要望書・見解等

2002年度


標  題 社会福祉士試験の試験科目の免除に関する要望について
日  付 2003年3月28日
発翰番号 PSW02−89号
発 信 者 日本精神保健福祉士協会 会長 門屋充郎
提 出 先 厚生労働省 社会・援護局 障害保健福祉部 精神保健福祉課長 松本義幸

 平素より、当協会活動につきましては、多大なるご理解とご協力を賜り、厚くお礼申しあげます。
 さて、精神保健福祉士については、2003年1月25、26日の第5回試験をもって5年間の経過措置が終了したことになりますが、現在、すでに約13,000人が登録され、精神保健福祉の分野で実務に従事しているところです。
 一方、障害保健福祉施策の統合化、市町村を中心とした在宅福祉施策の展開等により、精神保健福祉士には、社会福祉専門職としての幅広い対応が求められています。
 つきましては、社会福祉士試験に関する下記の要望事項への特段のご配慮を賜りたく、よろしくお願い申しあげます。
 なお、社会・援護局福祉基盤課長にも同様の要望書を提出しておりますことを申し添えます。

<要望事項>
 「社会福祉士及び介護福祉士法施行規則」の条文に、次の規定を加えていただきたいこと。

 精神保健福祉士であって、社会福祉士試験を受けようとする者に対しては、その申請により、第5条に規定する社会福祉士試験の科目のうち、社会福祉原論、社会保障論、公的扶助論、地域福祉論、医学一般、心理学、社会学及び法学を免除する。

<理 由>
 精神保健福祉士法施行規則第六条には、社会福祉士であって、精神保健福祉士試験を受けようとする者の「試験科目の免除」について、次のとおり規定しています。

 「社会福祉士であって、精神保健福祉士試験を受けようとする者に対しては、その申請により、第五条に規定する精神保健福祉士試験の科目のうち、社会福祉原論、社会保障論、公的扶助論、地域福祉論、医学一般、心理学、社会学及び法学を免除する。」

 しかし、「社会福祉士及び介護福祉士法施行規則」には、精神保健福祉士の資格を有する者の「試験科目の免除」規定がないことから、精神保健福祉士が社会福祉士の資格を取得しようとする場合、上記の精神保健福祉士試験における共通科目を再度受験しなければなりません。

 これは、社会福祉士と精神保健福祉士の資格に格差を設けているとともに、精神保健福祉士が社会福祉士試験を受験する際の大きな障壁となっています。

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標  題
社会福祉士試験の試験科目の免除に関する要望について
日  付 2003年3月28日
発翰番号 PSW02−89号
発 信 者 日本精神保健福祉士協会 会長 門屋充郎
提 出 先 厚生労働省 社会・援護局 福祉基盤課長 村木厚子

 平素より、当協会活動につきましては、多大なるご理解とご協力を賜り、厚くお礼申しあげます。
 さて、精神保健福祉士については、2003年1月25、26日の第5回試験をもって5年間の経過措置が終了したことになりますが、現在、すでに約13,000人が登録され、精神保健福祉の分野で実務に従事しているところです。
 一方、障害保健福祉施策の統合化、市町村を中心とした在宅福祉施策の展開等により、精神保健福祉士には、社会福祉専門職としての幅広い対応が求められています。
 つきましては、社会福祉士試験に関する下記の要望事項への特段のご配慮を賜りたく、よろしくお願い申しあげます。
 なお、精神保健福祉課長にも同様の要望書を提出しておりますことを申し添えます。

<要望事項>
 「社会福祉士及び介護福祉士法施行規則」の条文に、次の規定を加えていただきたいこと。

 精神保健福祉士であって、社会福祉士試験を受けようとする者に対しては、その申請により、第5条に規定する社会福祉士試験の科目のうち、社会福祉原論、社会保障論、公的扶助論、地域福祉論、医学一般、心理学、社会学及び法学を免除する。

<理 由>
 精神保健福祉士法施行規則第六条には、社会福祉士であって、精神保健福祉士試験を受けようとする者の「試験科目の免除」について、次のとおり規定しています。

 「社会福祉士であって、精神保健福祉士試験を受けようとする者に対しては、その申請により、第五条に規定する精神保健福祉士試験の科目のうち、社会福祉原論、社会保障論、公的扶助論、地域福祉論、医学一般、心理学、社会学及び法学を免除する。」

