<2007/07/03>
7月26日(木)、三田共用会議所講堂において、厚生労働主催による「精神障害者の地域生活支援を考えるシンポジウム」が開催されます(参加定員400名/先着順)。
本シンポジウムのパネルディスカッションには、本協会の大塚常務理事もパネラーとして出席します。
参加ご希望の方は「参加登録申込書」(Microsoft Word:52KB)に必要事項をご記入のうえ、7月20日(金)までにFAXにて「シンポジウム受付事務局(名鉄観光サービス株式会社新霞が関支店)まで送信してください。
精神障害者の地域生活支援を考えるシンポジウム
開催要綱
1.開催趣旨
障害者自立支援法が施行されましたが、受入条件が整えば退院可能な精神障害者の退院促進、地域生活を支えるサービスの充実など、精神障害者の地域生活支援については多くの課題が存在しています。
そこで、地域で先駆的に事業を実施されている方による実践発表(平成18年障害者自立支援調査研究プロジェクト事業の事業報告)、パネルディスカッションなどを通じ、精神障害者の地域生活支援、退院促進の取組等に関して理解を深め、その充実のために何が必要かを考えるものです。
2.主催
厚生労働省
3.開催日時
平成19年7月26日(木) 10時30分〜16時30分(受付:10時〜)
4.開催場所
三田共用会議所講堂(東京都港区三田2丁目1番8号)
東京メトロ南北線、都営地下鉄大江戸線 「麻布十番駅」下車 2番出口より徒歩5分
JR山手線 「田町駅」下車 徒歩20分
都営地下鉄三田線・浅草線 「三田駅」下車 徒歩20分
5.シンポジウムプログラム(敬称略)
時 間 | 内 容 | シンポジスト等 |
10:00〜10:30 | 受 付 | - |
10:30〜10:40 | あいさつ | 中村吉夫:厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長 |
10:40〜12:10 | 平成18年障害者自立支援調査研究 プロジェクト事業の事業報告 |
1)精神障害者退院促進支援並びに地域生活移行推進モデル事業 田尾有樹子(社会福祉法人巣立ち会理事) 2)過疎高齢化、産業低迷地域における就労支援の実践的研究、住民ネットワークを活用した地域振興型就労支援モデル事業 桝田道敏(特定非営利活動法人ハートinハートなんぐん市場理事長) 平井朝実( 〃 理事) 長野敏宏( 〃 理事) |
12:10〜13:30 | 休 憩 | - |
13:30〜14:30 | 浦河べてるの家の取組 当事者による公開座談会 〜精神障害者の地域生活について考える〜 |
向谷地生良(北海道医療大学看護福祉学部教授) 川村敏明(浦河赤十字病院精神神経科部長) 岩田めぐみ((株)エムシーメディアン浦河サテライトスタッフ) 清水里香(浦河べてるの家スタッフ) |
14:30〜14:40 | 休 憩 | - |
14:40〜16:30 | パネルディスカッション 〜精神障害者の地域生活支援の充実と退院促進のために何が必要か?〜 |
[司会] 武田牧子(厚生労働省障害福祉課地域移行専門官) [パネラー] 大塚淳子(精神保健福祉士) 小栗静雄((社福)北海道社会事業協会帯広病院ソーシャルワーカー) 澤 温(さわ病院院長) 谷野亮爾(谷野呉山病院院長) 広田和子(精神医療サバイバー) |
6.参加定員
400名
7.参加費
無料
シンポジストのプロフィール
【平成18年障害者自立支援調査研究プロジェクト事業の事業報告】
田尾 有樹子(たお ゆきこ)/社会福祉法人巣立ち会理事
1992年に任意団体巣立ち会設立、2002年に社会福祉法人巣立ち会設立、理事就任し現在に至る。日本社会事業大学通信教育課程教員。巣立ち会設立当初から社会的入院の解消に取り組み、2005年には東京都退院促進支援モデル事業を、2006年には東京都退院促進コーディネート事業を受け、現在までに約130名の社会的入院者の退院を支援し、退院促進支援に積極的に取り組んでいる。現在巣立ち会では障害者福祉サービス事業所として日中活動の場3ヶ所(定員90名、実人数約150名)、グループホーム8ヶ所(定員61名)の活動を行っている。
桝田 道敏(ますだ みちとし)/特定非営利活動法人ハートinハートなんぐん市場理事長
大分県生まれ。愛南町に住んで30年になる。地元清掃会社滝野産業に勤務の傍ら、体育指導、PTA活動、地域伝統文化保存活動に加え、精神保健福祉ボランティア活動に15年に渡り精力的に取り組んできた。「進める会」南宇和福祉リサイクル活動代表。平成19年6月には永年務めた会社を退職し、当法人理事長となった。
平井 朝実(ひらい ともみ)/特定非営利活動法人ハートinハートなんぐん市場理事
愛南町生まれ。宇和島東高校商業科卒。簿記一級(全国商業高等学校協会主催)。平成12年から当法人の基盤となった。「進める会」南宇和福祉リサイクル活動の会計を一手に担ってきた。現在就労支援A型事業所のスタッフとして会計を担当している。
長野 敏宏(ながの としひろ)/特定非営利活動法人ハートinハートなんぐん市場理事
愛媛県生まれ。精神科医。愛南町に住んで10年。地域ネットワークや住民活動に主軸を置いている。地元精神科病院院長。南宇和心の健康を考える会会長。南宇和障害者の社会参加を進める会副会長。
【浦河べてるの家の取組:当事者による公開座談会】
向谷地 生良(むかいやち いくよし)/北海道医療大学看護福祉学部教授
