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<2008/08/29>

厚労省「第4回精神保健福祉士の養成等の在り方に関する検討会」開催される

 8月29日(金)午前10時より、金融庁共用第1特別会議室において、第4回「精神保健福祉士の養成の在り方等に関する検討会」が開催されました。

 本日は、前回の議論を踏まえて、(1)求められる精神保健福祉士の役割について、(2)求められる役割を踏まえた対応について、が議題となりました。ご都合により古川構成員は欠席され、構成員7名で行われました。

 制度創設当初求められた精神保健福祉士の役割は、誕生後10年を経て、精神保健の課題の拡大を背景として職域や役割も拡がっている、という前回の指摘を反映してまとめられた資料が提示され、それをもとに意見交換がされ、(1)については今回でほぼオーソライズされた形となりました。

 寺谷構成員より「福祉人材確保の側面から、例えば任用制度や必置義務等についても触れてほしい」という意見があり、谷野構成員からも「マンパワーの確保にもっと力を入れていくべき」と指摘がありました。ただ、「単純に必置義務を謳うのではなく、(福祉職全般に言えることだが)待遇問題や人材養成のことも合わせて考えていかないと難しい」とも触れられました。また、大塚構成員からの「前回話し合われた予防や普及啓発の面でも、精神保健福祉士は力になれるということは盛り込み方が難しいのであるなら今後の検討に残す形にしていただけるとよい」という意見に、鹿島構成員からも「国民に対する普及啓発では、やはり特に行政の分野では力を入れるようにできるとよい」と、また、新保構成員からは「精神障害者の暮らしに関わる課題は、当然啓発を抜きにしては語れない」ということが議論されました。「役割が多様化しているのは事実だが、精神保健福祉士としてのアイデンティティがわからなくなってしまうことがないよう、基底となる大枠の理念を大切にするべき」という話がシンポ構成員や石川構成員から語られました。

 求められる役割を踏まえた対応についての議論では、やはり養成課程の在り方、カリキュラム特に実習・演習についての言及がなされました。谷野構成員より「せっかく福祉の道を進もうと大学に入って資格を取っても、一般企業に就職してしまう学生が多いように思う。その原因について分析する必要があるのではないか」といった指摘や、「専門性を深めることは大切だが、それをどこがどのように行うのかまで考える必要がある。学校なのか、行政なのか、(職能団体である)日本精神保健福祉士協会なのか」等、卒後の研修制度についての必要性も議論されました。同時に職能団体等だけでは厳しく、受講にさいしても資格取得者個人の意識のみに任せるのも厳しく、国のバックアップも検討してほしいと意見が出ました。また、教育ではもっと現況に即した内容、学生の意識醸成のできるカリキュラム・実習にしていくべきということに加え、実習に関しても実習指導教員や実習指導者の資質の担保に力を入れていかなくてはいけないという指摘がされました。また、実習先については、多様な分野に職域が広がっているとはいえ、まずは基礎となる精神科病院の実習は欠かせないこと、障害者自立支援法にもより事業種類は多様化しているので、実習を担保するのは指導者である人が肝要となることなど、より力のある精神保健福祉士を養成できるよう見直す必要について議論され、今後カリキュラムについてもさまざまに見直す点があるということが共有されました。

 次回検討会では、中間まとめの骨子案が提示される予定です。第5回は9月に予定されています(日時は後日調整後決定されます)。

傍聴記録:事務局 植木晴代

※今回の配布資料については、WAMNET(http://www.wam.go.jp/index.html)で公開され次第、リンクを貼ります。


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