 しかし、「社会福祉士及び介護福祉士法施行規則」には、精神保健福祉士の資格を有する者の「試験科目の免除」規定がないことから、精神保健福祉士が社会福祉士の資格を取得しようとする場合、上記の精神保健福祉士試験における共通科目を再度受験しなければなりません。

 これは、社会福祉士と精神保健福祉士の資格に格差を設けているとともに、精神保健福祉士が社会福祉士試験を受験する際の大きな障壁となっています。

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標  題
「医療ソーシャルワーカー業務指針」に対する見解
日  付 2003年1月19日
発 信 者 日本精神保健福祉士協会 常任理事会

 「医療ソーシャルワーカー業務指針報告書」(厚生省健康政策局長通知1989年3月30日付)が新たに2002年11月29日づけで改正された。

 そのための改正検討会は10月1日と同月28日の2回だけという短期間で開催され、本協会からも改正検討委員会に代表を派遣してその内容の検討に参加した。

 急遽、この医療ソーシャルワーカー業務指針を改正する理由は、その背景に国立病院の医療ソーシャルワーカーが福祉職としてではなく一般行政職等で採用されているため、新たに福祉職俸給表を適用させたいということがあった。福祉職俸給表の適用のためには、人事院に医療ソーシャルワーカーの業務を説明する必要があり、そのために改正委員会が招請されたものである。

 一方で、厚生労働省健康局総務課保健指導室より、改正理由として、介護保険制度の創設による介護保険サービスの充実や医療法改正による病床区分の見直しや医療保険制度の改革により、施設サービスや在宅サービスが充実し、患者の自立した地域生活支援のためのソーシャルワーカーの役割の変化があり、医療機関における福祉ニーズの高まりに対応するために、その状況に合わせた業務指針が必要であることが説明された。

 しかし、1997年に精神保健福祉士法が成立した際に、付帯決議として医療ソーシャルワーカーのあり方を検討することが盛り込まれたことから、翌年1998年の2月と3月に「医療ソーシャルワーカーのあり方に関する検討会」が開催された。この検討会において日本医療社会事業協会としては、「医療ソーシャルワーカーの固有の資格を求めないで社会福祉士の資格を取得するように取り組むこと、医行為性のある業務は行なわないので医師との関係は指示関係になく連携関係である」という主張がなされた。当協会はその場で、医師との指示関係について社会福祉専門職であっても、チーム医療の中で専門性を発揮する場合の検討が必要であること、日本医療社会事業協会は社会福祉士養成にかかる実習施設として保健医療機関を加えることを要望しているが、社会福祉士であるから医師との指示関係にはないと簡単に済ますことはできない、という意見を提出している。

 そして、福祉俸給表の必要性の根拠を作成することを目的として緊急にこの改正検討会が開催されため、本協会の常任理事会は厚生労働省に対して、10月15日付で要望書を提出し、「精神科ソーシャルワーカーは精神保健福祉士法によって業務内容がすでに定められており、医療ソーシャルワーカー業務指針の規定にかかわりなく精神保健福祉士法に基づいて行なうこと、医師との関係は、『医師の指示』関係ではなく、『主治医の指導』を受けると位置づけられているのでそのことを踏まえて検討するよう」に要望した。

 そして、検討会の場においても、1)精神科ソーシャルワーカーは精神保健福祉士法ですでに定められていること、そのために、2)医療ソーシャルワーカー業務指針で医師との指示関係が明記されていることに矛盾が生じること、また、3)医療ソーシャルワーカーの「自己決定の尊重と人権の擁護の役割」が明記されていないことの問題点を指摘した。

 以上の経過を踏まえて、医療ソーシャルワーカー業務指針(別紙)は改正されたが、常任理事会はこの指針に対して以下の通り見解を示し、協会内外に事実を知らしめていく必要があると考えた。

  1.  本協会は、国立病院の医療ソーシャルワーカーが福祉職として採用されるためには、国家公務員の福祉俸給表が適用される必要があるという認識を持つ。この点については、他のソーシャルワーカーの専門職団体と意見を一にするものであり、そのために厚生労働省に対する陳情活動に同行した。本協会は社会福祉士及び精神保健福祉士がその俸給表に該当する職種として考え、新しい俸給表が適用された場合において、生涯賃金が減額されないことを強く希望する。

