<2006/05/23>
医療制度改革関連法案は、22日午後の参議院本会議において、小泉総理出席のもとに趣旨説明・質議が行われ、本院における審議がいよいよスタートすることとなった。
明日以降、法案審議はよいよ参議院厚生労働委員会の場に移ることとなる。参院厚労委の開催定例日は火・木曜日。
明日(23日)の厚労委員会は、趣旨説明の聴取までは与野党合意に至ったものの、趣旨説明後、即、審議入りを求める与党と、衆議院での強行採決を真摯に受け止め、明日の審議入りは見送るべきだとの野党とが合意できず物別れに終わっており、冒頭から波乱含みの幕開けとなりそうだ。
今日の本会議では、民主党は山本孝史議員が質問に立ち、冒頭、衆議院における同法案の強行採決について抗議するとともに、本院における十分な審議時間の確保を強く求めた。
総理に対しては、まず、小泉政権の5年間がセイフティーネットの縮小をもたらしたと糾弾、社会保障に係る「必要最低限度の部分」についての具体的内容と社会保障の将来像を質した。
今回の医療制度改革については、「患者負担増についての認識」「医療崩壊を招きかねない診療報酬の引き下げについての考え方」「独立型の高齢者医療制度に内在する“姥捨て山”的発想への危惧」「医療保険制度の一本化の動きと相反する独立型高齢者医療制度創設の是非」「健診の義務付けに対する疑義」「いつでも、どこでも、誰もが最良の医療を受けられる体制作り」等々、多方面にわたる視点からの質疑を繰り出した。
また、自身のがん治療の経験を通し、これ以上わが国における「がん難民」を放置することのないよう、がん対策に係る法律について、すでに提出されている民主党案と、現在検討中の与党案を一本化する形での今国会での成立の必要性を訴えた。
同時に、今国会での提出が検討されている自殺予防に係る総合対策推進の法律についても今国会での成立を求め、与野党を超えての協力を求めた。
対する政府側からは、総理が「国会における十分な議論を」との発言があったものの、これまでの審議から踏み込んだ答弁には至らなかった。(Asahi21
≪F&M-Letter≫2006/05/22)