<2008/07/17>
去る6月2日、北京五輪組織委員会より「五輪期間における外国人出入国・中国滞在期間に関する法律指針」(指針)が発表されたことが「人民中国」「北京週報」「チャイナネット」等で報道され、これによると、「五輪開催期間中の入国が禁止される」外国人として、「精神病・ハンセン病・性病・開放性肺結核等の伝染病に罹患している」者が挙げられていました。
この指針の内容は、精神障害者やハンセン病者とその回復者、エイズを含む性感染症患者、結核患者などへの偏見や誤解を助長するおそれがあり、本協会としては、国内の障害関係団体が共同して是正を求めることが肝要との認識から、6月23日、本協会が加盟する日本障害者協議会など全国的な障害関係団体で構成される日本障害フォーラム(JDF)に要望書(下記1)を提出しました。
JDFでは本協会からの要望書等を踏まえ、7月11日、中国大使館、JOC、外務省の各代表者宛に要望書(下記2)を提出しました。
また、本協会、日本社会福祉士会、日本医療社会事業協会、日本ソーシャルワーカー協会で構成する社会福祉専門職団体協議会としては、7月4日の代表者会議での協議により、ハンセン病市民学会が在日中国大使館に撤廃を求める要望書に賛同団体として名を連ねることになりました。
その後、日本政府は北京で7月15、16日に開催される「日中人権対話」で、ハンセン病患者を入国禁止とする北京五輪組織委員会の出入国指針について見直すよう中国側に要請しましたが、「中国側から具体的な回答はなかった」との報道がありました。
本協会としては、平和の祭典であるオリンピック、そしてパラリンピックが、5月発効の「障害者権利条約」や国連人権理事会で採択された「ハンセン病差別撤廃決議」(6月)を踏まえ、すべての人々の祭典として開催されることを切に願い、引き続き、関係団体と連携した取り組みを検討していきます。
1.北京五輪組織委員会による「五輪期間における外国人出入国・中国滞在期間に関する法律指針」に対する是正要望への取り組みについて(お願い)
2.北京五輪組織委員会による「五輪期間における外国人出入国・中国滞在期間に関する法律指針」の是正のお願い