要望書・見解等

2009年度


標  題 精神保健福祉士養成課程における実習施設等の見直しについて(要望)
日  付 2010年3月23日
発翰番号 JAPSW発第09-368号
発 信 者 社団法人日本精神保健福祉士協会 会長 竹中秀彦
提 出 先 厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長 木倉敬之

 平素より精神障害者をはじめとした障害者施策の発展充実にご尽力を賜り、厚くお礼申しあげます。また、本協会の活動に多大なご理解ご協力をいただいておりますことも合わせてお礼申しあげます。

 さて、「精神保健福祉士の養成の在り方等に関する検討会」(以下「検討会」という。)が本年3月2日の第8回をもって終了したところですが、第8回検討会において「精神保健福祉士養成課程における教育内容等の見直しについて(案)」が示され、実践力の高い精神保健福祉士を養成する観点から、実習・演習に関する養成内容についても充実強化を図ることとしたことは、歓迎すべきことと受け止めております。

 教育内容等の見直しの一環として、精神保健福祉援助実習を行う実習施設の範囲等については、検討会の意見も踏まえて貴省において見直しが図られることとなりますが、本協会としまして下記の点について要望いたしますので、何卒ご高配を賜りたくお願い申しあげます。
なお、実習施設及び実習指導者の確保につきましては、本協会としても関係機関・団体等の理解・協力を仰ぎながら全力で取り組む所存であることを申し添えます。

【要望事項】

1.職域の拡大や求められる支援の多様化により精神保健福祉士の役割が拡がっている現状に鑑み、実習施設の範囲の見直しに当たっては、現行の施設に準ずる施設又は事業として、精神保健福祉士養成課程における実習指導者の資格要件を満たす者が従事しており、かつ精神障害者が支援の対象に含まれる以下の施設または事業も加えてください。

  • 1)心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律に規定する社会復帰調整官を配置している保護観察所
  • 2)児童福祉法に規定する児童相談所、母子自立支援施設及び児童家庭支援センター
  • 3)生活保護法に規定する救護施設、更正施設
  • 4)都道府県及び市町村の事業運営要綱等に基づき運営される障害者小規模作業所
  • 5)市町村における障害福祉担当課
  • 6)社会福祉法に規定する福祉に関する事務所及び市町村の区域を単位とする社会福祉協議会
  • 7)障害者の雇用の促進等に関する法律に規定する広域障害者職業センター、地域障害者職業センター及び障害者就業・生活支援センター
  • 8)職業安定法に規定する公共職業安定所
  • 9)売春防止法に規定する婦人相談所及び婦人保護施設
  • 10)介護保険法(平成九年法律第百二十三号)に規定する介護老人保健施設及び地域包括支援センター並びに居宅サービス事業のうち通所介護、通所リハビリテーション、短期入所生活介護、短期入所療養介護又は特定施設入居者生活介護を行う事業、地域密着型サービス事業のうち認知症対応型通所介護、小規模多機能型居宅介護、認知症対応型共同生活介護、地域密着型特定施設入居者生活介護又は地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護を行う事業、居宅介護支援事業、介護予防サービス事業のうち介護予防通所介護、介護予防通所リハビリテーション、介護予防短期入所生活介護又は介護予防短期入所療養介護を行う事業、地域密着型介護予防サービス事業のうち介護予防認知症対応型通所介護、介護予防小規模多機能型居宅介護又は介護予防認知症対応型共同生活介護を行う事業並びに介護予防支援事業
  • 11)老人福祉法に規定する老人デイサービスセンター、老人短期入所施設、養護老人ホーム、特別養護老人ホーム、軽費老人ホーム、老人福祉センター、老人介護支援センター及び有料老人ホーム並びに老人デイサービス事業
  • 12)更正保護事業法に規定する更正保護施設
  • 13)発達障害者支援法に規定する発達障害者支援センター
  • 14)文部科学省が主管する学校・家庭・地域の連携協力事業として位置づけられているスクールソーシャルワーカー活用事業を行う教育委員会等
  • 15)企業等に対していわゆるEAP(従業員支援プログラム、Employees Assistance Program)を行う事業所等
  • 16)刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律に規定する刑事施設及び構造改革特別区域法施行令の規定により委託を受けて運営される社会復帰促進センター
2.教育内容等の見直しについて(案)には、実務経験施設の範囲について実習施設の範囲との整合性を図りつつ見直しをする、もしくは検討するとあります。今回の新カリキュラム案において医療機関における90時間以上の実習の必須化を図ることに鑑み、医療機関以外の実務経験者においては、90時間以上の医療機関の実習を必須としてください。

3.新たな教育カリキュラムの内容として示されている各専門科目の想定される教育内容の例のうち、「精神保健福祉相談援助の基盤T」の「相談援助の理念」に「自己決定の尊重」や「人と状況の全体性」等を記載してください。

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標  題 「精神保健福祉士養成課程における教育内容等の見直しについて(案)」に係る要望
日  付 2010年3月18日
発翰番号 JAPSW発第09-356号
発 信 者 社団法人日本精神保健福祉士協会会長及び都道府県精神保健福祉士協会等会長連名
提 出 先 厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長 木倉敬之