青森県出身。1978年4月より北海道日高にある浦河赤十字病院医療社会事業部に精神科専属のソーシャルワーカーとして勤務。精神障害を体験したメンバーと共に、地域活動拠点「浦河べてるの家」の発足(1984年4月)に関わる。2003年4月より、北海道医療大学看護福祉学部で教鞭をとる。
川村 敏明(かわむら としあき)/浦河赤十字病院精神神経科部長
北海道出身、浦河べてるの家の設立に関わり、25年間、一貫して精神障害をかかえる当事者の地域生活支援にかかわる。モットーは「治せない、治さない精神科医をめざしています」。浦河べてるの家理事。
岩田 めぐみ(いわた めぐみ)/(株)エムシーメディアン浦河サテライトスタッフ
京都府出身、22歳で統合失調症を発症、幻覚妄想に影響されてたびたび入退院を経験。入院中に新聞記事で浦河のことを知り浦河に居住。当事者研究に取り組む。現在、(株)エムシーメディアン浦河サテライトのスタッフとして活躍中。
清水 里香(しみず りか)/浦河べてるの家スタッフ
栃木県出身、22歳(OL)で統合失調症を発症、「サトラレ」に苦しみ、ひきこもり状態に陥る。8年前から浦河で暮らし、仲間づくりや就労に挑戦、現在は、浦河べてるの家の当事者スタッフとして活躍中。
※浦河べてるの家
1984年4月に回復者クラブのメンバーと地域の有志によって設立される。精神障害体験者の地域貢献、社会進出を旗印に「商売」として日高昆布の産地直送、紙おむつの宅配に挑戦。1993年6月には、べてるのメンバーの他、全国の出資者を得て有限会社福祉ショップべてるを設立。その後、本格的に福祉関連事業に進出、その他、出版事業、教育研修事業、メンテナンス、配送、赤十字病院の給食関連業務の請負、地域の企業とのタイアップ事業などに知的、身体、精神の障害を持つ総勢100名をこえる当事者が関わる規模に成長。2002年、全国ではじめて当事者が理事長・施設長に就任し、社会福祉法人を設立、地域福祉の担い手として、小規模授産施設、グループホームを運営、地域にも活動拠点を確保し地域と一体となった事業を展開中。1999年度日本精神神経学会第1回医療奨励賞、2000年度若月賞(川村敏明医師)、2003年毎日福祉賞及び保健文化賞、2005年札幌弁護士会人権賞を受賞。
【パネルディスカッション】
武田 牧子(たけだ まきこ)/厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課地域移行専門官
臨床検査技師。精神保健福祉士。昭和53年精神科病院に臨床検査技師として就職。昭和63年病院を退職。まるべりー共同作業所開設。平成5年社会福祉法人桑友設立。精神障害者社会復帰施設運営。地域の商工会などに参画し、会社や病院等の役員を引き受け、精神障害者の雇用先の確保に努める。平成19年5月より現職。
大塚 淳子(おおつか あつこ)/精神保健福祉士
(社)日本精神保健福祉士協会常務理事、社会福祉法人つくりっこの家理事、練馬区に生活支援センターを作る会共同代表。身体障害者入・通所授産施設勤務時代の体験から、特に精神障害と他障害の重複障害者のケアには関心が深く、社会資源は誰もが使える形が有効と考える。精神科病院勤務、慢性期病棟担当時代には、長期入院者の社会生活体験の重要性を考えグループホームや共同住居における体験宿泊等支援を実践。外来担当時代は地域生活支援センター作りを通して、関係者のみでなく当事者・家族のエンパワメントを中心に地域内ネットワーク形成や活性化を図る。現在、退院促進支援事業の人材としても重要な精神保健福祉士の質の向上を図ることに努めている。
小栗 静雄(おぐり しずお)/社会福祉法人北海道社会事業協会帯広病院ソーシャルワーカー
1968年より現職。1980年代から地域の社会資源創りを本格化させる。1988年代から市民を対象とした「精神保健ボランティア講座」開催を全道展開。
澤 温(さわ ゆたか)/医療法人北斗会理事長・さわ病院院長
精神医療の開放化、外来化、地域化を推し進めている。特に精神障害者の社会復帰とそれをバックアップする救急医療に力を入れており、社会復帰としては、デイケアや訪問看護などの医療的サポートを中心とし、通所授産施設、福祉工場、グループホームや福祉ホーム、ケア付きアパート、地域で在宅する精神障害者のための地域活動支援センターなど、精神障害者が地域で生活しやすいように医療と福祉のサポート体制の充実を図っている。
谷野 亮爾(たにの りょうじ)/医療法人社団和敬会理事長・谷野呉山病院院長
・私は、昭和44年金沢大学医学部を卒業しております。有名な金沢学会の時でした。といっても、ここにお集まりの方々は、殆ど記憶にない、又はこの世に生を受けていない方が殆どであると思います。
・あすなろ会のこと。(仲間と共に退院しよう)
・第14回精神障害者リハビリテーション学会のこと。(富山宣言について)
・最近における三大失敗政策について。(卒後研修制度、医療観察法、障害者自立支援法)
・地域医療福祉の崩壊。(医師がいない、看護師がいない、社会福祉職もいない)
・精神障害者にとって偏見をなくすことは、地域医療経済に貢献し地域の方々と仲良くなること。
広田 和子(ひろた かずこ)/精神医療サバイバー
1983年出社拒否の状態で精神科病院受診。88年医療ミスの注射の副作用で緊急入院。29日で生還。89年患者会入会。
日本精神科救急学会評議員。神奈川人権センター人権ケースワーカー。横浜市障害者施策推進協議会委員。横浜市南区ご近所フォーラム実行委員長。ピアサポートみなみアドボケイト(人権擁護人)。
退院促進のため、入院時から本人、家族にサポート活動を行っている