  2.  また、この医療ソーシャルワーカー業務指針は、現状の医療と福祉をめぐる状況の変化や医療ソーシャルワーカーの地域生活支援の業務を踏まえたものとして示されているものの、内容を検討するに当たり2回の委員会開催では話し合いの時間が保証されていないため十分な意見交換が出来なかったこと、全国の会員に情報を提供し会員の意見を集約するなどが全く出来ないため会員の意見が反映されていないことの問題点があったと考える。

  3.  さらに、この業務指針では、「三 業務の方法等」の「(5)受診・受療援助と医師の指示」において、「二 業務の範囲 」の「(4)受診・受療援助」は医師の指示を受けて行なうとし、「患者、家族から直接に受診・受療についての相談を受けた場合や自分で問題を発見した場合も、医師の指示を受ける」としている。精神保健福祉士の業務は、「医師の指示」ではなく、「主治医の指導」を受けるとした一定の社会福祉専門職としての裁量が認められている。医療ソーシャルワーカーは医療関連分野に所属する社会福祉専門職であり、その業務内容は、疾病ないし障害を有する生活者を援助することにある。しかし、この「指針」の「受診・受療援助」の業務の範囲は、社会福祉専門職として医師と連携する業務も含まれており、情報収集や情報の提供もすべて医師の指示がかかるかどうか疑問が残る。また、過去において、医師の指示を認めないと主張してきた当該の団体である日本医療社会事業協会からの説明は何もなかった。この「医師の指示関係」について、今後、社会福祉専門職関係団体で、充分な話し合いと検討が必要であると考える。

  4.  そして、「指針」では『患者の主体性の尊重』と、『プライバシーの保護』につい触れているが、1989年の「報告書」が出された時においても、本協会は、クライエントの「自己決定」の保障について明記されていないことを指摘してきた。しかし、この「指針」において、討論の段階で一端「自己決定」という言語があったものが削除されたことを指摘したところ、「患者が自ら参画し決定することを原則とする」というのは言い過ぎであると厚生労働省より説明がなされた。

     結果として、当初の1989年の報告書では、「自己決定ができるように」とあったものが、「適切に判断できるように」と後退した表現になっている。このようにソーシャルワーカーの業務遂行にあたって重要な原則である「クライエントの自己決定の尊重」が曖昧な表現になっていることも指摘しておきたい。そして、ソーシャルワーカーのクライエントの人権擁護に関する役割については、全く触れていない。現在の医療状況は、医療事故の問題や医療過誤や財産の管理等、人権に関する問題があり、精神医療においても人権の問題は残念ながら重要な課題として対応を迫られている。今後、「患者権利擁護者制度」の構築が必要であると考えており、医療ソーシャルワーカーは、クライエントが自らの権利を行使するための情報の提供という役割を担っていると考える。


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標  題
「ソーシャルワーカーの倫理綱領」改定案について(申し入れ)
日  付 2002年12月25日
発翰番号 PSW02−53号
発 信 者 日本精神保健福祉士協会 会長 門屋充郎
提 出 先 日本ソーシャルワーカー協会 会長 仲村優一
社団法人日本医療社会事業協会 会長 高田玲子
社団法人日本社会福祉士会 会長 土師寿三

 時下ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
 さて、現在貴3団体において検討が進められている「ソーシャルワーカーの倫理綱領」改訂案について下記の通り申し入れをさせていただきたく、よろしくお取り計らいのほどお願い申し上げます。

  1.  「ソーシャルワーカー」の共通の倫理綱領を検討するのであれば、当協会も含めた社会福祉専門職4団体による合同作業委員会が構成され、すべての団体の合意の下で検討が進められるべきものと考えます。

  2.  貴3団体がそれぞれの会員の総意で共通の倫理綱領を採択されることに関しては、何ら異論を挟むものではありませんし、またその立場にもありません。ただ一点「ソーシャルワーカーの」という文言を使用されることに関して再度ご検討いただきたいと存じます。

  3.  将来的に4団体が統一した倫理綱領を作成することについては、当協会も切望しており、協力を惜しむものではありません。



標  題
精神保健医療福祉施策の推進に関する要望
日  付 2002年12月13日
発翰番号 PSW02−51号
発 信 者 日本精神保健福祉士協会 会長 門屋充郎
提 出 先 厚生労働大臣 坂口 力

 時下ますますご清祥の段、お喜び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚くお礼申し上げます。
 さて、報道等によりますと12月9日の社会保障審議会障害者部会精神障害分会において精神保健医療福祉施策の報告書がまとめられ、いよいよ精神障害者の社会的入院の解消や地域生活支援体制の整備に本格的に取り組まれることと存じます。