 平素より精神障害者をはじめとした障害者施策の発展充実にご尽力を賜り、厚くお礼申しあげます。また、本協会並びに都道府県精神保健福祉士協会等の活動に多大なご理解ご協力をいただいておりますことも合わせてお礼申しあげます。

 さて、「精神保健福祉士の養成の在り方等に関する検討会」(以下「検討会」という。)が本年3月2日の第8回をもって終了したところですが、第8回検討会において「精神保健福祉士養成課程における教育内容等の見直しについて(案)」が示され、実践力の高い精神保健福祉士を養成する観点から、実習・演習に関する養成内容についても充実強化を図ることとしたことは、歓迎すべきことと受け止めております。

 しかしながら、実習指導者の要件については、一部に容認しがたい事項が含まれていることから、本協会としましては理事会の議決のもと、かつ都道府県精神保健福祉士協会等の賛同(別紙)を得て、下記の点について強く要望いたします。何卒ご高配を賜りたくお願い申しあげます。

【要望事項】

 「実習指導者に係る基準の見直し」において、実習指導者の資格要件として「地域の障害福祉サービス事業を行う施設等における、障害者を対象とした相談援助の実習指導については、社会福祉士の実習指導者による指導も可能とすること」とされております。
 この項目を除外してください。

【要望事項の趣旨および理由】

1.精神保健福祉士資格の養成課程において、特に専門的な知識及び技術を実践的に習得すべく設定されている「精神保健福祉援助実習」の指導を、他の国家資格を有する者から受けることができるとすることに関しては、その整合性を見出すことがきません。

2.実習の充実強化に関連して、地域の障害福祉サービス事業を行う施設等と精神科病院等の医療機関の両方で必ず行うことが、精神保健福祉士の専門性の確保の観点から不可欠であるとされ、実習時間も拡充が図られております。このことに関連して、拡充に伴う実習先や実習指導者の確保に対する懸念が、実習指導者の資格要件の拡大につながった一因と聞きますが、実習先および実習指導者の確保に関しては別紙の状況に基づき、十分に可能であると考えます。

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標  題 「精神保健福祉士養成課程における教育内容等の見直しについて(案)」に係る要望
日  付 2010年3月18日
発翰番号 JAPSW発第09-355号
発 信 者 社団法人日本精神保健福祉士協会会長及び46都道府県支部長連名
提 出 先 厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長 木倉敬之

 平素より精神障害者をはじめとした障害者施策の発展充実にご尽力を賜り、厚くお礼申しあげます。また、本協会の活動に多大なご理解ご協力をいただいておりますことも合わせてお礼申しあげます。

 さて、「精神保健福祉士の養成の在り方等に関する検討会」(以下「検討会」という。)が本年3月2日の第8回をもって終了したところですが、第8回検討会において「精神保健福祉士養成課程における教育内容等の見直しについて(案)」が示され、実践力の高い精神保健福祉士を養成する観点から、実習・演習に関する養成内容についても充実強化を図ることとしたことは、歓迎すべきことと受け止めております。

 しかしながら、実習指導者の要件については、一部に容認しがたい事項が含まれていることから、本協会としましては理事会の議決のもと、下記の点について強く要望いたします。何卒ご高配を賜りたくお願い申しあげます。

【要望事項】

 「実習指導者に係る基準の見直し」において、実習指導者の資格要件として「地域の障害福祉サービス事業を行う施設等における、障害者を対象とした相談援助の実習指導については、社会福祉士の実習指導者による指導も可能とすること」とされております。
 この項目を除外してください。

【要望事項の趣旨および理由】

1.精神保健福祉士資格の養成課程において、特に専門的な知識及び技術を実践的に習得すべく設定されている「精神保健福祉援助実習」の指導を、他の国家資格を有する者から受けることができるとすることに関しては、その整合性を見出すことがきません。

2.実習の充実強化に関連して、地域の障害福祉サービス事業を行う施設等と精神科病院等の医療機関の両方で必ず行うことが、精神保健福祉士の専門性の確保の観点から不可欠であるとされ、実習時間も拡充が図られております。このことに関連して、拡充に伴う実習先や実習指導者の確保に対する懸念が、実習指導者の資格要件の拡大につながった一因と聞きますが、実習先および実習指導者の確保に関しては別紙の状況に基づき、十分に可能であると考えます。

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標  題 平成22年度厚生労働省関係予算要望事項及び文部科学省関係予算要望事項
発 信 者 社団法人日本精神保健福祉士協会 会長 竹中秀彦
集 約 先 日本発達障害ネットワーク

