「第28回更新研修」をサンメッセ鳥栖(佐賀県)にて開催しました。日程は、7月23日(土)でした。ここでは、修了者から報告記事を掲載します。
<第28回更新研修> | ||
齊藤講師による講義 | 演習の様子 | 代表者による修了証書授与 |
たていわ病院(福岡県)松藤 智恵子
(第28回更新研修修了者)
このたび佐賀県会場で開催された更新研修に参加させていただきました。更新研修でしたので、私の予想どおり会場には大先輩の面々がいらっしゃる状況で、変に緊張を覚えた1日となりました。
研修プログラムは1日で詰め込むにはもったいないほどの内容の濃さでした。研修を受ける身としましては1日で終了するほうが助かりますが、資質の向上や担保といったことを考えますと必要な時間はしっかりかけたほうが良いのではないかと思います。
早速内容についてですが、講義「ソーシャルワーク論」では齊藤晋治先生にお話をいただきました。ソーシャルワークの歴史を振り返り、精神保健福祉士としてのアイデンティティや専門性について触れ、これからの精神保健福祉士のあり方を日本協会の方針と照らし合わせながら示してくださいました。
講義は全体的に駆け足の進行でしたが、「Y問題」にも短時間触れられました。私たちのあり方を問うとき「Y問題」は忘れてはいけない問題であり、後進に必ず伝えていかなければいけない歴史です。たまたまこのYさんは自らの被害について声を出して訴えてくださいました。私たちが生まれ変わる機会をYさんは与えてくださいました。このような重篤な罪を二度と犯さないために人権擁護の意識を研ぎ澄まし、社会正義やクライエントのため、といった名目で無意識に人権侵害を行っていないか、私たちは常に検証し続けなければならないと感じます。
「スーパービジョン」「演習」はグループワーク形式で行われました。「スーパービジョン」は、私のグループでは各メンバーの事前提出課題から「医療機関における精神保健福祉士の支援のあり方」「地域援助事業者における精神保健福祉士の支援のあり方」「コミュニケーションに不安を抱える方への支援」の3つをテーマに設定しました。いずれのテーマにも共通していたのは、関係機関との情報共有がうまく図れていないケースが多々見られ、精神保健福祉士としての技量やセンスが問われることが挙げられていました。このことは後進の育成にあたる上でも大変重要であると皆感じており、どのように後進へ伝えていくべきかなど、おおいに盛り上がりました。
「演習」では、テーマが自然と「一生活者として地域でともに暮らしていくこと」に決まり、各々の昔懐かしい体験談(通院患者さんが自宅を訪ねてきて家族が応対したなど)をお聞きすることができました。
1日をとおして大先輩を前に緊張しましたが、逆に助言や励ましの言葉を頂戴するなど元気をいただき、私にとっては大変有意義な研修となりました。ありがとうございました。
※ご報告いただいた方のご所属名と経験年数は、研修受講時の情報で掲載しています。