報告

第4回基幹研修23を受講して

第4回基幹研修23)」を宮城自治労会館にて開催しました。日程は、基幹研修2が2009年9月26日(土)、基幹研修3が2009年9月26日(土)、27日(日)でした。ここでは、それぞれの修了者から報告記事を掲載します。

基幹研修3
       
藤原講師による講義1 会場の様子 演習 全体会での各班発表
基幹研修2
       
山田講師による講義3 演習の様子 修了証書の授与 集合写真

<基幹研修3

・ 両手にお土産を抱えて 〜基幹研修3からの学び〜

医療法人弘徳会 愛光病院 地域連携支援部相談科(神奈川県) 佐藤 麻美

 2009年9月26日,27日の2日間、宮城県にて開催された『基幹研修3』を受講しました。土日の開催で、業務への影響も最小限にできたことも、些細なことながら安心材料でありました。今回のプログラムは、理論の講義形式から、そのまとめとなる演習・事例検討へ、ウォーミングアップしながら進められた印象でした。個人的には、年数を重ねるごとに自分の実践が専門性を活かして、確かな根拠を持って為されているか、ということを新人の頃よりも考えるようになっているため、実践において当然のように行っていることも、理論として言語化されて示されると、より大切に、原点に帰って再認識できました。

 「専門性」に関連して興味深かったのは、英国のワーカー国家資格認定事情のご紹介の中で「認定委員の過半数は非専門家である」というお話です。私たちがかかわりの対象とさせていただくのは、(関係する他職種は別として)非専門家の市民の方々であり、私たちもまた専門職であり一市民でもあるわけですから、精神保健福祉が特別なものとみられるのではなく一般的にもわかりやすいように、また、それを実践している精神保健福祉士(以下、PSW)の専門性というものも一般の人にわかりやすい言葉で表現されていなければ・・・と、ひとつ宿題を持ち帰った気持ちでいます。また、「制度・政策論」においては、国で決まった政策に対して受け身でいるのではなく、運用していく中で感じた違和感等を発信していくべき立場なのだと改めて実感しました。そして、それらを社会的に伝えていく時に、精神保健福祉士協会という職能団体へ個々のPSWがより参加していけるといいですし、また、そうしたアクションを生み出せる専門職なのだということは、ひとつのプライドでもあると思います。「実践論」は、前述の専門性・政策論等とリンクして、社会・組織の中でPSWという資格をいかにして活用していくかというアドバイスもあり、様々なジレンマがありつつも、楽しみながら実践をされてきたメッセージを感じました。

 演習においては、様々な地域性を感じながら活発な意見交換ができ、長く実践を続けて来られている諸先輩方の熱い心と冷静な視点を目の当たりにして、PSWを続けていくことに様々な可能性と魅力を感じました。今回の研修は、参加者最年少ということで、ちょっと背伸びをしつつ、たくさんのお土産をいただいた気持ちです。このお土産を大切に抱えながら、仲間にもおすそわけしながら、実りある実践を目指し続けたいと思います。


<基幹研修2

・ たくさんの出会い・学びのあった一日

山形県立鶴岡病院(山形県) 今野 智美

 9月26日(土)に仙台市で行われた第4回基幹研修2に参加しました。

 朝9時から夕方5時まで講義・演習が続き、1日で終了というとてもハードな日程ではありましたが、充実した内容と、お昼休みや研修会後の懇親会の席でいろいろな方とお話ができ、とても満足した1日でした。

 小林則幸先生からの「精神保健福祉士の専門性2」の中では、特に当事者の自己決定における精神保健福祉士の位置や自己のかかわりを客観化できる「記録」の大切さについて再確認できました。記録がおろそかになりがちの私にとって、記録しやすい方法などは、工夫・検討する必要があると感じました。

 また、制度・政策については、どうしても理解に時間がかかるため私の中では難しさが先行してしまいがちでしたが、「精神保健福祉制度・政策論2」での森谷就慶先生のユニークでわかりやすい講義内容から、苦手分野という印象が少し拭い去れたと思います。その中でも、今まで多くの先輩達の働きかけがあったからこそ、この精神保健福祉士という資格制度ができ、資格化までの動きや経験談は後に続く人たちへ語り継いでいかなければならないと強く感じました。

 そして、山田伸先生からの「精神保健福祉士の実践論2」では、日々当たり前に行っていることの点検についての内容がとても印象に残りました。最近になり、実習生を受け持つことが多くなった私にとって、実習生からの声は日常の業務を振り返る材料としてとても大切なことだと教えていただき、そのためは率直に話してもらえるような雰囲気づくりや真摯に受け止める姿勢をもつよう、意識して行いたいと思いました。

 精神保健福祉士の資格を取得し、経験年数や所属などそれぞれ異なる方たちが地域を超え同じテーブルで学ぶという機会はそう多くないと思います。最後の「演習」ではそういった機会があり、お互いの置かれている立場の理解から気付くこと・刺激になったことなどがたくさんありました。

 私は山形県協会で基幹研修1を担当している手前もあるのですが、基幹研修1を修了して要件を満たしている方がいれば、ぜひ(懇親会も含めて)参加していただきたいと思います。基幹研修Tを修了後、一定期間内に基幹研修2を履修することによって、共通テキストの内容理解も深まり、日々の業務を意識して振り返ることができると思います。

 また、振り返りからの気付きや研修の場での仲間との出会いなど、本来の業務を離れたことによって感じること・考えることがたくさんあり、私にとって貴重な財産となりました。これからも日々の業務を振り返ることを忘れず、精神保健福祉士の役割の明言化や資質向上に努めようと思います。


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