予定しておりましたが、東日本大震災発生を受けて、墨田会場を中止とし、5ブロックの開催となりました。

 ここでは、福岡会場に参加された方から参加の感想をお寄せいただきましたので、ご報告いたします。
 また、機関誌「精神保健福祉86号(2011年6月25日発行)」では、3月11日以降に開催した金沢会場の報告記事を掲載する予定です。


災害対策の次のステップに踏み出すために
〜精神保健福祉士による災害支援活動に関する研修(福岡会場)報告〜

三和中央病院(長崎県)/経験年数20年 梁瀬 健一

 九州・沖縄ブロックでは、霧島の新燃岳の噴火で火山灰による被害や今後の火山活動が懸念される中での研修開催となりました。私の所属する地元支部では、災害対策支援についてはまったくといってよいほど手つかずの状態で、連絡体制の整備や災害対策の計画作成などこれから取り組まなければと思っていました。自分がおそらく支部の災害対策委員の役割も担うのであろうと覚悟を決めての参加となりました。

 午前中、災害対策委員からの被災現地報告、被災地支援の報告、災害支援体制計画についての説明がなされました。被災地の報告では2004年10月に発生した新潟中越地震の貴重な体験と、当時の映像を交え実際の現場がどんな悲惨な状態なるかということや、どんなことで混乱するか身につまされた話でした。また支援活動については、側面的支援、支援者への支援など、実際の現場において支援活動の基本とその中で精神保健福祉士として何ができるのかという課題を改めて考えさせられた内容でした。

 午後のグループワークでは、震度6を想定した机上のシミュレーションがなされ、実際に体験したことない状況をイメージしながら何が起こるのか、何ができるのか、何をなすべきかの作業を行いました。災害といえば地震による被害をまず連想しますが、私の地元では21年前に1990年の雲仙普賢岳噴火による火砕流や土石流被害、29年前の1982年には大雨による水害に見舞われ、私自身も自宅の1階が浸水するといった経験をしました。自分ならばどのような行動を起こすだろう、恐らく混乱するに違いないとさまざまな思いがめぐる中、日頃から備えることの重要性を実感しました。

 私は戻ってから早速、防災情報配信メールの登録やら、具体的な体制づくりがとても重要だと思い、勤務する病院の災害対策マニュアルや緊急招集連絡を確認しようとしていたその矢先にニュージーランドの地震、そして東日本大震災による大震災が発生しました。自然の驚異を前に私たちにできることは限られています。さまざまな支援者が、それぞれの立場を活かしながら協働していくためには、1人ひとりが想いを新たにし、災害対策の次のステップを踏み出すための非常に有益な研修会でした。
 被災された皆様にはこころから見舞い申しあげます。


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