<2008/10/16>
10月14日(火)午後3時より、金融庁11階共用会議室において、第6回「精神保健福祉士の養成の在り方等に関する検討会」が開催されました。
前回での構成員からの意見をふまえた中間報告書案が再度提示され、今回で最終的なまとめを行いました。中間報告書は以下のような構成となっています(配布資料は、後日WAMNETで公開され次第、リンクでご紹介します)。
1.はじめに
2.求められる精神保健福祉士の役割及び必要となる技術
(1)この10年間での変化
(2)今後の精神保健福祉士に求められる役割
・中核の業務として担うべき役割
・精神保健の課題の拡大を背景として拡がった役割
(職域の拡大/求められる支援の多様化)
(3)必要となる技術
3.求められる役割を踏まえた対応
(1)現状と課題
(2)具体的な対応
・精神保健福祉士の役割の理解の深化
・他職種・関係機関との連携の重要性の明示
・カリキュラムの充実
・実習・演習にかかる水準の確保
・資格取得後の資質の向上
4.今後の検討について
この中間報告書は、本検討会の中間まとめとして本日の検討内容を取りまとめた後に公表される予定です。また、「今後の精神保健医療福祉のあり方検討会」や「社会保障審議会障害者部会」に報告されるものです。
国家資格化されてから、精神保健福祉士は精神障害者の社会復帰に一定の成果をあげてきたこと、職域の拡大として、行政・司法・教育関連・労働の分野においても求められる役割が拡がってきたこと等が盛り込まれました。それに伴い、支援も多様化しており、従来からの相談援助技術に加えて、関連援助技術も必要となってきていることが挙げられました。
そして、今後の精神保健福祉士養成にとって必要な、他職種・関係機関との連携についての教育や、カリキュラム、実習演習の水準確保等についても言及され、また資格取得後も資質の向上のために研修等が重要であること、その機会の提供を関係機関等からも支援すべきであることが記されました。
今回の最終調整の中では、精神保健福祉士は疾患そのものに対応するのではなく、疾患や社会経済状況に関連する当事者の生活困難課題への援助といった生活者の視点をもつことが資格の専門性であることが確認されました。
その他に、社会福祉士法の改正により誠実義務が加わったことにも触れられ、国家資格化してから有資格者の質の担保の課題が出ており、一人ひとりにより高い倫理性が求められることから、精神保健福祉士法にも誠実義務が必要ではないか、といった方向にも話が及びました。
今後の本検討会は、この中間まとめでいったん休会となり、年が明けてから養成カリキュラムについての検討に入る予定です。また、その具体的な検討にあたっては、ワーキングチームを設置し、行っていくこととなっています。
傍聴記録:事務局 植木晴代
※今回の配布資料については、WAMNET(http://www.wam.go.jp/index.html)で公開され次第、リンクを貼ります。