「第15回基幹研修(・)」と「第9回更新研修」を大阪府立大学中百舌鳥キャンパス(大阪府)にて開催しました(開催案内)。日程は、基幹研修が2012年5月12日(土)、基幹研修および更新研修が2012年5月12日(土)、13日(日)でした。ここでは、それぞれの修了者から報告記事を掲載します。
<第9回更新研修/大阪会場> | |||
演習の様子1 | 演習の様子2 | 演習の様子3 | 全体会発表 |
地域活動支援センターカミング(神奈川県)/経験年数10年 碓井 優子
本当に暑い2日間でした。
2012年7月28日29日「第9回更新研修」が開催されました。会場は大阪府立大学 中百舌鳥キャンパス。会場へ到着すると、すでに多くの方が会場入りされていました。受講者名簿をみると参加者が96名。そして、名簿の最後の受講生の名前をみて驚いたのですが・・・今回の研修の講師の先生でした。更新研修を受けながら講師もされていたのですね。
更新研修のカリキュラムは、精神保健福祉士の専門性、精神保健福祉制度・政策、精神保健福祉士の実践論の講義。そして、演習と事例検討のグループワークでした。
「精神保健福祉士の専門性」の講義では、ソーシャルワーカーが人権擁護と人権侵害の要素をもつ両刃の剣的な位置であると考え思い悩んだ時期についての話がありました。日々の業務を振り返る必要性があり、慎重に考えなければならないと再確認した部分でした。また、かかわりのあり方について講師の方の実践での話を伺い、私の支援は相互主体的な関係をつくるかかわりであったのかと、自問自答する時間となりました。
「精神保健福祉士の実践論」では、人権擁護、リスクマネジメント、相互批判、パターナリズム等々、精神保健福祉士としての課題を次々と投げかけて頂いたと感じています。
グループワークの事例検討では、真のニーズを引き出す関わりについて話し合いをしました。職場や立場が違うメンバーが集まっていましたが、共感してお互いを高めあえるグループワークができたと思います。当事者との関わりから時熟につながるのだという話が実践論でありました。「かかわり」と言葉で表すのは簡単ですが、その意味の深さをグループワークでは実感した時間だったと思います。
これまで、基礎コース研修は沖縄、研鑚コース研修は岩手で受講し、そして更新研修を大阪で受けました。実習指導者講習会も愛知で受けるなど、日本精神保健福祉士協会が主催する研修は、なるべく多くの地域で受けたいと思っています。全国にいる、まだ出会えていない仲間達と知り合う機会を楽しみにしています。5年後の更新研修は、どこへ行こうかな。
最後に、研修の準備をしてくださったスタッフの皆様、講師の皆様、本当にお疲れさまでした。そして、ありがとうございました。これからもどうぞ宜しくお願します。
<第15回基幹研修/大阪会場> | ||||
小出講師による講義1 | 演習の様子 | 全体会発表 | 全体会発表 |
医療法人積仁会 共同生活介護事業所ながさか(石川県)/経験年数9年 吉川 史恵
研修が開催された7月28日・29日は列島中が猛暑日となりましたが、怪我をされて入院中という大変な状況の中講義をして下さった小出先生をはじめ、講師の先生方が外の暑さに負けないくらい熱く思いを語られていたことが印象的でした。
私がこの研修を受けた一番の動機は、日頃の実践を振り返り自己覚知の機会にしたいという思いからでした。日常の業務の中で「精神保健福祉士としてこれで良いのだろうか?」と考えることが増え、行き詰まった感じもあったため、今の自分を打破できるかもしれないという期待を持っていました。
研修はとても濃い内容で、たくさんの刺激を受け、実践の根拠を見つめ直すことができました。わかっているはずなのに振り返ると意識できていなかった自分に気づき、反省することばかりでしたが、普段大切にしたいと考えていることについて「それで良かったんだ」と確認することもできました。
講義では、精神保健福祉士とは常に悩み研鑽する職業という言葉が印象に残っています。最近は所属機関の体制と利用者様との間で板挟みになり、支援や精神保健福祉士としての立ち位置などに悩むことが多くなりましたが、悩める自分、揺れる自分を肯定してあげていいのだと認めることができました。これからも精神保健福祉士であり続けるために、悩み揺れるためのエネルギーを持ち続けたいと思えました。
演習では精神保健福祉士の専門性についてグループで話し合いました。抱えているケースや状況はさまざまでしたが、悩みどころは共通していたように思います。精神保健福祉士の専門性をどう捉え、根拠づけ、実践し、周囲に伝えるか。自分が抱えるもやもやした気持ちについて、今まで自分が気付かなかった新しい視点を頂くことができました。また、自分と同じように悩みながら頑張っている方がいるということを知り心強く感じました。
2日間を終え、抱えていた行き詰まり感がなくなったわけではありませんが、解消に向かうヒントとエネルギーを得たように感じています。職場に持ち帰り、実践を通して試行錯誤していきたいと思います。
この研修を修了し『研修認定精神保健福祉士』になったわけですが、今の私はまだまだです。一日も早く胸を張って名乗れるように、今後も研鑚を積み成長していきたいと思います。
このような貴重な研修に参加させて頂きありがとうございました。
<第15回基幹研修/大阪会場> | ||||
柏木会長による開講挨拶 | 古市講師による講義1 | 演習の様子 | 代表者による修了証書授与 |
医療法人洗心会 倉永病院(福岡県)/経験年数4年 平山 徹
2012(平成24)年7月28日、大阪府立大学にて基幹研修Uが開催されました。私自身、大阪は初めての地であり、すごく胸躍るものがありました。
「精神保健福祉士の専門性」では、自己覚知の部分で「外側からの判断基準を自分の中に取り込んだ際は注意する」という講義が特に印象に残っています。病院からの役割・期待ばかり優先することなく、専門職としての自己への問いかけを忘れてはならないと痛感しました。
「精神保健福祉制度・政策論」では、今まで自分で勉強していた部分では気付けないようなところを多々教えていただきました。現在、大きな変革の中にあり、より深く考え気付ける視点を持てるよう意識していきたいと思います。
「精神保健福祉士の実践論」では、「精神保健福祉士が自分の実践や支援の意図を説明できるか」という部分が印象に残っています。自己覚知や専門職としての質を上げていかねばならないと痛感しました。
演習では、以前沖縄大会でお会いした方もおられ、あまり緊張せず取り組めたと思います。また、医療機関だけでなく幅広い領域から参加されていました。ここ最近、PSWの院内での専門性ついて考えることが多々あり、それに近い部分をテーマに演習ができました。やはり、どこの医療機関でも似たような問題があり、私だけが悩んでいるのではないという部分に気付かされ、また今の私のやり方では今後通じなくなるであろう部分にも気付くことができました。時間とともに意見・発言も多く出てきて楽しく密度の濃い演習ではなかったかと思います。
また、無事に研修を修了した後は懇親会へも参加させていただきました。
心地よい疲労と渇いた喉にビールは最高でした。柏木会長をはじめ、全国から集まった方々とも情報交換でき有意義な時間を過ごせたと実感しています。
次の日は大阪を満喫し、たこ焼き・お好み焼きと本場の味に舌鼓を打ちました。ですが行きも帰りも夜行バスでの移動となっており、博多に到着した時には、体力的にも若くはないのかもしれないと振り返りができました(笑)
次の基幹研修に参加する時は、移動手段についても検討しなければならないと痛感しております。
最後になりましたが、今後もこのような研修会に参加し自己研鑚を行うとともに日々の業務に反映していきたいと思います。
以上、簡単ではございますが基幹研修会U(大阪会場)の参加報告とさせていただきます。