<2009/06/05>
精神保健従事者団体懇談会(精従懇)では、これまで精神保健法改正などの節目に精神保健フォーラムを開催し、精神保健・医療・福祉のあり方についての提言を行ってきました。前回は「脱施設化とノーマライゼーションの実現」をテーマに、2004年7月に実施しました。
脱施設化については、その後の障害者自立支援法の成立で入院患者の地域移行促進が事業化されるなど、不十分ながらも一定の進展が見られ、市民のノーマライゼーションの意識も少しずつ向上してきています。しかし、昨年来のアメリカ発の世界的な不況による経済危機は、社会保障全般に新たな暗い影を落としています。派遣切りなどによってさらに深刻化しつつある貧困問題、一向に減らない自殺、そして財政逼迫の中で障害者福祉政策の後退も懸念されています。こうした状況を受けて、第6回精神保健フォーラムでは「危機のなかで人間として生きる権利を!」のテーマで、直面する様々な危機から脱却する新たな方向性を見いだしたいと考えています。
精神保健・医療・福祉に携わる方々、当事者・家族の皆様、一般市民の方々など、多数のご参加を期待しております。
■開催案内をPDFデータでご希望の方は、 こちら からダウンロードください(390KB)。
日 時 2009年7月11日(土)〜12日(日)
場 所 日本教育会館 一ツ橋ホール(東京都千代田区一ツ橋2-6-2 TEL.03-3230-2831)
参加費 2日間:5,000円(当日:6,000円) 1日のみ:3,000円 学生・ユーザー・家族:1,000円 懇親会:5,000円【会場:「泰南飯店」神保町店(日本教育会館2F)】
主 催 精神保健従事者団体懇談会(精従懇) 第6回精神保健フォーラム実行委員会(実行委員長 藤本 豊)
精神保健従事者団体懇談会 ◇ 加盟団体 国立精神医療施設長協議会/(社)全国自治体病院協議会 精神科特別部会/全国精神医療労働組合協議会/(福)全国精神障害者社会復帰施設協会/(NPO)全国精神障害者地域生活支援協議会/全国精神保健福祉センター長会/全国精神保健福祉相談員会/全国保健・医療・福祉心理職能協会/全日本自治団体労働組合 衛生医療評議会/(社)日本作業療法士協会/日本児童青年精神医学会/日本集団精神療法学会/(社)日本精神科看護技術協会/(社)日本精神神経学会/日本精神保健看護学会/(社)日本精神保健福祉士協会/日本総合病院精神医学会/日本病院・地域精神医学会/日本臨床心理学会 (五十音順) |
1日目:7月11日(土) | |
9:30 | 受付開始 |
10:00 | 開会式 |
10:30 | 基調報告 報告 岡崎伸郎(精従懇代表幹事) |
11:00 | 招待講演1「経済危機とこれからの社会保障のゆくえ」 講師 西村周三氏(京都大学副学長) 座長 中村春基(日本作業療法士協会) |
12:30 | 休憩 |
13:30 | シンポジウム1「どうしたい『障害者・自立・支援・法』」 |
15:30 | 休憩 |
16:00 | シンポジウム2「医療観察法の光と影−施行後4年を迎えて−」 |
18:00 | 1日目 終了 |
18:30 | 懇親会 会場:「泰南飯店」神保町店(フォーラム会場2F) |
2日目:7月12日(日) | |
9:00 | 受付開始 |
9:30 | シンポジウム3「このままでいいの?精神障害者の人権と暮らし −障害者の権利条約とわたしたちに問われるもの−」 |
12:15 | 休憩 |
13:15 | 招待講演2「自殺予防と精神科医療−精神科医療への問題提起−」 講師 清水康之氏(NPO法人 自殺対策支援センターライフリンク代表) 座長 吉浜文洋(日本精神科看護技術協会) |
14:30 | 総括討論 |
15:30 | 宣言・閉会式 |
16:00 | 終了 |
招待講演1/京都大学副学長 西村周三 氏
京都大学経済学部卒業後、同大学経済学部教授、同大学経済学研究科長をこの春に退官し現在、京都大学副学長、理事(国際交流・情報基盤担当)を務める。また、日本経済政策学会元理事、医療経済学会会長、etc…と大学内外を問わずのフットワークの良さは目を見張るものがある。『医療と福祉の経済システム』(ちくま新書)ほか、著書多数。専門領域は医療経済学、福祉経済学。
招待講演2/NPO法人自殺対策支援センターライフリンク代表 清水康之 氏
