<2006/10/24>
10月23日付けの新聞報道などで掲載されました障害者自立支援法施行後、福祉サービスの利用をやめた人の割合が0.39%に留まっているとした厚生労働省発表の「障害者自立支援法の実施状況について」は次のとおり。
新聞報道にもあった1割負担を理由に利用を中止した人の割合が0.39%とする数字は、あくまで14都道府県の単純平均値であることや、厚労省発表に対して、幾つかの当事者関係団体が疑問を投げかける見解やコメントを出していることなど、今回の調査結果については、慎重にみていく必要がありそうです。
1.介護給付費等の状況
(1)定点市町村における平成18年6月分の障害福祉サービスに要する費用は、前年同月比で2.5%の増加となっており、全体のサービス量が増えている。
(2)居宅、通所、入所ともに増加しているが、特にグループホームは、16.6%の増加と、「地域移行」を進める上での中核となるサービスとして着実に伸びている。
2.サービス利用に関する実態
サービス利用の実態について調査を行い、結果を公表している26都道府県における状況を厚生労働省において取りまとめたところ結果は以下のとおり。
(1)利用者負担を理由とした利用の中止
通所・入所施設等において、利用者負担を理由に退所した者(調査対象期間中の累計)の利用者数等に対する割合は、14都道府県の単純平均で0.39%(1月当たりでみれば0.13%)。
これを各月ごとにみると、月を追うごとに退所者が減少する傾向にある。
(2)利用控え
通所日数を減らすなどの利用控えの割合(複数月の累計)については、調査を行っている4県で0.6%〜2.0%(単純平均値は1.05%(1月当たりでみれば0.32%))。
(3)合計利用者数の推移
利用者について調査を行っている県の状況をみると、利用者は増加している。
3.所得階層区分の認定状況、負担上限等の減免状況
平成18年6月末現在の定点市町村における所得階層区分の認定状況、負担上限額等の減免・軽減状況をみると、以下のとおりである。
(1)施設入所者の9割以上が、生活保護(負担なし)、低所得1(15,000円の月額上限)または低所得2(24,000円の月額上限)となっており、低い上限額の認定を受けているほか、68.0%が、個別減免等を受けている。
(2)グループホームについては、利用者の68.1%が個別減免等を受けている。