 当協会は、先般「精神障害者の保健医療福祉総合計画に関する要望書」を社会・援護局障害保健福祉部精神保健福祉課長宛て提出いたしたところですが、このたび、厚生労働省内に貴大臣を本部長とした精神保健医療福祉対策推進本部(仮称)が設置されることは、日本の精神障害者施策において画期的なことと大変な期待を寄せているところで、当協会もでき得る限りの協力をさせていただく所存です。

 つきましては、精神障害者の社会的復権と福祉に関する専門的・社会的な活動を推進する立場から以下の通り要望いたします。

[要望事項]

 新たに設置される精神保健医療福祉対策推進本部(仮称)の下、すべての精神障害者が安心して地域で生活できる体制の整備をより一層推進して下さい。
 具体的には、社会的入院の解消のために精神保健福祉士をはじめとするコメディカル職種の精神病院への配置を促進し、精神科病床を削減するとともに精神科特例を廃止し、診療報酬の増額を行い、良質な治療体制を確保してください。
 また、退院後の地域生活の確保のため、居住施設を含む住居の確保、社会参加の場や機会の拡大、就労支援の整備、精神科救急医療体制の整備等々について総合的な地域ケア体制を早急に確立してください。


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標  題
医療ソーシャルワーカー業務指針改正に関する要望
日  付 2002年10月15日
発翰番号 PSW02−43号
発 信 者 日本精神保健福祉士協会 会長 門屋充郎
提 出 先 厚生労働省 社会・援護局 障害保健福祉部 精神保健福祉課長 松本義幸

 平素より、当協会の活動及び運営にご理解ご協力を賜り厚く御礼申し上げます。また、精神障害者の保健医療福祉施策の推進にご尽力されていることに心より敬意を表します。
 さて、現在「医療ソーシャルワーカー業務指針改正検討会」において検討されている標記のことについて、下記のとおり要望いたします。
 なお、厚生労働省健康局総務課長及び医療ソーシャルワーカー業務検討座長にも同文の要望書を提出しております。

[要望事項]

 精神保健福祉士はいわゆる精神科ソーシャルワーカーの国家資格であり、その業務の遂行にあたっての医師との関係については、医療ソーシャルワーカー業務指針の規定にかかわりなく、精神保健福祉士法に基づいて行うものであることを明記してください。

[理  由]

 現行の医療ソーシャルワーカー業務指針では、「3 業務の方法」として、受診・受療援助は医師の指示により行うこととされています。また、「1 趣旨」には医療ソーシャルワーカーには精神科ソーシャルワーカーが含まれるとされています。
 しかし、精神保健福祉士法においては精神保健福祉士が業務を行うに当たっては、医師の指示ではなく、主治医の指導を受けることとされています。


標  題
医療ソーシャルワーカー業務指針改正に関する要望
日  付 2002年10月15日
発翰番号 PSW02−43号
発 信 者 日本精神保健福祉士協会 会長 門屋充郎
提 出 先 医療ソーシャルワーカー業務指針改正検討会 座長 谷 修一

 平素より、当協会の活動及び運営にご理解ご協力を賜り厚く御礼申し上げます。
 さて、現在「医療ソーシャルワーカー業務指針改正検討会」において検討されている標記のことについて、下記のとおり要望いたします。
 なお、厚生労働省健康局総務課長にも同文の要望書を提出しております。

[要望事項]

 精神保健福祉士はいわゆる精神科ソーシャルワーカーの国家資格であり、その業務の遂行にあたっての医師との関係については、医療ソーシャルワーカー業務指針の規定にかかわりなく、精神保健福祉士法に基づいて行うものであることを明記してください。

[理  由]
 現行の医療ソーシャルワーカー業務指針では、「3 業務の方法」として、受診・受療援助は医師の指示により行うこととされています。また、「1 趣旨」には医療ソーシャルワーカーには精神科ソーシャルワーカーが含まれるとされています。
 しかし、精神保健福祉士法においては精神保健福祉士が業務を行うに当たっては、医師の指示ではなく、主治医の指導を受けることとされています。

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標  題
医療ソーシャルワーカー業務指針改正に関する要望
日  付 2002年10月15日
発翰番号 PSW02−43号
発 信 者 日本精神保健福祉士協会 会長 門屋充郎
提 出 先 厚生労働省 健康局 総務課長 仁木 壮