元NHK報道ディレクター。2001年に自殺で親を亡くした子どもたちの番組を作ったことがきっかけで自殺対策に取り組むようになる。国会議員や報道関係者などとの幅広い人脈を活かして、「自殺対策基本法」(2006年)の成立にも深く関わる。現在、内閣府「自殺対策推進会議」委員、東京都「自殺総合対策東京会議」委員も務める。「自殺実態白書2008」発行責任者。
障害者自立支援法が施行され、実際は何がどう変わったのだろうか? そして今年3年目の見直しが行われどうなっていくのだろうか? と、黙って見守っている場合ではありません。
現場で利用者が、事業者が、地域の住民として誰もが生きやすくなるために今わたしたちに何ができるのか、障害者とは、自立とは、支援とは、そして法とは? と各々の立場から検証します。現状をしっかり掴んで、この改正をどう読むか、さらに今後の活動にどう活かしていけるのか、一緒に考えましょう。
シンポジスト 伊澤雄一(全国精神障害者地域生活支援協議会)
藤岡 毅(自立支援法訴訟弁護団)
山口弘美(日本病院・地域精神医学会)
増田一世(やどかり情報館)
コーディネーター 尾上義和(NPO法人アシストセンター介)、加藤房子(全国精神障害者地域生活支援協議会)
◇シンポジウム2◇ 医療観察法の光と影 −施行後4年を迎えて−
賛否両論のなかで制定された医療観察法は、2005年の施行後まもなく4年を迎えます。長い間精神保健福祉法の下で医療の対象とされてきた重大な他害行為を行った精神障害者は、この法律の施行後、その処遇が地方裁判所の審判によって決定され、これまでとは異なった仕組みの中での治療と社会復帰の機会が与えられることになりました。
施行後、さまざまな立場の人々がこの法律に関わってきましたが、果たしてこの法律にはどのような利点があり、どのような欠点があるのだろうか、施行後ほぼ4年を経てそろそろ見えてきたことも多いのではないでしょうか。
本シンポジウムでは、医療職、保健福祉職あるいは法律家としてこの法律に実際に携わってきた関係者に運用の実情、評価、今後の課題などについて述べていただき、今後この法律にどう向き合っていくべきなのか、一緒に考える機会としたいと思います。
シンポジスト 岩尾俊一郎(兵庫県立光風病院)
伊東秀幸(日本精神保健福祉士協会)
山下幸夫(東京弁護士会)
指定発言 稲村義輝(横浜保護観察所)
コーディネーター 伊藤哲寛(日本精神神経学会)、金田一正史(全国精神保健福祉相談員会)
◇シンポジウム3◇ このままでいいの? 精神障害者の人権と暮らし−障害者の権利条約とわたしたちに問われるもの−
今、日本国内では精神障害者の地域移行が精神医療福祉の重要な政策課題となっています。この課題を「権利」という切り口で捉え直してみると、地域でごく普通に暮らすことを妨げられてきた人々は、長年にわたり「人間として生きる権利」を奪われてきたと言えます。その重大な権利侵害に、国も、精神保健に従事するわたしたちも、そして市民も加担してきたのだという自覚を求められます。これらの人々の失われた時間と尊厳、損なわれた権利をいかに取り戻していくのかが問われているのです。
本シンポジウムでは、2006年に国連で採択された「障害者権利条約」に焦点をあてます。条約について学び、国内法における問題点を確認し、障害のある人の権利保障のための法制度体系の再構築に求められること、そして、わたしたちが実践において問われているもの(支援の視点、障害観等)を明らかにすることを目的として意見交換を行います。
行政報告 志野光子(外務省総合政策局人権人道課)
シンポジスト 山本真理(全国「精神病」者集団)
三宅祐子(福祉新聞記者)
岩崎 香(日本精神保健福祉士協会)
コーディネーター 藤井克徳(日本障害者協議会)、木太直人(日本精神保健福祉士協会)
地下鉄からのアクセス方法
◇地下鉄都営新宿線・東京メトロ半蔵門線「神保町駅」A1出口より徒歩3分
◇地下鉄都営三田線「神保町駅」A8出口より徒歩5分
◇東京メトロ東西線「竹橋駅」1b出口より徒歩5分
◇地下鉄都営新宿線・東京メトロ東西線・半蔵門線「九段下駅」6番出口より徒歩7分
(社)日本作業療法士協会 気付 精従懇事務局(担当;宮井) TEL.03-5826-7871 FAX.03-5826-7872