【厚生労働省関係】

1.発達障害者等の支援に関わる専門職の育成について
 発達障害者(児)とその家族等に対する支援は、発達障害者支援センターに限らず精神保健福祉センター、児童相談所、医療機関、障害者相談支援事業所等において精神保健福祉士をはじめとする専門職が担っている現状がある一方で、発達障害等の支援に関する十分な知識がないまま対応している状況から、発見や必要な支援の確認などに影響することも考えられます。研修の機会は広く対人援助専門職を対象に提供される必要があります。
2.発達障害者等支援の人材育成の研修に係る教材等の開発について
 上記研修に使用する教材やシラバス等に関する開発及び研修の実地方法等に関する研究事業を補助金等によって行うことが必要です。
3.既存のネットワーク活用事業の位置づけについて
 自治体における障害者自立支援協議会や児童虐待に関係するネットワーク会議等の既存のネットワークに発達障害者(児)と家族の相談支援に係る課題を積極的に組み入れる仕組みを事業として位置づける必要があります。
4.障害者自立支援法の障害福祉サービス活用の推進について
 知的障害のない発達障害児・者が障害福祉サービス等の利用することを推進できるように現行は成人対象の精神保健福祉手帳のあり方や、障害者手帳制度によるサービス格差の実態把握に伴う改善策を講じるための調査研究および対策に予算を充ててください。

【文部科学省労働関係】

1.発達障害児等への学校での支援に関わる専門家の配置について
 小中高等学校をはじめ、各地に教育現場における発達障害児等を含めた児童・生徒の福祉的支援を担うスクールソーシャルワーカーの配置が必要です。そのスクールソーシャルワーカーとしての専門知識を有する「精神保健福祉士」等を必要数配置するための予算を計上することが必要かと存じます。
2.大学や専門学校の教育関係者への普及啓発について
 知的障害を伴わず、専門学校や大学へ進学する発達障害者も多くいるが、人間関係の難しさ等から進学や就職など進路への支援の必要性が高いため、適切な支援が提供されるよう、普及啓発のシステムに予算を講じてください。
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標  題 障害者自立支援法の見直しに関する意見
日  付 2010年3月3日
発翰番号 JAPSW発第09-344号
発 信 者 社団法人日本精神保健福祉士協会 会長 竹中秀彦
提 出 先 自由民主党政務調査会障害者特別委員長 衛藤晟一、障害者自立支援等に関する小委員長 松本 純

 本協会は、精神保健福祉領域のソーシャルワーカーの国家資格である精神保健福祉士の職能団体であり、精神障害者の社会的復権と福祉のための専門的・社会的活動を進めることを基本方針としております。この立場から、障害者自立支援法の見直しについて下記に意見を申しあげます。

1.旧体系から新体系への移行後に関する明確な方向性の提示を
 現政権が障害者自立支援法の廃止を明言し、内閣府に置かれた「障がい者制度改革推進会議」の下で諸制度の見直しに向けた検討がスタートしています。その中にあって、精神保健福祉法に規定された精神障害者社会復帰施設の新体系への移行期限が2011年3月までとされています。新体系への移行にこれから取り組む施設では、苦労して期限内に移行したものの新たな法制度制定の際に、サービス体系がまた変更になるのではないかと、強い不安と混乱を抱えています。
2.地域移行支度経費支援事業の積極的な活用を
 入所施設の入所者や精神科病院の入院患者の地域生活への移行を促進するため、地域での生活において必要となる物品の購入について支援を行う事業として、「地域移行支度経費支援事業」が今年度から3か年事業として取り組まれているところですが、実際に当該事業が現場に十分に周知されていない状況にあります。当該事業は、精神障害者等の地域移行に資する有効な事業の一つであることから、すべての自治体の取り組みと対象施設等への周知を徹底してください。また、生活保護受給者が対象となるか否かに関する明確な判断が示されるべきと考えます。
3.相談支援体制の強化推進を
 廃案となった障害者自立支援法改正案では、「社会保障審議会障害者部会」や「今後の精神保健医療福祉のあり方等に関する検討会」での検討結果を踏まえて、地域社会における相談支援体制の充実強化が図られておりました。「誰もが安心して自らが望む地域で暮らす」ことを推進していくことは、喫緊の課題であると認識しています。
 このため、新たな障害者制度を待つまでもなく、地域相談支援(地域移行支援、地域定着支援)等の個別給付化、サービス利用計画作成費の対象見直し、基幹相談支援センターの設置、自立支援協議会の法定化等、所要の措置を取るべきと考えます。
  また、精神保健福祉士については、精神障害者の地域生活の支援を担うという役割の明確化、資格取得後の資質向上の責務の明確化を図り、精神障害者のみならず多様化・複雑化した国民の精神保健上の課題を解決していくことが盛り込まれた精神保健福祉士法の一部改正案も同時廃案となり、店晒しの状態となっています。精神障害者の自立支援に欠くことのできない専門職の資質向上のためにも法改正に向けた取り組みが必要です。
4.精神保健福祉法で取り残されている課題の解決を
 関連法である精神保健福祉法では、保護者制度、強制入院制度及び移送制度の見直しが必要です。特に、保護者制度の代替制度として、入院中はもとより地域生活を送る精神障害者の人権が十分に擁護されるような権利擁護センター機能を身近な自治体等に置く必要があると考えます。
 また、精神保健福祉法のうち「福祉」に関する法律は、新たな障害者福祉に関する法律の制定に合わせて廃止し、障害間で格差のある手帳制度の一元化も図る必要があります。
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標  題 精神保健医療福祉施策の推進に関する要望書
日  付 2009年10月8日
発翰番号 JAPSW発第09-213号
発 信 者 社団法人日本精神保健福祉士協会 会長 竹中秀彦
提 出 先 衆・参議院議員

