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<2007/02/06>

介護保険制度有識者会議、障害者団体からヒアリング

 厚生労働省は2月5日、第5回目となる介護保険制度の被保険者・受給者範囲に関する有識者会議(委員一覧:PDF)を開催し、「介護保険制度の被保険者・受給者範囲」について障害者8団体からのヒアリングを行った。

 ヒアリング出席者は発言順に、森祐司氏((福)日本身体障害者団体連合会常務理事)、安藤豊喜氏((財)全日本ろうあ連盟理事長)、大濱眞氏((社)全国脊髄損傷者連合会副理事長)、三澤了氏((NPO)DPI日本会議議長)、尾上浩二氏(同事務局長)、藤井克徳氏(日本障害者協議会常務理事)、松友了氏((福)全日本手をつなぐ育成会常務理事)、江上義盛氏((財)全国精神障害者家族会連合会専務理事)、笹川吉彦氏((福)日本盲人会連合会長)。

 ヒアリング出席者からは、昨年10月から完全施行された障害者自立支援法に対する課題があげられるとともに、「障害者自立支援法等が定着するまでの間は、介護保険の適用問題の検討は凍結すべき」、「自立支援法施行による重大な影響の早急な解決が先決」、といった拙速な議論は避けるべきとの意見が相次いだ。また、わが国の社会保障のあり方、障害者施策を含めた財源のあり方等、根本的な方向性をまず明確に提示するべきといった問題提起もなされた。一方で、今回のヒアリングに際しては、同有識者会議の開催のあり方・内容が障害者団体に十分に周知されていない中で意見を求められることに対しての批判もあった。

 ヒアリングを受けて有識者委員からは、現行の介護保険では若年障害者の就学や就労支援等のカバーできない部分があることを前提に、例えば身体介護等の部分や、「尊厳ある自立支援」という視点での共有化ができないものか、といった疑問が出された。これに対して、ヒアリング出席者からは、「年齢や性別、障害の種別等に関係なく、個々のニーズに対応可能なサービスが提供されるべき」といった原則のところでは一定の共通認識があったものの、「当初“介護の社会化”をめざした現行の介護保険制度自体が様々な問題を抱えているのではないか」「個々人への支援が基礎にあっての『自立』ではないのか」といった発言があった。

 また、有識者委員からは「社会保障全体の中で介護保険は作られてきたが障害者施策についてはまだコンセンサスが得られていないのでは」、「(有識者会議の)回を重ねるほど頭の中で整理がつかず混乱する」といった意見も出されていた。

 次回の同有識者会議は3月7日(水)の16時から開催し、このテーマについて実施されている調査について報告される予定。(Asahi21 ≪F&M-Letter≫2007/02/05)


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