 平素より、当協会の活動及び運営にご理解ご協力を賜り厚く御礼申し上げます。
 さて、現在「医療ソーシャルワーカー業務指針改正検討会」において検討されている標記のことについて、下記のとおり要望いたします。
 なお、医療ソーシャルワーカー業務検討会座長にも同文の要望書を提出しております。

[要望事項]

 精神保健福祉士はいわゆる精神科ソーシャルワーカーの国家資格であり、その業務の遂行にあたっての医師との関係については、医療ソーシャルワーカー業務指針の規定にかかわりなく、精神保健福祉士法に基づいて行うものであることを明記してください。

[理  由]
 現行の医療ソーシャルワーカー業務指針では、「3 業務の方法」として、受診・受療援助は医師の指示により行うこととされています。また、「1 趣旨」には医療ソーシャルワーカーには精神科ソーシャルワーカーが含まれるとされています。
 しかし、精神保健福祉士法においては精神保健福祉士が業務を行うに当たっては、医師の指示ではなく、主治医の指導を受けることとされています。


標  題
「臨床心理技術者の資格のあり方に関する研究」(平成13年度厚生科学研究)分担報告書について
日  付 2002年10月8日
発翰番号 PSW02−38号
発 信 者 日本精神保健福祉士協会 会長 門屋充郎
提 出 先 厚生労働省 社会・援護局 障害保健福祉部 精神保健福祉課長 松本義幸

 時下、ますます御健勝のこととお慶び申し上げます。
 日頃より本協会の活動にご理解とご支援を賜り厚くお礼申し上げます。

 この度の平成13年度厚生科学研究「臨床心理技術者の資格のあり方に関する研究」報告書について、関係者の御努力に深く敬意を払いたいと思います。

 さて、精神保健福祉士に関する記載内容の一部につき事実確認と意見を申し上げたくご連絡いたします。
 「報告書」の本文V「医師の指示と指導」の部分で、精神保健福祉士に関する記述について、「精神保健福祉士の場合は、その医療に関して指示を受けるが、専門領域に関しては指示を受けないとされ、保助看法の一部解除として法的責任が課せられている」とされていますが、精神保健福祉士については、「主治の医師があるときは、その指導を受けなければならない」と精神保健福祉士法41条に定められています。なお、精神保健福祉士は名称独占資格であって、保助看法の一部を解除して、医師の指示のかかる「診療の補助業務」についての法的責任は定められておらず、チーム医療の向上のために連携することを求められています。
 以上の点につきまして、誤解のなきようご理解いただきたく連絡いたします。

 今後とも、本協会の活動にご理解とご協力をいただき、ご指導ご鞭撻の程、よろしくお願い申し上げます。


標  題
「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律案」に関する見解
日  付 2002年7月13日
発 信 者 日本精神保健福祉士協会第38回総会

 日本精神保健福祉士協会は2001年9月17日と同年12月17日に重大な犯罪行為をした精神障害者の処遇に関する「見解」と「要望」を表明した。その後、標記法案が明らかとなったことから改めて協会として検討を行った。その結果、2002年5月に開催された全国理事会において協会としての態度を審議し、精神保健従事者団体懇談会が表明する反対『声明』に同調することを採決によって決定し、協会としての見解を表明することとした。
協会は法律案が社会防衛を目的とし「再犯の恐れ」を基準とした無期限の予防拘禁を可能とする政府案には反対である。不幸にして重大な犯罪を起こした精神障害者が、刑事責任能力がないとされたときの入通院の正当な根拠は、他害行為の背景にある精神障害に対する医療の必要性以外にはありえず、社会防衛的処遇が必要となれば、それは司法の責任において行われるべきである。これらを明確にした充分なデュープロセスの確保が必要で、慎重な対応が望まれる。

 協会は精神障害者の社会的復権の観点から、精神障害者の医療・保健・福祉における支援に関わり、一貫して精神医療が社会防衛的役割を果たすことは時代に逆行すると主張し続けてきた。特に精神科入院医療は治療行為に加えて、刑事責任能力がないとして措置入院となった者への予防拘禁を含む社会的入院など、一般科医療より劣悪な条件下で過酷な役割を担わされている。医療はいかなる状況にあっても疾病からの回復を支援すべきものであって、社会防衛を目的とすべきものではない。しかし、現実の精神医療は司法の問題を含む社会的処遇の役割なども担わされてきた。このことが精神医療の問題を複雑にし、総体的に医療の質を低下させてきたと考えている。