 平素より精神障害者をはじめとした障害者施策の発展充実にご尽力を賜り、厚くお礼申しあげます。

 本協会は、精神保健福祉領域のソーシャルワーカーの国家資格である精神保健福祉士の職能団体であり、精神障害者の社会的復権と福祉のための専門的・社会的活動を進めることを基本方針としております。

 さて、今般新政権のもとで厚生労働行政が進められることとなりますが、先生におかれましては精神保健医療施策が停滞・迷走することのないよう、引き続きご尽力をいただきたく存じます。

 このことに関連して、特に精神保健医療福祉施策につきまして、下記の点を要望いたしますので、何卒ご高配を賜りたくお願い申しあげます。

【要望事項】

1.立ち遅れている精神保健医療福祉施策の抜本的改革を進めるため十分な予算の確保を図ってください。
2.新たな障害者福祉に関する法律の検討にあたっては、障害のある当事者及びその関係者の意見を丁寧に汲み取ってください。
3.「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」(精神保健福祉法)の改正は、一連の障害者施策の改革の流れの中で実行してください。

【要望事項の趣旨】

1.精神保健医療福祉施策の予算策定については、本年9月24日公表の「今後の精神保健医療福祉のあり方等に関する検討会」報告書に示された「『地域を拠点とする共生社会の実現』に向けて、『入院医療中心から地域生活中心へ』という基本理念に基づき、我が国の精神保健医療福祉施策の改革をさらに加速する」姿勢を堅持することは勿論、更なる充実を図るための抜本的な改革に向けたプロローグと位置付けて予算の組み立てを行ってください。

2.現行の障害者自立支援法の施行にあたっては、応益負担を基本とした法制度体系のあり方や障害のある当事者の意向を十分に踏まえなかったことの問題もさることながら、あまりにも急激な制度改正が、当事者や自治体行政も含めた保健医療福祉関係者に多大な負担と疲弊を強いることとなりました。

 新たな障害者福祉に関する法律の検討過程においては、新たな制度の骨格を明確に示したうえで、急務となる課題については障害者自立支援法の一部を段階的に改正することも視野に入れた現実的対応を取ることが肝要であります。そのためには、障害のある当事者及びその関係者の意見を丁寧に汲み取ること等の無用の混乱を避ける配慮が必要と考えます。

 また、先の国会で廃案となった「障害者自立支援法等の一部を改正する法律案」の作成過程における社会保障審議会障害部会報告書(2008年12月16日)の意見も十分に踏まえた法制度の制定を図ってください。

 なお、同報告書の意見にもありますように、精神障害者の地域生活の支援を担うという役割の明確化、資格取得後の資質向上の責務の明確化を図り、精神障害者のみならず多様化・複雑化した国民の精神保健上の課題を解決していくためにも、改めて精神保健福祉士法の見直しを行ってください。

3.精神保健福祉法は、保護者制度、強制入院制度及び移送制度の見直しが必要です。特に、保護者制度の代替制度として、入院中はもとより地域生活を送る精神障害者の人権が十分に擁護されるような権利擁護センター機能を身近な自治体等に置く必要があると考えます。

 また、精神保健福祉法のうち「福祉」に関する法律は、新たな障害者福祉に関する法律の制定に合わせて廃止し、障害間で格差のある手帳制度の一元化も図る必要があります。

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標  題 厚生労働大臣への「精神保健医療福祉施策の推進に関する要望書」の提出について(ご報告とお願い)
日  付 2009年10月8日
発翰番号 JAPSW発第09-212号
発 信 者 社団法人日本精神保健福祉士協会 会長 竹中秀彦
提 出 先 厚生労働副大臣、厚生労働政務官、衆・参議院厚生労働委員会(委員長、委員)

 平素より精神障害者をはじめとした障害者施策の発展充実にご尽力を賜り、厚くお礼申しあげます。

 本協会は、精神保健福祉領域のソーシャルワーカーの国家資格である精神保健福祉士の職能団体であり、精神障害者の社会的復権と福祉のための専門的・社会的活動を進めることを基本方針としております。

 さて、歴史的な政権交代により、今後は厚生労働行政も民主党のマニフェスト等を踏まえた大胆な施策転換が図られることと存じます。

 この度、このことに関連して、特に精神保健医療福祉施策につきまして、厚生労働大臣宛に別添の要望書を提出させていただきましたので、ご報告させていただきますとともに、何卒ご高配を賜りたくお願い申しあげます。

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標  題 精神保健医療福祉施策の推進に関する要望書
日  付 2009年10月8日
発翰番号 JAPSW発第09-211号
発 信 者 社団法人日本精神保健福祉士協会 会長 竹中秀彦
提 出 先 厚生労働大臣 長妻 昭

