報告

第34回更新研修

 「第34回更新研修」を横浜ビジネスパーク(神奈川県)にて開催しました。日程は、4月1日(土)でした。ここでは、修了者から報告記事を掲載します。


<第34回更新研修>
     
齊藤講師による講義 演習の様子 代表者による修了証書授与

・ 変化の中でも変わらぬ価値を確かめるために

川崎市健康福祉局精神保健課(神奈川県)/経験年数25年 山田 敦

 新たな年度を迎えたばかりの4月1日、横浜で開催された更新研修に参加しました。開きかけた桜のつぼみも震えるような冷たい雨のなか、50名近い参加者が集いました。
 今回は地元神奈川の開催ということで、馴染みの顔も多く、お互いの近況などについての情報交換もしながら、私自身にとっては、これまでのキャリアや精神保健福祉を取り巻く環境の変化を振り返る機会となることも期待をしておりました。

 午前中の齊藤晋治先生の講義では、ソーシャルワークの歴史をたどりつつ、近年のソーシャルワークのグローバル定義など、専門職性について理論的な背景から見つめなおすとともに、精神保健福祉士の価値や視点をもとに、専門性に基づいた「業務」がどうあるべきかを、熱くそしてユーモアも交えながら語られていました。また、養成校の現場においては、Y問題が歴史の一部になりつつある現状があることは、時の流れを感じさせずにはいられないことでした。25年前に私が新人だった頃は、周囲の先輩諸氏から、様々な機会で語り継がれてきたように記憶しています。先輩方が実践から学び、継承してきた視点や価値を、後輩へつないでいく役割が、私たちの年代に課せられているのだろうということを感じました。

 午後のスーパービジョンでは、医療機関、福祉サービス事業所、行政機関、大学など様々な領域のメンバー7人で、日頃の実践で感じている揺らぎや業務上の困難さなどについて語り合いました。支援だけでなく、人材育成や施設や部署の運営などに関することなど、一定経験以上の職員ならではの話題もあり、自然と共感しあえる雰囲気が生まれていたように思います。また、それぞれ立場や感じる課題の違いはありましたが、共通していたのは地域や関係機関との連携についてでした。日頃の支援において、人と人とのつながりを大切にすることが、対象者中心の地域を構築していくこととなり、それが精神保健福祉士の仕事の醍醐味だということを、メンバー間で認識しあえたように思います。

 法改正を控えた今年度は、精神保健福祉を取り巻く環境にも様々な変化が生じることと思います。そんな変化の中でも、精神保健福祉士としての変わらない価値を大切に、今の業務に向き合っていこうと思えた、そんなひと時となりました。研修でお会いできた参加者、そして事務局の皆さまありがとうございました。


※ご報告いただいた方のご所属名と経験年数は、研修受講時の情報で掲載しています。


△前のページ戻る