 協会は、基本的に精神障害者の責任能力を認め、自己決定を尊重することを前提として処遇されるべきと考え、いかなる立場、状況にある精神障害者であっても等しく質の高い医療が保障されるべきであると主張してきた。司法の場における精神障害者に対しても、良質な医療・保健・福祉を受ける権利が保障されるべきであり、当該精神障害者が裁判を受ける権利が保障されること、また、場合によっては刑を受ける義務を負うべきであることを確認するものである。

 日本の精神障害者の社会的処遇を含む精神保健福祉の現状は、国内の監査機関・諸外国からの勧告等からしても国際的に劣悪な状態である。政府が行うべきは、現状の精神保健福祉政策の抜本的改革、社会防衛政策を基本的に廃し、脱施設化による病床削減、精神科特例の廃止と充分なマンパワーの配置、大幅な医療費の確保などによる良質な精神医療体制の歴史的転換が喫緊の課題である。そのうえで、日本と同程度の経済・社会・文化水準にある先進諸国が行っているコミュニティケアを基本とした精神保健福祉施策への大胆な転換を進める必要がある。

 協会は国会における標記法案の審議を速やかに中断し、まずもって日本の精神保健福祉の政策転換を行い、司法と医療の役割分担と連携について改めて検討するべきであることをここに見解として表明する。


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標  題
国立精神科医療機関における精神保健福祉士の配置促進に関する要望
日  付 2002年6月18日
発翰番号 PSW02−15号
発 信 者 日本精神保健福祉士協会 会長 門屋充郎
提 出 先 厚生労働省 健康局 国立病院部 企画課長 高橋直人
厚生労働省 社会・援護局 障害保健福祉部 精神保健福祉課長 松本義幸

 平素より、当協会の活動並びに運営にご理解ご協力を賜り厚く御礼申し上げます。また、精神障害者の保健医療福祉施策の推進にご尽力されていることに心より敬意を表します。

 さて、精神保健福祉士が精神障害者の社会復帰の促進と人権擁護を担う職種として国家資格化され、すでに5年が経過しております。この間、有資格者の人数も1万人を超え、民間の精神科医療機関等では一定程度の精神保健福祉士の配置が進んでおります。

 一方、国立の精神科医療機関においては、精神保健福祉士としての採用がなされず、その配置も進んでいないのが現状です。

 今後、精神科医療における国立施設の役割と機能はますます重要となることからも、以下の通り要望いたします。

  1. 精神科外来及び精神病床を有する国立医療機関における精神保健福祉士の配置を促進してください。


  2. 国立医療機関に勤めるソーシャルワーカーに福祉職俸給表が適用される場合には、当該俸給表の適用職種に精神保健福祉士を含めてください。


標  題
精神障害者の保健・医療・福祉総合計画に関する要望
日  付 2002年6月3日
発翰番号 PSW02−11号
発 信 者 日本精神保健福祉士協会 会長 門屋充郎
提 出 先 厚生労働省 社会・援護局 障害保健福祉部 精神保健福祉課長 松本義幸

 平素より、当協会の活動並びに運営にご理解ご協力を賜り厚く御礼申し上げます。また、精神障害者の保健医療福祉施策の推進にご尽力されていることに、心より敬意を表します。
 さて、社会保障審議会障害者部会精神障害分会において現在検討が進められているところの「精神障害者の保険・医療・福祉総合計画」(以下、総合計画とする)について、精神障害者の社会復帰の促進と人権擁護を担う立場から、以下の通り要望いたします。

  1. 計画の策定にあたって
     総合計画の策定にあたっては、多障害と同等の施策の充実を図り高齢者のゴールドプランにも匹敵しうる計画を盛り込む必要があります。
     その実現のためには、医療に編重してきた精神障害者施策を地域保健・福祉施策中心へと大転換していくことであり、今後の医療法の改正と障害者基本計画並びに障害者プランの策定に充分反映できる内容とするべきであると考えます。
     また、総合計画は「誰もが住みなれた地域で、個人の尊厳が保障され、自分が望む生活を実現する」ことを理念の中心に据えて策定してください。