 平素より精神障害者をはじめとした障害者施策の発展充実にご尽力を賜り、厚くお礼申しあげます。 

本協会は、精神保健福祉領域のソーシャルワーカーの国家資格である精神保健福祉士の職能団体であり、精神障害者の社会的復権と福祉のための専門的・社会的活動を進めることを基本方針としております。

 さて、歴史的な政権交代により、今後は厚生労働行政も民主党のマニフェスト等を踏まえた大胆な施策転換が図られることと存じます。このことに関連して、特に精神保健医療福祉施策につきまして、下記の点を要望いたしますので、何卒ご高配を賜りたくお願い申しあげます。

【要望事項】

1.立ち遅れている精神保健医療福祉施策の抜本的改革を進めるため十分な予算の確保を図ってください。
2.「障がい者総合福祉法(仮称)」の制定にあたっては、障害者自立支援法の段階的な廃止を行ってください。
3.「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」(精神保健福祉法)の改正は、一連の障害者施策の改革の流れの中で実行してください。

【要望事項の趣旨】

1.本年9月29日の閣議決定により2010年度予算編成の方針が示され、貴省におかれましても民主党のマニフェストを踏まえた概算要求作業に取り組まれていることと存じます。

 このうち、精神保健医療福祉施策の予算策定については、本年9月24日公表の「今後の精神保健医療福祉のあり方等に関する検討会」報告書に示された「『地域を拠点とする共生社会の実現』に向けて、『入院医療中心から地域生活中心へ』という基本理念に基づき、我が国の精神保健医療福祉施策の改革をさらに加速する」姿勢を堅持することは勿論、更なる充実を図るための抜本的な改革に向けたプロローグと位置付けて予算の組み立てを行ってください。

2.民主党がマニフェストに掲げられた「『障害者自立支援法』は廃止し、『制度の谷間』がなく、サービスの利用者負担を応能負担とする障がい者総合福祉法(仮称)を制定する。」方針はもとより歓迎するところです。

 現行の障害者自立支援法の施行にあたっては、応益負担を基本とした法制度体系のあり方や障害のある当事者の意向を十分に踏まえなかったことの問題もさることながら、あまりにも急激な制度改正が、当事者や自治体行政も含めた保健医療福祉関係者に多大な負担と疲弊を強いることとなりました。

 このため「障がい者総合福祉法(仮称)」の制定にあたっては、新たな制度の骨格を明確に示したうえで、急務となる課題については障害者自立支援法の一部を段階的に改正することも視野に入れた現実的対応(段階的な廃止)を取ることが肝要であります。そのためには、障害のある当事者及びその関係者の意見を丁寧に汲み取ること等の無用の混乱を避ける配慮が必要と考えます。

 また、先の国会で廃案となった「障害者自立支援法等の一部を改正する法律案」の作成過程における社会保障審議会障害部会報告書(2008年12月16日)の意見も十分に踏まえた法制度の制定を図ってください。

 なお、同報告書の意見にもありますように、精神障害者の地域生活の支援を担うという役割の明確化、資格取得後の資質向上の責務の明確化を図り、精神障害者のみならず多様化・複雑化した国民の精神保健上の課題を解決していくためにも、改めて精神保健福祉士法の見直しを行ってください。

3.精神保健福祉法は、保護者制度、強制入院制度及び移送制度の見直しが必要です。特に、保護者制度の代替制度として、入院中はもとより地域生活を送る精神障害者の人権が十分に擁護されるような権利擁護センター機能を身近な自治体等に置く必要があると考えます。

 また、精神保健福祉法のうち「福祉」に関する法律は、「障がい者総合福祉法(仮称)」の制定に合わせて廃止し、障害間で格差のある手帳制度の一元化も図る必要があります。

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標  題 ソーシャルワーカーデー宣言(国民へのアピール)
日  付 2009年7月20日
発 信 者 7.20ソーシャルワーカーデー中央集会参加者一同

国民のみなさん

 ソーシャルワーカーという言葉を聞いたことがあるでしょうか?

 ソーシャルワークとは、基本的人権の尊重と社会正義に基づき、福祉に関する専門的知識と技術を用いて、生活上の困難や苦痛を有している人に寄り添い、その人と共にその困難や苦痛の解決を図り、一人ひとりの幸福と自立した生活の実現を支援することです。そして、このような支援を行う専門職のことをソーシャルワーカーと呼びます。

 わが国では、1987年の「社会福祉士及び介護福祉士法」と1997年の「精神保健福祉士法」の制定により、ソーシャルワーカーの国家資格として社会福祉士と精神保健福祉士が定められました。

 社会福祉士と精神保健福祉士は、生活に困っている方々や苦しんでいる方々からの相談に応じ、その解決のために、具体的なサービスの提供や調整、サービスが足りないときはそのサービスを開発することや、私たちができない専門的な支援が必要なときは、適切なサービスへとつなげていくことを仕事とする専門職です。また、社会の認識が誤った方向に行ったときは社会の認識を変えることも私たちの重要な役割です。

