2017年度に実施した「生涯研修制度・基幹研修T・U「講師講習会」につきまして、2017年4月2日(日)に横浜ビジネスパーク(神奈川県)にて開催しました。ここでは、修了者から報告記事を掲載します。
講義を行う齊藤講師 | 全体会の様子 | 受講者を代表した修了証書授与 |
就労移行支援事業所エンワーク(大阪府)/経験年数13年 松山 剛
「精神保健福祉士である」ということは、何によって保障されるのでしょうか。福祉系の大学ではなく一般養成校を経て資格を取得した私は、働き始めてからも自分の実践には幹となるものが存在しないのではないかと気になっていました。私が支援の在り方に対して持っているこだわりは、専門職としてのこだわりなのか、私自身のこだわりなのか。そのようなことを考えていた私は、2008年に生涯研修制度ができると、それまでの研修履歴の読み替えはせずに、迷わず基幹研修Tからの受講を決意しました。しかしいくら格好の良いことを言っても、さすがに日々の実践の中で常にこの基幹研修で学んだことを意識できているかというと、恥ずかしながらまだまだ不十分です。けれども、2016年の4月に認定精神保健福祉士の認定を受けると、まがりなりにもここまで実践を継続してきた自分に少し自信が持てたように感じています。
今回、この「講師講習会」を受講したことにより、かつて私が受けた研修が、どのような意図で提供されていたのかということに、改めて気づかされました。そして講義を聞き進める過程は、まさに自分自身の成長を振り返るプロセスと重なるものでした。折しも個人的にキャリアに関する勉強を行っていたこともあり、斎藤先生の講義「人材育成を根底においた研修」はキャリアデザインやキャリアパスの必要性についても触れられ、大変意義深いものでした。
そして講習会は最後の演習へと進みます。参加者の周囲にはそもそも基幹研修への参加どころか、協会の存在さえ認識されていない精神保健福祉士がいたり、自身の実践の振り返りのために協会に入会し、基幹研修に参加してほしいと思うような人物程、そのような場に出てこようとしないなどのもどかしさがあります。地域は違えども職場や地域での新人の育成、教育に腐心しているのはみんな一緒なのだと共感し合うも、その現実に途方に暮れそうになりました。とはいえ、今この場に立ち返ると、同じような気持ち、問題意識を持った仲間が全国から集まってきているということに希望があることを確認し、すっきりした気持ちで演習を終え横浜を後にしました。
個人的な不安から受講を開始した生涯研修制度ですが、認定を受け、今回の講師講習会まで参加すると、いよいよ私自身も専門職の歴史のバトンを後進につないでいく役割を担っていく覚悟をしないといけないんだなと、不肖の身ながらも気持ちを引き締めるのでした。