  2. 精神障害者の地域生活支援について
    (1)福祉サービスの充実について
     総合計画における居宅生活支援事業の普及を盛り込むことが検討されていますが検討されていますが、市町村におけるショートステイ施設やグループホームの現在の整備状況は極めて不十分です。このため、計画は基本的にすべての市町村が当該事業に取組むことを前提とした数値目標を掲げる必要があります。
       また、今年度より精神障害者の在宅福祉サービスが市町村により実施されることになりましたが、一部の業務については地域生活支援センターに委託することができることになっています。しかしながら、現状の地域生活支援センターの人員配置では良質かつ適切なサービスの提供が困難となることが予想されます。来年度より本格実施が予定されている障害者ケアマネジメントについても、市町村が地域生活支援センターに業務委託を行う場合には、従事者の増員を義務づけるとともに、国として増員に見合う補助金の加算を検討してください。
       なお、精神障害者のニーズに基づく地域福祉サービスを展開するためには、市町村が自ら相談等の業務を通じてニーズを把握することが重要であり、市町村が総合相談機関、ケアマネジメント機関としての機能を常にもち、一部を地域生活支援センター等に委託できることとして、行政機関としての責任を明確にしてください。


     (2)住居の確保について
     従来から単身の精神障害者が住居を確保することは、保証人の問題等のために極めて困難な状況となっています。このため、公営住宅法の見直しを行なうとともに、現在一部の自治体で実施されている公的保証人制度や民間アパートの借り上げ等が全市町村で実施されるようにしてください。

  3. 社会復帰施設の充実について
    (1)社会復帰施設の整備について
     社会復帰施設の量的な整備を図るとともに、職員の専門的な資質を高めるための研修の充実や人員配置基準の見直しなどにより、いわゆる社会的入院者の退院や社会復帰の促進に寄与できるような体制の整備を図ってください。

    (2)精神病棟の施設転換について
     既存の精神科医療機関の病棟をそのまま施設に転用することについては、名称を変えた医療内処遇の延長にしかならないとの危惧を抱かせます。新たな類型の社会復帰施設を創造する際には、スクラップ・アンド・ビルド方式を採用し、精神科医療機関の敷地内の設置を禁じ、医療施設との社会的な距離を保てる形での施設構造とするとともに、地域住民との交流を促進するなど地域に開かれた施設とすることを開設の条件としてください。

    (3)社会復帰施設のサテライト方式を新規に導入してください。

    (4)地域生活支援センターの整備目標は、人口5万人に1ヶ所としてください。

  4. その他
    (1)就労支援・雇用促進施策を総合計画に盛り込んでください。

    (2)救急対応を必要とする精神障害者に対して、生活支援の観点から公的な危機介入チームを派遣できるようアウトリーチ・システムを構築してください。

    (3)市町村における生活相談や社会復帰施設利用の相談や居宅生活支援事業等の実施開始による混乱が生じないよう、市町村の担当職員の研修体制を構築してください。

    (4)精神障害者の社会復帰を促進するために、精神科医療機関における精神保健福祉士の業務に対する診療報酬上の適正な評価と適正配置を行ってください。


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標  題
第3種・第4種郵便制度に関する緊急要望について
日  付 2002年5月1日
発翰番号 PSW02−5号
発 信 者 日本精神保健福祉士協会 会長 門屋充郎
提 出 先 内閣総理大臣 小泉純一郎

 日頃より、わが国の障害者施策の発展と充実にご尽力を賜り、厚くお礼申しあげます。
 さて、先般の新聞記事によりますと、今国会に提出予定の郵政関連法案では、政策割引として「第3種・第4種郵便」制度が継続されるとの報道がありました。
 第3種・第4種郵便制度は、教育の普及や福祉の増進などを目的として1948年に定められて以来、自主財源の乏しい障害者団体等の社会啓発・普及活動や会員相互のコミュニケーション及び各種情報の伝達・入手手段として、かけがえのない役割を果たしてきました。
 私たち障害者及び障害関係団体においては、当該制度が後退することは、活動低下はもとより、その存続自体が危機に瀕するといっても過言ではありません。また、近年の障害者政策における各種バリアフリー施策の流れにも逆行し、障害者基本法で明記された「障害者の自立と社会参加」を阻む、情報分野における新たなバリアにもなりかねません。
 つきましては、次の点に是非ともご配慮いただきたく、緊急に要望する次第です。

  1. 「心身障害者団体が発行する第3種・第4種郵便の認可を受けた定期刊行物」の割引制度を法文上いかなる場合であっても残していただきたいこと。

  2. 第3種・第4種郵便の割引内容については、現行の料金水準を法律で明記していただきたいこと。

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