 わが国ではここ数年、急激な経済不況とも相まって国民の生活困難がいっそう増え、しかも深刻な事態となっています。児童や高齢者に対する虐待などの人権侵害、学校での不登校やいじめ、貧富の差が拡大するなかでの失業者や路上生活者の増加、先進国でもまれな毎年3万人を超える自殺者、精神障害者や刑期を終えても偏見や社会からの排除で苦しんでいる人々、重い障害のある人や長い闘病生活にある人、認知症を有する高齢者やその高齢者を支える家族、一人暮らし高齢者など社会的な支援を必要とする人々は少なくありません。

 私たちは、ソーシャルワーカーである社会福祉士と精神保健福祉士の役割や取り組みをみなさんに知ってもらうため、社会福祉関係の全国団体17団体で、毎年、祝日である「海の日」(2009年は7月20日)を、わが国のソーシャルワーカーデーとすることを決め、社会福祉士と精神保健福祉士の仕事や役割について知っていただく日としました。

国民のみなさん

 私たち社会福祉士及び精神保健福祉士は社会福祉の支援を必要とする人の生活を護ります。そして、地域社会において貧困や差別、社会的排除を追放し、すべての人が、住み慣れた地域で尊厳を保持し自分らしく安心して生きることができる社会を目指します。そのために社会変革が必要な場合は勇気をもって取り組みます。

 私たちは、みなさんの身近なパートナーとして、これらの実現を目指して行動することを決意し、ここに宣言します。

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標  題 「第6回精神保健フォーラム」宣言
日  付 2009年7月12日
発 信 者 精神保健従事者団体懇談会

  私たちは、近年の精神保健・医療・福祉、さらには広く社会保障全般をとりまく深刻な状況に対して大きな危機感を抱きながら「第6回精神保健フォーラム」に集いました。

 このフォーラムを主催する精神保健従事者団体懇談会(精従懇)は、精神保健法成立の前年(1986年)に創立しました。それから20年以上が経過する間に、精神保健・医療・福祉に関する制度と環境は少なからず変化しました。しかし今なお満足すべき状況からは遠く、精神障害のある人に対する差別や偏見、そして生活の実態は相変わらず厳しいものがあります。

 特にこの数年、精神保健・医療・福祉の枠組みをめぐる大きな変化が相次ぎ、当事者とその家族、そして従事者は対応に追われました。しかもこれらの制度の変化が、精神障害のある人にとってよりよい生活をもたらすものだったのかどうか、現状を見る限り辛口の評価をせざるを得ません。

 2006年にスタートした障害者自立支援法体制は、障害の種別を問わず福祉サービスを一元化した点や、福祉サービスの実施主体を住民に身近な市町村に移した点で画期的でした。一方で、精神障害領域の特殊性と後進性が、いわば一元化の副作用として際立ってしまうなど多くの課題を残し、今後の法改正にあたってきめ細かい目配りが必要です。また介護保険との将来的統合を見越した当初の構想が事実上挫折したことによって、「税か保険か」「応益負担か応能負担か」という財源論を含む障害者福祉の基本的考え方自体が再検討を迫られています。

 根強い批判のなかで2005年に施行された心神喪失者等医療観察法は、今日までの運用で様々な問題が表面化しつつあります。法の見直し時期を控え、この制度が精神障害者と地域精神保健医療、そして市民社会に何をもたらしたのか、立法の理念から問い直す議論が求められています。

 一方国際社会では、2008年5月に「障害のある人の権利に関する条約」が発効し、日本も批准の準備段階に入りました。批准にあたって、関連する国内法の見直しや改正を国がどこまで掘り下げて行うかが注目されています。私たちは、本格的な議論を避けて拙速に批准するのではなく、これを障害者に関する国内制度改革のための好機と位置づけ、本腰を据えて取り組むべきであると考えます。

 特に精神保健福祉法については、2005年改正では重要な懸案をほとんど先送りした経緯があります。次期改正こそ正念場と捉えて、論点整理を急がなければなりません。

 こうしたことに加えて私たちは、近年世界規模で広がる経済危機が、社会保障全般に暗い影を落としていることを深く思わずにはいられません。今日、地方自治体の財政はいずこも逼迫し、いたるところで障害者福祉施策へのしわ寄せが問題となっています。そして社会全体の経済的疲弊は、精神障害者はもとより社会的に弱い立場の人に最も苛酷な状況を強い、そうしたなかで年間3万人を超える人が自ら命を絶っています。私たち精神保健・医療・福祉関係者は「自殺問題」と正面から向き合い、私たちがなすべきこと、できること、そしてその限界などを真剣に議論し、社会に向けて発信しなければなりません。

 私たちは以上のような厳しい状況を変革する道を探るためにこのフォーラムに集いました。現状は確かに楽観を許さないものがあります。それでも私たちは決して希望を失ってはなりません。このような時だからこそ、精神障害者とその家族、そして一般市民を含む多くの精神保健・医療・福祉関係者が、職種、職域、専門性を超えた連携の絆を強めることで、メンタルヘルスの領域全体を覆う危機を好機に変える知恵と力が生み出されるものと信じています。私たちは、危機の時代にあっても精神障害のある人を含むすべての市民が人間らしく暮らせる社会の実現を目指して、日々の営為を検証し、改革の歩みを続けることをここに宣言します。
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標  題 第12回精神保健福祉士国家試験に係る第22回社会福祉士国家試験との共通科目に関する要望について
日  付 2009年6月5日
発翰番号 JAPSW発第09-69
発 信 者 社団法人日本精神保健福祉士協会 会長 竹中秀彦
提 出 先 財団法人社会福祉振興・試験センター 理事長 田中敏雄 様

