2013年8月3日(土)から5日(月)の期間に、東京八重洲ホール(東京都中央区)にて、「第9回認定スーパーバイザー養成研修・基礎編」「第8回認定スーパーバイザー養成研修・応用編」「第7回認定スーパーバイザー更新研修」を開催しました。ここでは、応用編及び更新研修の修了者から各研修の報告を掲載します。
応用編・開講式 | 応用編・演習の様子 | 更新研修・開講式 | 更新研修・代表者による修了証書授与 |
藤沢市役所(神奈川県)/経験年数16年 淺沼尚子
(第8回認定スーパーバイザー養成研修・応用編)
2012年8月の養成研修から1年、ようやく応用編の受講を迎えました。
自分の地域でスーパービジョン実践を行い、そのレポートをまとめ、講師の先生方からのコメントを貰う。その過程では、自分が対人援助の仕事にありながら、相手を尊重していなかったことに気づき、深く落ち込んだこともありました。
最終審査に合格し、今日の日を迎えても、スーパービジョンへの不安は変わりません。
それでも、応用編を受講し、次のように考えるようになりました。
「私は認定スーパーバイザーという特別な資格を得ようとしたのではなく、スーパービジョンを学び、その活動を続けるスタートラインについたのだ」と。
誰しも自分に対してお墨付きを貰い、安心を得たいものではないかと思います。でも応用編の中で「スーパーバイザーは、スーパーバイジーが何かに気づき、そこから自分はどう動けば良いか、何を学べば良いのかを探り当てることに関わる」という講師のお話を聞き、スーパーバイザーもスーパーバイジーと同じ、自ら成長しようとする姿勢で進めば良いのではないかと意識が変わりました。
そして、もう一つ応用編で得たことがあります。それはスーパービジョンの今後について「スーパービジョンが構造的に行える環境作り」をいかに行うかという課題です。この一年は、自分のスーパービジョンにのみ関心が向き、地域での展開については漠然としていました。しかし、周りの仲間達の中でも、スーパービジョンに対する認識は色々で、敷居が高いままです。安定して活動し続けるには、いくつもの現実的な課題が出てきます。今度は、所属している地域の仲間達との対話をもっていかねばならないと、自分が動く方向性を提示されたように思いました。
応用編を経て、地域や組織におけるスーパービジョン展開のスタートラインに着いたのかもしれないと感じています。
スーパービジョンとは何なのか、私は何度もスーパーバイジーの言葉から学びました。また本当に一人では出来ない研修で、講師の先生方や同じ受講生の方々の支えとスーパーバイジーの方の協力無しには続きませんでした。皆様に心からお礼申し上げます。ありがとうございました。
医療法人清友会 植田病院(福岡県)・本協会研修企画運営委員長/経験年数19年 渡邉 俊一
(第8回認定スーパーバイザー養成研修・応用編)
平成25年8月4日、快晴。
平成24年8月4日、決死の思いでこの「山」に足を踏み入れてから早いもので1年が経過し、それぞれさまざまな思いでこの1年間を過ごした仲間との再会を果たしました。
1年前とは比較にならないくらいリラックスした表情の仲間との再会であらたな勇気と元気を注入し、山頂を目指して、いざ。
・・・・・。応用編はあっという間に終了しました。ほぼ無傷、むしろ元気。感謝。
ふと、実践編にあてられたこの1年を思い返します。
幸運なことにSVEは比較的スムーズに決まり、無事に実践編をスタートさせました。年内に4回の実践を行い、中間レポートの提出です。年が明け、振り返りにあてた最終回までに更に4回を積み重ね、合計8回のSV実践を終え、最終レポートの提出でした。
文章にして振り返ってみると、ほんのこんな感じですが、筆舌に尽くし難い、実に様々な思いの気付きや葛藤、疑問と学びが詰め込まれた非常に濃厚な1年でした。
あらためて本研修の受講、実践経験は非常に尊いものであったと実感しました。
それもさることながら、SVEをはじめ実践編においてご協力ご支援くださった多くの方々や本研修で学びや気づきを与えてくださるとともに長い時間お付き合いくださった講師の先生や関係者の方々に、あらためて感謝です。また、それ以上に、時を同じくしてこの「山」登りに挑んだ仲間の存在は掛け替えなく大きな存在でした。励まし合い叱咤し合いながら真剣に、時におちゃらけながら、個々が真摯にSVと向き合いもがきながらも、研修を完走したことを誇りに思います。
しかし、「山」登りは終わりではなく、まだまだ続きます。まだ見ぬ山頂に到達できることを信じ、一歩づつ歩みを進めていきたいと思います。
・スーパービジョンは、SVEのみならずSVRも共に成長できる可能性を秘めている。
・スーパービジョンは、ソーシャルワーカー「らしさ」という自覚と意識をもたらすものである。
「魂」の生成、自らの成長や進化に期待しつつ、今後もSVにたずさわっていきたいと思います。ひとりでも多くのみなさんにこの研修を受講してもらいたいと心より願っております。是非、ご検討ください。お待ちしております。
松山記念病院(愛媛県)/経験年数20年 五郎丸岳也
(第7回認定スーパーバイザー更新研修)
真夏の東京の景色の中会場にたどり着くと「認定スーパーバイザー養成研修を受けたなあ」としみじみ当時の実感が蘇ります。早いもので2回目の更新研修になりました。
参加者は13名で前回より多く、認定スーパーバイザーの登録数が(当然ですが)増えてきていることを感じました。
柏木昭先生の講義「ソーシャルワーカーの権威性」は、実践がソーシャルワークたり得るかという問いかけであるような内容でした。先生は「スーパービジョンの重要性はこの講義に立ち返ること」という主旨のことをおっしゃいました。その言葉に、養成研修の中でもスーパービジョンの立ち返るところが「ソーシャルワーク」であることが繰り返し語られたことを思い返しました。
参加したグループの演習では、スーパービジョンとして機能するには、バイジー側にも一定程度の「土台」が必要ではないかといった話題が印象に残りました。それは実践経験であったり、ソーシャルワークを咀嚼し味わう感覚であったり、スーパービジョンの目的や意義を言葉としてではなく実感として得られる成熟であったり、様々でした。「ソーシャルワークという視座を持ち得るか」という「土俵」の話は当然バイザー側にも問われることであり、バイジーとバイザーが同じ目的に向かって取り組むスーパービジョンを考える上でよい機会になりました。
研修の出だしは、多くの先輩方に囲まれて「怒られるんじゃないか」というバイジーの立場の皆さんが味わうであろう緊迫感に圧倒されましたが、先輩方や同窓の皆さんは、私の言葉を、柔らかくかつ真剣に聴いて下さって、一緒に考えていただきました。スーパービジョンを行う際にも、このような温かく、熱く、対等で真剣な時間を共有することが大切であると感じました。
これは、養成研修を受けたころから変わらない印象ですが、今回もやはり元気を回復できる研修だったと思います。「スーパービジョン」を通じて自身を語り、参加の皆さんの語りを得て、考え、思いを共有できる機会であることが大きい気がします。柏木先生をはじめ、スタッフの皆様、参加された皆様のお陰であると深く感謝致しております。ありがとうございました。