 時下、ますますご清祥のこととお慶び申しあげます。
 平素より、精神保健福祉士資格の発展充実にご尽力を賜り、厚くお礼を申しあげます。 

さて、社会福祉士及び介護福祉士法等の一部改正に関する法律の施行により、明年1月、新カリキュラムによる第22回社会福祉士及び介護福祉士国家試験の実施が予定されているところです。
 第12回精神保健福祉士国家試験についても、社会福祉士国家試験との共通科目については、同様に新カリキュラムによる試験科目での実施が予定されております。

 つきましては、社会福祉士国家試験との共通科目に関しまして、下記のとおり要望いたしますので、ご高配の程、何卒よろしくお願い申しあげます。

1.共通科目の内容がソーシャルワーク実践に関わる事項について学ぶことを目的として構成されていることに鑑み、当該目的に見合った内容の試験問題であることが必要です。すなわち、従前のような、広範囲にわたる領域からソーシャルワークの実践とは結び難い知識を問うような試験問題がなくなることを望みます。

2.共通科目は、従来、専門科目と比して平均点が低い傾向にありますが、少なくとも専門科目と同程度の平均点となるような試験問題の出題を望みます。

3.共通科目においても事例問題の導入等により、単に知識を問うだけでなく、ソーシャルワーカーとしての資質を問うような試験問題の工夫を望みます。

4.共通科目、専門科目に関わらず、ソーシャルワーカーとしての基本的な資質を問うような特定問題の解答を誤った場合、当該受験者の総得点が合格基準点に達していても「不合格」とするような試験問題及び合格基準を設定されることを望みます。

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標  題 2010年度診療報酬改定に関する要望について
日  付 2009年6月5日
発翰番号 JAPSW発第09-66の1、2
発 信 者 社団法人日本精神保健福祉士協会 会長 竹中秀彦
提 出 先 厚生労働省 保険局 医療課長 佐藤敏信 様
厚生労働省 社会・援護局 障害保健福祉部 精神・障害保健課長 福島靖正 様

平素より本協会事業に格別のご理解、ご協力を賜り、深く感謝申しあげます。

 さて、貴省におかれましては、精神保健福祉対策本部による「精神保健医療福祉の改革ビジョン」(以下、「ビジョン」とする)の提示後5年を迎える2009年9月を中間点として、昨年度より「今後の精神保健医療福祉のあり方等に関する検討会」を開催し、ビジョンに基づくこの5年間の改革の成果を検証するとともに、入院患者の地域生活への移行の支援のための方策や、病床機能をはじめとする精神医療の機能分化の一層の推進のための方策など、精神保健医療福祉のあり方等について、今後の5年間の重点施策群の策定を目的として、客観的なデータに基づいた検討を進められていると認識しております。

 本協会としましては、精神障害者の地域生活への移行の強化及び地域生活の定着のためには、精神科医療機関内外に渡るネットワークの構築によるチーム医療の推進、及びその環境調整が極めて重要であると認識しているところです。

 つきましては、以上の観点から、下記のとおり要望いたしますので、ご高配のほど何卒よろしくお願いいたします。

1.訪問看護ステーションが算定する訪問看護療養費に、複数名による訪問看護を実施した場合の加算を規定するとともに、精神障害者を対象とした訪問看護を行う訪問看護ステーションには、精神保健福祉士の配置を規定してください。(別紙1の「1」参照)。

  •  [理由]
  •  入院中心のケアから転じて在宅医療の支援体制を整備推進する方針は、慢性疾患や障害のある方が住み慣れた街で安心して暮らせる保障として大変重要です。その中心的役割を担う訪問看護ステーションにおいては、精神障害者を対象とした訪問看護を実施している割合は年々増加しているものの、いまだ5割に満たない状況となっております。
  • 現行の社会保険診療報酬では、精神科訪問看護・指導料、精神科退院前訪問指導料といった在宅医療及び地域移行支援を行う算定対象職種として、すでに医療機関に属する精神保健福祉士が認められています。
  •  訪問看護ステーションにおいても、これまで認められている職種に精神保健福祉士が加わり、複数職種による患家や患者の生活圏への訪問看護・指導を行うことにより、家族支援や医療サービスに併せた社会資源の活用といった従前に増してより手厚いケアの提供が可能となり、再発および医療中断の防止、更には自立支援の促進、QOLの向上等による安定した地域生活の定着に貢献すると考えます。

2.「精神科療養生活環境調整支援料(仮称)」を新設してください(別紙1の「2」参照)。

  •  [理由]
  •  2008年度の診療報酬改定において、新たに精神科継続外来支援・指導料が新設され、併せて精神科を担当する医師の指示の下、保健師、看護師、作業療法士又は精神保健福祉士(以下「保健師等」という。)が、患者又はその家族等の患者の看護や相談に当たる者に対して、療養生活環境を整備するための支援を行った場合には、加算を算定できることとなりました。
  •  しかしながら、他の精神科専門療法と同一日に行う精神科継続外来支援・指導に係る費用は、他の精神科専門療法の所定点数に含まれることから、実際の算定件数は極めて少ない状況となっており、現状として外来患者に対して相当数行われている精神保健福祉士等による支援が適切に評価されていないこととなります。
  •  新たに「精神科療養生活環境調整支援料(仮称)」を単独設置とし、精神科専門療法のうち通院・在宅精神療法と精神科継続外来支援・指導料に限り、併せて算定を可能とすることで、外来患者の地域生活の破綻及び再発・再入院の防止に貢献すると考えます。
3.「自殺ハイリスク患者通院医学管理料(仮称)」及び「自殺ハイリスク患者ケア加算(仮称)」「自殺ハイリスク患者通院医学管理料地域連携加算(仮称)」を新設してください(別紙1の「3」参照)。
  • [理由]
  •  自殺総合対策大綱(2007年6月に閣議決定)は2008年10月31日に策定された自殺対策加速化プランに合わせ一部改正され、自殺を予防するための当面の重点施策を9点挙げています。その中に、「適切な精神科医療をうけられるようにする」ことや「自殺未遂者の再度の自殺を防ぐ」ことが掲げられ、「うつ病等の自殺の危険性の高い人の早期発見に努め、確実に精神科医療につなぐ取組みに併せて、これらの人々が適切な精神科医療を受けられるよう精神科医療体制を充実する。」「自殺未遂者の再度の自殺を防ぐため、入院中及び退院後の心理的ケア、自殺の原因となった社会的要因に対する取り組みを支援する」とされています。
  •  そこで、入院、通院を問わず自殺の高い危険因子を有する患者(以下、「自殺ハイリスク患者」という)に対する精神科医療機関における取組みを診療報酬上評価することにより、自殺ハイリスク患者の自殺予防及び自殺による社会的損失の軽減に貢献すると考えます。

4.「精神科リハビリテーション総合計画評価加算」(仮称)を新設してください(別紙1の「4」参照)。

  • [理由]
  •  「入院医療中心から地域生活中心へ」という精神保健医療福祉施策の基本的な方策を推し進める一環として、長期入院患者の地域移行支援に関して、2008年の診療報酬改定で「地域移行支援加算」および「地域移行実施加算」の2項目が新設されました。退院して地域に移行した患者数の実績に関する成功報酬評価の位置づけと医療機関から地域関係機関へのケア移行時の支援計画書の作成への評価は、いずれも退院時算定を可能とするものです。
  •  長期入院患者の地域移行を推進するに当たっては、入院時点から医師、看護師、作業療法士、精神保健福祉士などの多職種チームにより、退院後の地域生活を想定した地域生活支援計画を作成するとともに、定期的な支援計画の進捗状況の把握及び見直しを実施しつつ、具体的に医療機関内外の地域生活支援サービス(デイケア、デイナイトケア、ナイトケア、日中活動系及び居住系の障害福祉サービス等)に結びつける支援のありようが重要であると考えます。入院中からの退院に向けた定期的な多職種チームによるアセスメントと支援計画を伴うケア会議、および退院後の地域生活支援機関も含む地域関係者会議の開催が、入院の長期化を防ぎ且つ地域生活の維持定着に寄与することは、心神喪失等の状態で重大な他害行為をした者の医療及び観察に関する法律(以下、「医療観察法」とする)のケアフローに関する規定の実施状況にも見て取れます。従って、退院時のみならず、入院の早期から定期的支援計画を患者本人や関係者を交えてケア会議を行い、作成することが入院の長期化防止に一層の効果を果たすと考えます。

以上


 なお、本要望書の提出につきましては、社団法人日本精神科病院協会のご理解をいただいております。また、要望項目1(訪問看護ステーションへの精神保健福祉士の配置)につきましては、社団法人日本看護協会、財団法人日本訪問看護振興財団、社団法人全国訪問看護事業協会のご理解をいただくとともに、関連研究として厚生労働科学研究費補助金(こころの健康科学研究事業)「重度精神障害者に対する包括型地域生活支援プログラムの開発に関する研究」(平成17〜19年度、伊藤順一郎氏他)及び障害保健福祉推進事業(障害者自立支援調査研究プロジェクト)「精神障害者の地域生活支援を推進するための精神訪問看護ケア技術の標準化と教育およびサービス提供体制のあり方の検討」(平成19年度、社団法人全国訪問看護事業協会)があります。
添付資料
(会員ページ)

別紙1 要望項目に関する参考資料(PDF/180KB)
別紙2−(1) 訪問看護ステーションにおける精神保健福祉士の援助実践の現状と潜在的ニーズ(PDF/172KB)
別紙2−(2) 訪問看護ステーション「ふろーるの事例から(PDF/137KB)
別紙3 精神保健福祉士の外来業務調査集計表(PDF/105KB)、調査表(PDF/73KB)
以上
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